潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
氣の力を知ろう（６５）
〜「正常」は無意識！従って感謝を忘れる〜
人間には、生命力という素晴らしい力がみなぎり、それで健体康心（身体健やかにして、心安らか＝健康の語源）が保たれています。この生命力は身体の隅々に、また細胞一つ一つに氣のエネルギーを送り込むことで、正常な状態を保っています。
しかし、人間はこの力を意識せずに、健康な状態を保つことが出来るように神さまはその仕組みを作られました。般若心経の経文に「無(む)眼耳鼻舌身意(げんにびぜつしんい)」という一説がありますが、まさしくこの世を支配するエネルギー（空）があまねく一切に及ぼしたとき、我々は眼耳鼻舌身意（六根）という感覚器官を意識することなく、ものを見、音を聞き、匂いを嗅ぎ、食物を味わい、全てを感じ、尚かつ心にわだかまりを覚えないで、物事を遂行することが出来るのです。つまり、無意識の状態とは、生命力（空）が完璧に六根をカバーしている正常な形なのです。
ところが、この生命力の根源である「空」なるエネルギーが異常をきたし、天地自然の法則から逸脱したとき、我々の感覚器官は、苦しみや痛みをもってその異常に氣付くようにその仕組みが出来ています。簡単に言うと、目にゴミが入ると痛みによってその異常を知らせるのです。従って、正常であるということは、何も意識しない状態なのです。
これは素晴らしいことですが、我々はこの正常なる作用を、苦痛を伴わないため、「当たり前」の状態として、無意識……つまり氣付かないために、感謝の気持ちを忘れてしまうのです。そして、心身共にその機能以上の酷使をしてしまうため、壊れてしまいます。これが病気で、その異常を苦痛というシグナルで知らせてくるのです。本当に良くできたシステムですね。
＝驚きの心こそ、氣付きへのアプローチ！＝
健体康心（健康）の重要性は病気になって初めて、大切だと深く感じます。「転ばぬ先の杖」のことわざを我々人間は中々実行することが出来ないのも、健康になると感覚器官が無意識になるからです。宗教は、このように無意識に作用するエネルギーの存在を教義の中で説き、限度を超えた無理や無茶をしないように警鐘を鳴らすのです。そして、このように自動的に健やかに生活できるシステムのなかに神の存在を見いだし、人間の最も美しい心の状態である「感謝」を促し、何事にも“作用”を感じる感覚を養うことで大いなる氣付きを得て、その感性・感覚で生きることによって失敗のない人生を歩むようになるのです。これが心の成長の仕組みです。
まとめてみますと、正常に作用すると無意識化される！従って、そのことに氣付かなくなる。氣付かない故に、やがて異常をもたらす。それは、苦痛という警報機で知らせてくる。つまり、苦痛が生じれば自分が間違っていると解釈して、自己改善をすることで、我々の魂は昇華する（精神が成長し、感性が豊かになる）のです。もっと端的に言うと、正常（当たり前）状態（＝無意識化された）は、感謝しなければならないのです。これが“氣付き”の本質です。つまり、無意識を意識で捉えるわけです。まあ、何と矛盾した仕組みなのでしょうか。
そこで、この無意識を意識で捉えるために、自分の心の感度をパワーアップさせる必要があります。その方法は、どんな些細な事象も、当たり前のことを当たり前に行ったことでも、全てを“驚き”をもって心で捉え、それを表現する癖を日頃から訓練して鍛えるのです。そうすることによって、“当たり前の事象”には驚くべき努力やエネルギーが秘められていることを感じるようになります。何事にも心から驚いてみて下さい。
年端のいかない子供は、何をしても何を見ても、また何を聞いても、好奇心旺盛なため、驚異の心を失いません。サミエル・ウルマンの詩「青春」にも、「驚異への愛慕心」を失わない限り、その人間は青春という人間最高の時期を歩んでいると喝破しています。
そして、驚くという感情志向は、プラス感性の最たるものです。驚異を感じるのは、そのもの自体を全て受け入れる心の様相（acceptance）から生じる大きな器がある証拠です。逆に、マイナス感覚で「お前の馬鹿さには驚いたよ」などという人がいますが、これは何も驚いているのではなくて、驚くという言葉を使って、相手に皮肉や妬みを言っているのです。
決して、驚いたふりをするのではありません。心から驚く素直な感覚を養うのです。すると、何げない人間の、何げない動作に、とても奥深いエネルギーがあることに氣付くでしょう。そして、その氣付きが、互いの心が惹き合う切っ掛けを作るのです。そして、またそこに新たなる出逢いが生じ、豊かに氣が満ち溢れ、素晴らしい人間関係が育まれてゆく土壌となるのです。
この項はこれでお終い！来週から新シリーズです……('-^*)/
