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今週の喝 第308号(2011.3.14〜2011.3.20) この世は全て催眠だ(50)〜天災は忘れた頃にやって来る〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(50
〜天災は忘れた頃にやって来る〜

 東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方、また罹災された皆さまに心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
 まさに、老子の言葉「天地は不仁なり、万物をもって芻狗(すうく)と為す」の通りの事象が起きました。報道機関は「未曾有の大災害」と声高に報じておりますが、すでにNHKで2年前に「メガクエーク(巨大地震)」という想定番組が放映され、場所こそ違え、見事に警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、何の手立ても打たれていなかったことが残念でなりません。(芻狗とは祭りで偶像として使う藁の犬のことで、祭りが終われば捨てられる)
 地震発生当時、私は東京ディズニーランドのすぐ近くにある会社におりました。約1分強の大きな横揺れに、震源地は遠いと直感しながらも、相当大きな地震だと直感し、次に来るウォーターフロント特有の災害である液状化現象と、津波などによる建物破壊や交通混乱を想定して、情報を得るためテレビをつけました。幸い停電は免れていたために、震源地は三陸沖であることが分かり、間近の津波災害は回避できると察しました。なぜなら、津波は震源域から90度方向には、大きな力は及ばないからです。しかし、時間の経過と共にその波が反射していつ東京湾にも影響が出るか分かりません。従って、従業員の方々が家族等の安否を気遣って帰宅したい旨の申し出にも、そのことを計算に入れ対処しました。
 現代社会は、「我々日本は先進国だから、災害は起こらない」と思いたがっているに過ぎないのです。今回の地震は、地震学者が想定していた、東海、東南海、南海の震源域が連動して起こる地震の規模を超え、また、想定外の地域で発生したことを踏まえ、天災はどこで起こってもおかしくなく、また、我々人間は己の非力を心から思い知り、天地に対して謙虚であることを知らねばなりません。

=「正常性バイアス」から目を醒ませ!=
 阪神淡路大震災以後、巷では耐震構造の家、免震のビルと地震対策に徹底して対処していることをうたい文句に住宅メーカーは、「地震何するものぞ。何時でもやってこい」と言わんばかりの強気姿勢でしたが、“津波”という巨大モンスターの出現に、我々人間は、その非力を感じざるを得ません。
 津波は、いまや世界共通語“TSUNAMI”となり、KILLER WAVE (殺人波)と呼ばれ、2004年にはインド洋大津波で22万人が犠牲になりました。寺田寅彦氏曰く「天災は忘れた頃にやってくる」……人間の心の虚を突く自然の猛威に今まさに、我々は兜の緒を締め直すことを気付かされました。
 「自分だけは、災害からは無縁である」と、何の根拠もなく信じ込んでしまう人間の愚かさ……これは、人のもつ「正常性バイアス」という心理に他なりません。“正常性”とは「私は大丈夫」という観念であり、バイアスというのは「偏っている」ことですから「偏見」です。人間は誰もみな特別という位置はなく、平等に危機・危険にさらされています。にもかかわらず、「自分だけは大丈夫」と思い込むのです。その結果、対処・対策に遅れが生じ、本来助かるものも最悪を招いてしまうのです。
 今回の地震に至るまで、ここ数年間、幾度となく東北地方では津波警報が発令されましたが、実際に非難した人の数は、その警報の数が増すごとに反比例し減少していったと数週間前のニュースで報じていたのが脳裏をよぎります。
 これを「オオカミ・シンドローム」と言い、イソップの寓話「狼と嘘吐き子供」からとった人間の心理です。何度も何度も「狼が来た」と嘘をついて大人をからかっていた少年が、本当に狼が来た時には誰も助けに来なかったという話しです。最近では、新燃岳の噴火で避難勧告が出されても、最後には誰も動こうとはしなかったこともこの例です。
 このような心理も、その奥底に「楽と得を望む」人間の横着性が、未来予測に大きな陰りをもたらすのです。他の動物には、このような習性はありませんので、キッチリと自然の猛威には毎回、有無を言わず反応します。
 我々人間は、極度に文明を発達させた結果、「正常性バイアス」「オオカミ・シンドローム」に陥り、本来避けられるはずの災害をあえて増幅させてしまうのです。そして、そこに先ほど述べた「先進国は安全」と文明を過信している多くの人間が、大多数を占めているため、ここにまた何の根拠もなく「多数派同調バイアス」が生じ、実際に直面しないと動かない横着な人間集団が出来上がってしまいました。
 ここに挙げた「正常性バイアス」「オオカミ・シンドローム」「多数派同調バイアス」は全て、外界より受ける我々人間の心理状態です。つまり、我々は妙な催眠状態に置かれていることに早く気付かなければなりません。
 「耐震基準をクリア」などと報じられても、それは単に人間が決めた人間の基準で有り、天地自然の猛威の前には何の効力も発揮しないことが、今回の地震で証明されたのです。地震や津波は防ぐことが出来なくても、災害は最小限に止めることは可能です。その為には、我々人間が徹底的に自分達の傲慢さに気付き、過去の教訓をいつも心に留め置き、智恵としてその対処対策をシミュレーションしておくことが肝要なのです。そうすることによって、文明という催眠から目覚め、本来の正しい行動を会得することが出来るのです。

この続きは、また来週……('-^*)/