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今週の喝 第342号(2011.11.7〜2011.11.13) この世は全て催眠だ(84)〜私(自我)はどこで作られるのか?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(84
〜私(自我)はどこで作られるのか?

 「無意識」の発見者は、かの有名な精神分析学者ジークムント・フロイトです。彼の説によれば、
 「人間、生まれた時はまったくの白紙。生育に従って、脳・中枢神経組織の“系”に刻み込まれた出来事や感情の記憶の積み重なりが、その人の無意識を形成していく」
と言うのです。そして、
 「自我(私)によって抑圧された性的衝動(リビドー)が、ヒステリーや神経症の原因となったり、あるいは、社会的に好ましい方向に変形されて、芸術や文化になる」
 この理論が広く受け入れられ、フロイトは一躍有名になります。
 文字にすると簡単な言葉も、抑圧者としての役割を果たす「自我」も、生まれたての時には存在しなかったわけです。
 つまり、「私(自我)って、何だろう」ということです。 存在しない自我が、どのようにして作られるのかをフロイトは問いかけたのです。それは簡単に言うと、
 「周囲から与えられる暗示によって築かれた幻想の構造物」
と言うことになります。
 赤ん坊は、両親初め周りの人間から
「可愛いね。良い子だね」
「そんなおイタはいけない子だよ」
などと評価を受け入れながら、それに反応して自分を作り上げて行きます。当然、暗示の内容が異なれば、「自我」も違ったものが出来ます。父母の言葉や態度を通して、社会のルールが教え込まれ、それが自我という建築物の重要な素材となっているのです。

=人間誰しも人生脚本を心に描き、その通りに生きる!=
 これは、潜在意識(無意識)の一番浅い部分である「個人的無意識」の創生期を表しています。人間の固定観念の基礎とも言うべきことは、このように生まれた環境によって左右されることが多いのです。
 「一流大学⇒一流企業が人間にとって最も幸せなエリートコースで、それ以外は人生失格だ」「人前でHな話をあからさまに言うことは、はしたない」
など、パーソナリティ(性格)と言われるものに密接に結びついています。
 性格は、その人特有のものの考え方、感じ方、行動の仕方です。しかし、当の本人は、
 「なぜ、自分がその様な場面では、いつも同じような感じ方をするのか?他の人は、別の感じ方をしているのに……」
と、その理由は分かりません。それは、無意識になってしまっているからです。

 人は、自分特有の感じ方や考え方が凝り固まって、人生の重要な場面ではいつも同じような選択をしてしまうことが儘あります。例えば、
 ●変わる職場の先々で、必ず上司と衝突しクビになる
 ●恋人と、あと少しで上手くいきそうになるが、なぜか喧嘩別れしてしまう
数え上げると、どんな人間も一つや二つではなく多くのこのような“癖”を持っています。その人間の心の中に、何か我々(自分)には気が付かない秘密のプログラムが隠されていて、その暗黙の指示に従って人生を歩んでいるように思ってきます。
 1950年代、人間の関わり合いを方程式化した「交流分析」の開発者であるエリック・バーンは、この無意識に刻み込まれたプログラムを「人生脚本(シナリオ)」と名付け、その成り立ちは、まさに「三つ子の魂百まで」ということわざにあるように、「幼児期の体験がものになって反応」して、「私はこのように生きよう」という決心を誰もがしていることを発見しました。そして、その人生脚本は、無意識化され、心の奥に定着してその人間の思考・行動の判断基盤となります。
 例えば、幼い頃兄に
 「明日魚釣りにいこう」
と言われた弟が、楽しみにしていたのに、翌日になると兄が、
 「そんな事言ったっけ、忘れたよ。今日は友達が来る」
と言います。そんな事が数度繰り返して起こる内に、弟は
 「人を信じてはいけない!約束は破られるものだ、そして、自分が傷つくばかりだ」
と頑なに思い込むようになるかも知れません。
 このようにして、「人生脚本」は、その人間の無意識というキャンバスに描かれます。そして、それがその人間の重要な判断時期や決断の時に、その人特有の感じ方行動の仕方となって湧きだしてくるのです。
 兄に失望した弟は、成人しても人を心から信じることが出来ず、恋人が出来そうになると、不信感が湧いて関係が破綻すると言うふうになります。
 「なぜいつもそうなのか?」
と問うても、自分では全く理由は分からないのです。

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/