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今週の喝 第347号(2011.12.12〜2011.12.18) この世は全て催眠だ(89)〜集合無意識の不思議〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(89
〜集合無意識の不思議

 さて、カール・グスタフ・ユング博士が発見した「集合無意識」は、何も人間だけに作用しているのではありません。大自然、いや宇宙そのものと繋がっているような現象が多く見られます。その代表ともいうべき不思議な話があります。
 ダイナマイトなどを作るのに用いられる「グリセリン」……この粘りけのある無色の液体は、現在は摂氏17〜8度以下で結晶化する性質を持っていますが、これは、ある年のある日、ある瞬間から結晶化するようになったというから驚きです。
 それまでは、グリセリンは温めても冷やしても結晶化することはありませんでした。
 その変化は突然のもので、19世紀、ウィーンからロンドンへ馬車で輸送中だったグリセリンが突然結晶化したのです。人為的なものは何もなく、それこそ偶然が重なり合ってのことなのです。その時の気温や湿度、馬車の揺れ具合、静止時間と動揺時間etc.数えられない程の偶然で条件が揃ったのでしょう。
 そして、さらに驚くべきことに、まったく同時期にカナダのジャイアント・パウダー・カンパニーという化学会社でも、突然グリセリンが結晶化したのです。
 その後は、結晶化したグリセリンを核にすれば、簡単に結晶化させるとが出来るようになりました。
 しかし、不思議なことに、いつの間にか結晶化したグリセリンを核に用いなくても、グリセリンは簡単に結晶化するようになってしまいました。
 このことはとても奇妙な現象のように思いますが、現在でも新しい物質を結晶化させようとする時、頻繁に起こる現象だそうです。いちど、結晶化に成功した新たな物質は、それ以後、簡単に結晶になってくれるのです。このような不思議な事実も、集合無意識の役割から考えると、起こるべくして起こったと言えます。まさに集合無意識は、我々人間を代表とする生物のみならず、宇宙を構成する万物とも連携しているのです。

=人間の性質の根本は家族的無意識に由来する=
 さて、フロイトの提唱した「個人的無意識」とユングの「集合無意識」との中間に位置する意識が“家族的無意識”です。“家族”というのは「家系」ことで、「私のパーソナリティは、私の祖先の性格の特徴的な要素を受けついでいる」という捉え方です。このように言うと「な〜んだ、DNA(遺伝)の話しか」と言う印象を持つ方も居られるでしょうが、ことは性格的なものです。現在の研究でも、DNAのどのパーツが、どんなパーソナリティを子孫に伝えているかということは、まだ当分解明されそうにありません。
 しかし、我々の無意識の中に潜んでいる心的傾向は、普段は潜在化していますが、人生の重要な場面でカオを出し、運命を支配するのです。
 この働きは、以前「人生脚本」のところでもお話ししました。しかし、「人生脚本」は生まれてからの出来事から、本人自身が“決断”して作り上げたものです。それに対して、家族的無意識は先祖からやってくる運命支配者であるところが根本的に違うところなのです。
 この考え方を提起したのは、ハンガリーのL・ソンディ(1893-1986)で、彼はこの心理学を「運命心理学」とよんでいます。彼は自分の“運命分析理論”の正しさを実証するために、天才的発想によって、投影法心理検査「ソンディ・テスト Szondi Test」を考案しました。この大変ユニークな心理テストは、1回のテスト施行時間が約5分、採点時間が約3分。48枚の顔写真の好き嫌いを申告してもらうだけなので、拒否される可能性も他の投影法心理検査(例えばロールシャッハ・テスト)と比べて少ない上、約5分の1回法テストだけでも、「どうしてここまで分かるのか!」と驚くほどの深層心理の解明を行なうことができます。それも集合無意識のなせる業! 体験したい方は、インターネット上でもこのテストは公開されていますので、“ソンディテスト”で探してみて下さい。
 このようにソンディは、フロイトの「精神分析学」とユングの「分析的心理学」を統合して、理論としての「運命分析学」と治療法としての「運命分析療法」を提唱し、フロイトの後継者といわれるようになりました。それは「無意識の抑圧と防衛の力動過程」の構造を、思考や観念ではなく、目に見える形で表現する選択テストに仕上げたのです。
 そのテスト結果より、その人間の思考パターンを分析し、優先順位と選択肢に対する癖を知り、その運命分析へと発展させて行きました。

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/