潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（７７）
〜人は意地を張る生き物！〜
この世の中には、何と中途半端な人が多いことでしょう。例えば、「勉強しなさい！」と子供をせき立てるお母さんは、勉強とは何故するのかを知っているのでしょうか。もし、「勉強しなさい！」の一言で、子供の成績が上がるならこんなに旨い話はありませんね。むしろ、このように言われた子供は、余計に意地になって「今からしようと思っていたのに、やる気がなくなった」などと嘘をついてでも抵抗してきます。
このように、人は勉強一つとっても、なぜ勉強が必要かを理解しているつもりで、ほとんど分かっておらず、また嫌いな勉強をしないためには、屁理屈を並べ立てて自分が正しいように表現します。この間も、電車の中で女子高生が「因数分解なんか、何で勉強せなあかんねんやろ。うちのお父ちゃんも、社会に出てから一回も使うたことあらへんと言うてたで……」と話していました。実質から言えば、因数分解を社会に出てから使う人は、小数でしょう。だからといって学ぶことを拒否する材料にすることは少々ずれていますね。
勉強の真の目的は、頭脳の錬磨です。知らないことを知ろうとする時には、必ず人間は緊張し、そして集中します。ものごとを拒否する時は、その逆に、心はだらけて、気を散らせるのです。また、知識を知識だけに止まらせることなく、その物事の根幹に流れる脈絡を習得することによって、あらゆる問題の解決をしようとする応用力が育まれ、それが転じて判断力が養われるのです。つまり、勉強の本質とは、人間の最も大切な資質である「集中力と判断力」を身につけることだと、私は解釈しています。従って、丸暗記の上手い人が多くいて、記憶力の素晴らしさを競っている今の受験体制はいささか問題を多く含んでいます。記憶力はあくまで二次的要因なのです。
＝人間関係最大のマジックとは……？！＝
勉強を教えている先生方も「勉強の意義」という哲学的解答を求められると、分かっているようでハッキリしていないと言う人が多いのです。「そんなことよりも良い大学に入ることだよ！屁理屈をこねないで、君も勉強したらどうかね……」と、頭ごなしにのたまう人が多いのに辟易とします。そして、先ほどの子供のように、「私も勉強なんかするもんか」とガンコ男に変身してしまいます。人とは、自分が納得できない限り、何があっても人の言うことなど聞けない生き物なのです。
しかし、ここにエリクソン博士がいたらどのようになったかというと、どんな人間も本当に素直に言うことを聞いたといいます。その結果を目の当たりにした人は、「エリクソンはマジックの天才だ」と噂しました。また真逆に、彼の所に行くと心や魂までも操られて、とんでもないことをさせられるとまで勘ぐり、逢ったことのない人間まで悪口を言う始末です。これもまた、人間の心の法則（情動のシステム）通りなのです。
事実、エリクソン博士は“マジック”の天才でした。そのマジックは、「説得」＝コミュニケーションという技法なのです。
頑強に抵抗する人間は、反感と猜疑心の塊となって「てこでも自分の意見は曲げないぞ！」と唇をへの字に引き締めている人を前に、エリクソンは独特のテクニックを用いたのです。数分後、ガンコ者の唇はゆるみ、眼はやわらぎ、心はエリクソン博士を受け入れていました。まるで、調教師にエサを与えられ、頭を撫でてもらった猛獣のように……。
ガンコな人間も、自分の心に沿った“説得”をされると、それを受け入れようとする心が自然に働き“納得”するのです。
エリクソン博士は、その術を修得していました。その秘訣の根本は、「なぜ？」という単純な摂理の追求＝本質を求める心をしっかりと持つことなのです。以前にも話したように、彼は重度のポリオ（小児麻痺）に罹りながらも、赤ん坊が這って立ち上がるのプロセスをしっかりと観察し、同じようにすることによって自ら自分の病を克服した経緯があります。這うこと、立つこと、歩むこと……健常者が何も考えずに出来る行為も、彼にとったら、人型ロボットの開発者のように、一つ一つが研究の対象であり、どんな些細なことも見逃すことの出来ない重要事項でした。
サイコ･サイバネティクス（人間の成功機制）の発見者マックスウェル･マルツ博士が「勉強が出来ない人間など、この世にはいない！その人間は、なぜ勉強しないといけないかが分かってないだけだ」と喝破するように、人は「なぜ？」と、普段から当たり前の事柄ももう一度問い直すことからスタートすれば良いのです。すると、あなたも人を説得し納得させる、人間関係最大のマジックを手に入れることが出来るでしょう。
この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/
