M&Uスクール

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今週の喝 第351号(2012.1.9〜2012.1.15) この世は全て催眠だ(93)〜無意識は叡智に満ちている〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(93
〜無意識は叡智に満ちている

 無意識は、その深さによって様々なレベルがあることをお伝えして参りました。それは浅いレベル程、その人自身に関する個人的な内容であり、深くなるに従って、他の人や他の動物と合わせ持つ普遍的なものになってゆくのです。
 このような、無意識の智慧を上手に汲み上げる(同調する)ことの出来た人が
 ●創造力のある人
 ●ヒラメキのある人
 ●カリスマ性のある人
そして、
 ●預言者や妙好人(みようこうにん)などの宗教者
になるのです。
 妙好人とは、生まれながらにして宗教に目覚めた人で、世俗をもとめず、一見バカではないかと思える程、宗教に生きる人のことです。このような人の中から聖者は生まれます。
 私達人間は、無意識から創作のヒントを貰ったという話は数限りなくあります。
 19世紀のドイツの科学者ケクレは、石油の一種であるベンゼンの化学構造を発見する際、夢からアイデアを得たというエピソードがあります。問題解決に行き悩んでいた彼は、ある夜、蛇が自分の尾をくわえて輪になっている夢を見ました。そして、その夢の意味を考えていたとき、はたと閃くものがあり、有名なベンゼン環の化学構造式を作り上げたのです。

=目標を定めたならば、後は無意識に任せよ!=
 「紀ノ川」「青い壺」「恍惚の人」などの小説で有名な作家・有吉佐和子さんは、雑誌のインタビューで、自分の創作姿勢についてこう語っています。
「明日の朝、書こうと思って夜寝る前に一応人物の設定をするわけね。そうすると、その登場人物になりきって朝目が覚めるの。幕末なら幕末で目が覚めるの。目が覚めたとき、その人になっちゃってるんですよ」
何と便利なことでしょう。寝ている間に無意識が働いて、ちゃんとストーリーを発展させてくれているのです。
 私も、この話のように作曲に用いています。ストーリー性のある交響詩、情緒豊かな演歌やポップスなど、作詞に添った曲を作りたいと念じ、その詞の内容にぴったりの人物像を想像して、後はゆったりとリラックスして就寝すると、不思議や不思議!夢の中でメロディーが自然に浮かび上がり、それが耳について離れないという体験を幾度となくしました。
 ただし、これは便利とばかり、楽をしようとしてそれに向かったときには、何も湧いてこないばかりではなく、むしろ悪夢にうなされて、天罰を受けたような感覚に苛まれることもありました。
 私の体験からいうと、純には純の、邪には邪の反応が無意識には起こるようです。多くの発明家や芸術家が、放心状態になり“万事休す”と思われたときに、土俵際一杯の奇跡が起こることが儘あります。
 筑波大学の医学者、小田晋(すすむ)名誉教授は、
「熱狂的な意志集中は、意識の狭小化をもたらすので、ある時点まで押し詰めて行くと、大脳生理学的には<超限制止>という現象が起きて、脳は真っ白の状態になる。そこに本人も意識しない深層の観念が浮上してきて、それは<啓示>として体験される」
と、述べています。深層の観念とは、無意識から浮上してくるメッセージであり、アイデアのことです。
 つまり、自己という我欲が極限の集中によって消え去ったとき、潜在意識の深いところより、目標とする叡智が湧いてくるというのです。それは、我欲が如何に人間の知恵を阻害しているかということでもあるのです。
 松下幸之助氏、本田宗一郎氏、盛田昭夫氏、稲盛和夫氏といった日本を代表する発明家や経営者は、皆このように私心を集中力によって捨て去ることが出来、その結果、大発明を為した人達なのです。19世紀後半の教育学者で且つ敬虔なキリスト教の牧師であったエマーソンは、
「偉大な人間もいなければ、卑小な人間もいない」
と、人間の可能性を示しながらも、その成功・失敗の分水嶺は、我欲・気散にあることを明快にしています。
 人は皆それぞれ素晴らしい才能を有しながらも、それを我欲・気散によって台無しにしているのです。自己の能力は、まさに集中力を高め、自我を真っ白にしてこそ初めて素晴らしい叡智が湧いてくるのです。

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/