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今週の喝 第307号(2011.3.7〜2011.3.13) この世は全て催眠だ(49)〜「恐怖克服」の鍵は、自観法に有り!〜

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潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(49
〜「恐怖克服」の鍵は、自観法に有り!〜

 我々人間は、ある一つのものに「恐怖」の感情を抱くことがよくあります。かく言う私も、自分をここまで厳しく躾け教えてくださった師匠に対して、尊敬と憧憬はもちろんですが、心の片隅に(もしかしたら大きなスペースを占めて)恐怖心を抱いていることがしばしばです。そして、この恐怖心の所為も手伝って、師を追い抜くことの障害となる場合もあります。
 「恐怖」とは、とても嫌なものという感覚が全ての人間にあり、それを避けようとします。その昔「エクソシスト」という映画を初めて見た時、少女の首が一回転する有名な場面がとても恐ろしくホラー映画の代表作となりました。ところが、この怖さを友人にも味わってもらおうと、再び友人を誘って映画館に足を運んだ時、その場面を“友人はどう驚くか”という視点から眺めていたため、映画と友人を俯瞰的に見ることになりました。その結果、怖いという感情はどこかへ消え失せ、むしろ「さあ、もうすぐ怖がるぞ」とこちらは胸躍らせているではありませんか。
 このように見ると、恐怖というのはとても興味深いものです。避けようとすると恐怖はよりつのります。しかし、俯瞰的に眺めたり、回数を重ねたり、その対象を眺めている自分の姿を思い描くようにすると、恐怖は克服できるのです。
 ジェットコースターに実際に乗るのと、乗っている自分の姿を想像するのとの違いのように、物事を違う見地から見る(自観法)と、恐怖心は大幅に軽減されます。
 恐怖は心の反応です。心には、「作用反作用の法則」が有り、逃れようとすると追いかけてくるのです。だから、その場面を自観法によって俯瞰的に眺め、それをくり返すことで、克服できます。この手法は、強姦、幼児虐待、戦争などのPTSD患者に対しても非常に有効であることが証明されています。

=恐怖は一瞬で身に付く、従って改善も同じ=

 恐怖克服……私はこの課題を徹底的にコンサートでの“アガリ克服”に活用すべく、研究して参りました。その時、エリクソン催眠に出会い、そのヒントを得たのです。それは頭脳の学習に関する項目を読んだ時です。
 「頭脳は、情報が急速に流れ込むことによって学習する」
映画を毎日一コマずつ何年にもわたって映写してみたところで、我々の脳は何も反応しません。画面が急速に流れるからこそ映画の価値が生まれます。
 恐怖も同じで、ゆっくり矯正しようとして、一日一言ずつ会話しても絶対改善されません。ジェットコースターに一度乗ることが出来た人は、二度目は一度目と全く感覚が異なり、ほとんどの人が克服できているでしょう。乗る時は、自観法で自分の心を和らげて、それに挑めば良いのです。
 恐怖症の患者……彼らは恐怖という異常事態を一瞬の間に身に付けてしまったのです。言い換えれば、急速に学習する能力があることを証明したことになりますね。このように考えると、恐怖心を身に付けるとは、人間が急速に感覚を体得したと言えるのです。しかし、「恐怖に関して、これほど急速に身に付けたのだから、他の行動にも応用できるはずだ」と考える人は少ないでしょう。
 先に挙げた「師匠に対する畏敬=恐怖」の話でも、落ち着いてよく考えると、色々と厳しく指導されたことで、未だに頭が上がらない状態が起こるのですが、師のおかげでどれだけ素晴らしい技量や心意気を教えて頂き、それで今日の自分があるのが分かります。このことに気付くと、楽しい感情を、恐怖症に於ける“恐怖”と同じように強固にすることが出来るのです。
 恐怖という悪い感情と楽しい思い出は、人の心の治療に於いて、同じ反応をします。従って、セルフ・マインド・コントロール(自己催眠)のベースとなりますので、是非体得して頂きたいと思います。そして、それを適切に活用できる術を身に付けましょう。
 失恋は苦しい人生の1ページです。しかし、先に述べた俯瞰的見地から眺め(自観法)、それを繰り返すことで、恋人は単なる中立的な記憶に過ぎなくなってしまいます。離婚する夫婦はこのようなことをやって、自分の心を諫めているのです。かつて激しく愛した人を見ても、今や何の感情も湧いてこない。その人との楽しかった日々を思い出しても、楽しんでいる自分の姿が見えるだけで、楽しかった実感は失われてしまいます。しかも、無意識に……。
 自観法(傍観者的立場)は、冷静且つ中立的に自分の心の制御が出来る反面、それが行き過ぎると冷淡且つ他人事に感じてしまいますので、その用法はくれぐれもお間違いなきようにお願いします。

この続きは、また来週……('-^*)/