M&Uスクール

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今週の喝 第332号(2011.8.29〜2011.9.4) この世は全て催眠だ(74)〜人間は指導によって変われる!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(74
〜人間は指導によって変われる!

 部下や子供が「仕事が出来ない」、「成績が悪い」など悩みを抱えている、会社のリーダーや学校の先生、又は父兄など多くの人間は、その原因を出来の悪い人間の側にしてしまいます。また、教育学や社員教育を生業にしている専門家は、「学習能力の欠如」「微小脳不全」「教育障害」といった病名(?)をつけて、重々しい響きと共に、治療できないのは自分の側の所為では無いことを強調します。彼らは、いとも簡単に「この子には学習能力が無い」「社会性が欠如している」などと結論づけ、決して「教える側、指導する側の能力欠如」とは絶対に言いません。
 私も多くの会社を見て参りましたが、業績の悪い会社の大半が、景気や社員の能力の所為にして、絶対に社長の器には触れません。また、コンサルタントや企業内の教育部なども決してトップの弱点や欠点について、指摘することはありません。(そんなことをしたら、クビが飛びますから……)いつも、悪いのは生徒や社員の方で、能力がないか脳に障害があるか、場合によっては遺伝と言うことで片付けられてしまうのです。
 人間には何事につけ、改善法が見つからないと、何とか行き詰まりを打破しようとするのではなく、上手くいかないことを正当化しようとする傾向があるのです。
 私は、何度もこの紙面で書きましたように、兵庫県西宮の今津という下町に生まれ育ち、そこに一人の音楽教師・得津武史先生が赴任されたと同時に、日本一という栄冠を頂くことが出来ました。西宮でも一番柄の悪いといわれていた地区の今津中学が吹奏楽の名門になったのです。これは、間が指導によって生まれ変わることが出来る明快なる証であると思います。

=「出来ない事」の理由付けを止めよ=
 私自身は、生徒や社員の側に原因があるとは考えたくありません。むしろ、教える側に問題があるように思います。最近の子供の学習能力低下などは、明らかに、文部科学省の教育方針と教師の資質が原因で起きていると私は考えます。
 どんな人間にもある程度の水準にまでは教育を習得させることが出来ると考えれば、それに向かって努力もしますが、人間、諦めてしまえばそれまでではありませんか。
 神経言語プログラミングを集大成したエリクソン博士自身、幼少期は重度のポリオ(小児麻痺)で身体を動かすことが困難でしたが、ある日、赤ん坊が這うことから立つことへ移行するのを見て、その通りをまねて自分の身体を日常生活に支障がない程までに回復させました。これも、「決して諦めない」という強い信念があってのことです。現代人の多くは、(教育関係もふくめて)他人のことにはどうも情熱を傾けられず、いい加減な付き合い、対処対策になり、自分の楽な方向で何事も結論づけてしまう傾向が強いのです。
 19世紀には、鳥のように空を飛ぶことなど不可能と考えていることが常識でした。そして20世紀初頭、飛行機が出現しても、人が月に立つことなど出来ないと思っていました。しかし、現代では全てが可能になり、火星を人類に有効活用しようということまでアイデアが出ています。この様に過去の事例から考えて行くと、人類の歴史は不可能と考えていること自体が不可能を招くのであって、その中に「何があっても実現化するぞ」という、強い信念を持った数少ない人間によって不可能を可能に変えてきたのです。
 今から、150年ほど前にニューヨークで活躍したキリスト教牧師で教育学者の、エマーソン「一人の賢者が廻りを変える」と言う有名な言葉を残したように、少数の強い信念と渇望を持った人間によって、この世の不可能は可能へと塗り替えられて行くのです。松下幸之助翁も「成功者とは成功するまで諦めなかった人間を言う」と語っています。
 「学習能力の欠如」というのは、昔の脳神経生理学の研究に基づいた考え方です。脳の一部に損傷を負った人が話せなくなった場合、その部分が会話能力を司っていたと結論する類いの研究です。申し訳ないのですが、私はこの類いの研究は、「出来ないこと」への理由付けであって、前進的なものは何も提示していないと思います。
 しかし、人間にはある部分が欠損しても、それを補おうとする未知の力が備わっていると私は思います。私自身も、音楽を生業とするにもかかわらず、10年ほど前に突然、突発性難聴に襲われ、右耳を失聴してしまいました。はじめは、奈落の底に落とされるような絶望感に襲われましたが、大先輩ベートーヴェンの苦悩を思い起こすと「負けてはいられない」という強い意志が出現し、「右耳が聞こえないのではなく、左耳が聞こえるのだ」と考え方が変わりました。それから3ヶ月ほど後には、不思議や不思議、しっかりとオーケストラの指揮台に立つと楽器の位置や音量がバランスよく聞こえるようになったのです。専門医師は「脳が聴覚を補正して、疑似ステレオの感覚を身につけた」と分析しておりました。これは、エリクソンがポリオを克服したのと同じ“人間が内在する生命力”が働いたのです。
 ここに、世の指導的立場にある人間は、『賢者』の素養がなければなりません。人間の潜在能力についてしっかりと学んでいない社長や先生によって、どれだけ多くの才能が失われ潰されたかと考えると、私は残念でなりません。

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/