M&Uスクール

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今週の喝 第266号(2010.5.24〜2010.5.30) この世は全て催眠だ(8)〜多くの人は、不思議の世界は霊界に委ねる!?〜

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潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(8
〜多くの人は、不思議の世界は霊界に委ねる!?〜

 いかがわしいと思った人にとって、催眠現象はインチキ、やらせの矢面に立たせるには何の努力もいりません。唯々、催眠に掛かる人と掛からない人を分けて、催眠に掛からない方の人をデフォルメして、インチキ呼ばわりすればよいのです。
 前回お話ししたフランス語の下手なファリア師も、このようにしてペテン師に仕立てられました。本当にお気の毒ですね。
 このように、“反対運動する人々”は声高に叫ぶ結果、全ての世論がそのように成ったような錯覚を受けます。しかし、世にはSilent(サイレント) Majority(マジヨリティー)(発言しない大多数・静かなる大衆)という言葉があるように、ほとんどの一般人は声を上げません。むしろ、ブームや現象に常に左右される意志無き人々です。現代もこの地球上には、催眠療法家と催眠術師の数を足し合わせたものより多くの心霊療法家がいます。彼らは、明らかに催眠現象であることまで、霊的存在(悪霊・動物霊・地縛霊etc.)の仕業と見なし、お祓いや祈祷などによって解決しようとしています。そして、Silent Majorityは、その現象的感化を受けて信じ込んだり、愛想を尽かしたりしています。決して、科学的究明をしようなどとは面倒くさくて思いません。そのような闇の部分で、メスメルの動物磁気説やファリア師の催眠法は生き延びました。
 しかし、しっかりと科学分析しようとする人間もいないわけではありません。ファリア師の公開実験を見たフランス陸軍将校のノワゼ、そして医師であり工学技士のベルトランは、この現象を解き明かそうとします。そして、やがて2人はお互いの噂を聞きつけ歩み寄り、両人ともベルリン・アカデミーの懸賞論文に応募しますが、両名とも返却の憂き目に遭いました。

=それでも“不思議”は生き残る=
 どれだけアカデミックな世界からボイコットされても、“不思議”と思われる現象はその魅力ゆえ、地下深く潜ろうとも研究し続けられます。動物磁気説は言語暗示説へと進化究明され、世界各地に拡散してゆきます。この現象は心霊現象、UFO、予言などのオカルト同様(いわゆる雑誌ムーの世界)、いくら否定されても信じる人は後を絶ちません。そして、ブームと衰退を繰り返しながら生き延びるのです。
 そして、催眠は医学療法に応用され、カタルシス(拡散)療法へと幅を広げます。水が飲めない少女に、その原因であるストレスを吐き出させることで、水を飲めるようにしたウィーンの医師ヨーゼフ・ブロイエルなどは、後の精神分析の大家であるジークムント・フロイトに大きな影響を与えます。
 フロイトはあるとき、義兄のセクハラで片足が不自由になった女性患者をカタルシス療法で完治させましたが、何せその催眠誘導が下手だったため、一部の掛かりやすい患者にしか催眠に導けず、とうとう催眠を捨ててしまいました。以後フロイトは、安楽椅子に座らせてリラックスさせた状態で、連想したものを話させ改善に導く「自由連想法」を考案し、心理分析の大家の名をほしいままにします。
 催眠現象は、本当に色々な説が群雄割拠しました。
クラーク・ハルは「催眠は暗示の受け入れやすさが亢進(高ぶった)した状態だ」と主張し「被暗示性亢進説」を唱えました。また、犬にベルを鳴らしてから餌を与え続けると、ベルを鳴らしただけでよだれを出す実験で有名なパフロフ「条件反射説」を打ち出します。
 そしてここで、大きく進化した催眠法が現れます。フランスの薬剤師だったエミール・クーエは、覚醒状態のまま、自己暗示によって病気が治らないものかと研究に研究を重ね、ついに自己催眠(サジェッション)の技法を誕生させました。
 ある日、一人の男がある薬を買って欲しいから売ってくれるようにと頼みました。しかし、自分のところにある薬が期限切れであり、色も褪せているのでこの薬は効かないだろうから売るわけにはいかないと断りました。しかし、その男は「その名前の薬は効くからぜひ売ってくれ」と懇願するので、「責任は取らないよ」という条件付きで売ることにしました。数日後、再びその男が現れ「あの薬を飲んだら病気が治った」と御礼を言いに来たのでした。驚いたクーエは、なぜこんなことが起こるのか疑問に思い、薬の効果には物質的薬効の他に、「必ず治る」という“思い”が働いて効果を高めているのではないかと仮説を立て、多くの人達を被験者にして治療を施すと、多くの患者はみるみるうちに症状が改善したのでした。これを機に、クーエは薬剤師をやめ、「クーエの自己暗示療法」と言う治療法を始め、世界的に有名になりました。

この続きは、また来週……('-^*)/