M&Uスクール

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今週の喝 第257号(2010.3.22〜2010.3.28) 氣の力を知ろう(64)〜「氣散」の根本原因をさぐろう〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(64
〜「氣散」の根本原因をさぐろう〜

 人間は、人生目標(形)を定め、そこへ向かおうとしたとき、その舵取り役である「心」を制御するために、“目的”が必要になります。つまり、「何のためにその事を遂行するのか」という動機付け(モティベーション)です。そして、その目的意識を常に持ち続けるために(忘れないために)毎朝毎晩それを反芻(はんすう)し、自分が目標としたものが完遂された時の未来像をしっかりとイメージするために瞑想することが肝要です。
 キリスト教の“アーメン”という言葉の意味は、「かくありき=○○となってしまった」という過去完了形なのです。おかしいですね。神さまにこれからお願いすることを、完了形で言うというのは、どういうことなのでしょうか。それは、将来自分が願う姿(形)をしっかりとイメージすると、我々の心と身体には「氣」が生じ、命に方向性が生まれ、自分をその方向へ導こうとして、自動的に完遂エネルギーが生じるのです。
 しかし、どの人間にも“過去”というやっかいなものがあり、それが自分の行く末である“未来”のイメージを脅かすのです。そのからくりは、平素人間は大体に於いて、目標など気にせずにダラダラ生きています。しかし、何かの氣付きや感動によって、自分の心に方向性が生じたとき、照準を未来の自分の完成された姿に合わそうと思います。しかし、過去のいい加減に生きていたときに犯した罪深い行為や心構えなどが脳裏に浮かび、自分自身で過去の所業を思い出し、「もしかしたら、私など成功に値しないのではないか」と心に引っかかってくるのです。

=成功の鍵は足し算ではなく、引き算にあり!=
 宗教とは、このような時に素晴らしい智恵で我々のこの引っかかりを取り去ってくれます。例えば、キリスト教カソリックの懺悔室(ざんげしつ)がとても顕著な例です。狭い小さな箱のような部屋の真ん中に仕切りがあり、一方に神父さま、もう一方には過去の罪を告白する信者(懺悔者)が入り、ただただ懺悔の内容を聞いていただきます。神父さまに自分の犯した罪を告白し、それを神が許して下さるという形をとるのです。すると、なぜか自分の心のわだかまりが解け、軽くなるから不思議ですね。
 人間は誰にも言いたくない、誰にも知られたくないものを心に秘めているだけで、誰かに聞かれるのではないかという恐怖が心を支配します。それが人間の存在を超えるもの(神)へ告白をすることによって、自分が許された氣が生じ、心が解放される(過去が清算される)のです。こうすることによって、未来のあるべき自分に集中することができます。すると、不思議に自分が目指した目標に近づいてゆける自分が出来上がってきます。そして、最後にアーメン状態=思い通りの人生を体現する自分がいるのです。
 ここでも、成功に近づくためのエネルギーは、いちど目標イメージを創り上げたら、それを確固たる心の支え(目的)で補強し、過去の所業の中でのマイナス感情を除去することによって、人生完遂の最大パワーである集中力が見事に成功状態を導いてくれるのです。何度も言いますが、人の成功は何かをプラスする足し算ではなく、余分な氣散材料の除去である引き算によってもたらされるのです。
 この摂理を全ての文化芸術やスポーツ等の能力開発、そしてそれを応用した経営や健康に用いるメソッドが<アレキサンダー・テクニーク>なのです。
 自分の余分な行動や思考を取り去れば、身体の不調・故障から解放され、自分独自のパフォーマンスが生まれてきます。そして、その能力や氣付き、また学びを最大限に生かすことが可能になります。不可能なことが可能に、可能なことは容易に、容易なことは優美に行えるようになってゆきます。すなわち何事もステップアップするのです。
 このように、人間は長い人生の時間を掛けて、余分な観念や癖を自分自身に背負い込み、そして、本来成功することまで、緊張と萎縮によって自信喪失し、挙げ句の果てに失敗を作り出していました。
 さて、一般のビジネスマンがアレキサンダー・テクニークを体得すると、格段にストレスに対する耐性が強くなります。また、家庭を守る主婦はルーティン化した日々の生活が、目が醒めたように楽しくなるのです。従って、このアレキサンダー・テクニークを授業として採用している学校も多くあります。ニューヨークのジュリアード音楽院やロンドンの王立音楽院など、舞台でのプレッシャーや楽器演奏のための筋肉抑制などに用いられています。また、個人でレッスンを受けた人々も、劇作家のバーナード・ショーやビートルズのポール・マッカートニーを代表に各界に名を連ねています。

この続きは、また来週……('-^*)/