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今週の喝 第315号(2011.5.2〜2011.5.8) この世は全て催眠だ(57)〜陰の声の脅迫で、あなたは行動を起こしていませんか〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(57
〜陰の声の脅迫で、あなたは行動を起こしていませんか〜

 私は中学校の時、吹奏楽部の朝練(午前7時から)が苦手でとても苦労しました。今から47年も前のことですが、とてもよく覚えています。親に買ってもらった目覚まし時計のあの「ジャーン」という突然鳴り出すベルの音は、音楽大好き人間の私にとっては雑音そのもので、そんな音で新しい一日が始まるのが辛抱できませんでした。そこで、まだ家には小さなレコードプレーヤーしかなかったのですが、電気炊飯器のタイムスイッチと接続して、毎日美しい音楽で起きようと試みました。
 ロッシーニ“ウィリアム・テル”“セビリアの理髪師”などの序曲はとても心地いい目覚めを与えてくれるのですが、音楽が美しすぎて、一度目覚めたものの、布団の中はとても気持ち良いので、再びまどろみそうになります。そんなとき、「いつまでも布団にくるまっていると、また眠り込んで遅刻してしまうぞ」という陰の声が聞こえてきて、顧問の得津先生に天ぷら棒で頭を叩かれているところが浮かび、とてもいやな気分になります。そして再び「いつまで寝とるんじゃ」と、声は追い打ちをかけます。遅刻の場面は一回り大きくなり、いやな気分ももっとひどくなります。そして、いたたまれなくなって布団から起き上がるのです。
 もちろん毎日ではありませんでしたが、この様なときは一日中メランコリーな気分でどうしようもありませんでした。(お陰様で、遅刻はせずに済むのですが……)
 これは「不安型動機付け」と心理学では呼ばれ、不安を高め、それを避けるために行動を起こすわけです。
 締め切りの迫った宿題や原稿、報告書などもこれに当てはまります。ぐずぐず後に伸ばしていると、締め切りが近づくに従って不安が募り、直前になってやっと腰を上げるというわけです。

=マイナス思考をプラス思考に帰る秘訣は……?!=
 我々はこのような不安に駆られ、それを避けるために行動を起こすことを悪いことだと決めつけていますが、アメリカの心理学者ロロ・メイは、「不安とか懸念とかは、不当な扱いを受けている。これらは決して悪いわけではない。なぜならば、そのおかげで人々は行動を起こすのだから……」と言っています。
 確かに、私など中学時代にスパルタ教育で吹奏楽日本一になった経験があり、下手に演奏すれば先生にしごかれるからこそ練習に励みました。近隣の我々よりも学力レベルの高い中学校に決して破れなかったのは、この恐怖と言っても良い指導法のお陰なのです。
 しかし、我々と一緒に入部した人間の中には、途中でこのしごきに耐えきれず落伍していった者も大勢いたことも事実です。彼らは、上手く演奏できなければ、鉄拳が飛んで来るという不安と恐怖で、行動が押さえられてしまい、先生の前に行くと身体が固くなって、思うように運指や呼吸ができず、失敗していました。彼らの思考を観察すると、たとえやる気になって練習し、練度が上がってきても、常に「もし間違ったら、天ぷら棒が頭に炸裂する」と失敗した時のことを思い描いて不安になり、行動を潜在意識が抑制する……つまり無意識に行動を控えてしまうのです。

 私は、小学校の4年生の国語の授業で、「今日の仕事を明日まで延ばすな!」と言う人間の心構えの大切さを書いた文を読んだ時、勉強大嫌い人間であった故に、「そうだ、大嫌いなものは早く片付けてさっぱりしよう」と思いついたのです。
 私の高校時代の友人が「私はベッドの中でその日にやることを思い浮かべると、それがたまらなく楽しく思えて、いてもたってもいられなくなり、飛び起きるよ」と言っていたことを思い出します。そこで、朝が苦手な私は少々意地悪の気持ちも手伝って、「もし、その日の予定がどれもこれも不愉快なことばかりだとしたらどうするの」と尋ねると、「そんな時は、仕事がすべて片付いた時のことを想像するんだよ。すると、これがまた非常に愉快に思えて、ベッドから早く出たくなる」と言っていました。
 この友人は、今では立派な会社を経営し、税金の申告もどの会社よりも早く片付けるのだそうです。その理由は、「面倒な申告書の準備が完了して、他のことが出来るのは素晴らしいことだからね」と、平然と言ってのけるのです。
 ここで重要なポイントは、彼のように、どんな嫌なことでも行動を起こす前に、それをやり終えて良い気分になったところを思い浮かべると、モティベーションが湧いてくるのです。不安によって、また受動的に“やらされている”と言う強迫観念で行動している人は、どうか一度お試しあれ!

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/