潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
氣の力を知ろう（５９）
〜自殺大国日本の間違い！〜
近年、自殺者が目立って増えてきました。その数4万人を超える勢いで、未遂者を合わせると10万人に上ると言われています。これは、近年の戦争の戦死者を凌駕していますね。
自殺に至る経緯は、一番が健康問題、そして家庭問題、経済・生活問題、仕事、男女、学校での問題と続きます。そして、その割合は、50歳代を筆頭に、６０代、４０代、３０代、２０代の順です。日本は一体どうなっているのでしょうか。
日本は豊かになったはずなのに、それはただ経済的豊かさをゲットしただけで、心の安寧は全く手に入れていません。健康問題も心の病が発端で、体を悪くしてしまっているケースがとても多いのです。それに追い打ちをかけるような昨今の大不況で、身も心もズタズタになっているのです。もちろん政府が経済対策を早急にこうじることは当たり前ですが、この状況が生まれた根底に、教育の間違いがあることに氣付き、次世代の者達にこんな挙動に出ない為の指導をして行く必要があります。
その教育とは、人が生まれ、そして死んで行く、その間に何をやり、何故それをやらなければならないかを、先人たちの慣習的な智恵から、自分の生き様を学ばせることなのです。そして、その過程で生じる“苦”の克服こそ、人間の根底にある魂の昇華の術であることを悟らせるのです。
自殺に走る最大要因は、自分が置かれている状況から、自分が生きている価値が分からず虚無的になり、人生の目的を見失ってしまうことです。そして、苦しさに耐えかねて、本来最も恐怖すべき“死”に向かうのです。つまり、人生に希望が持てないことで、生命力が消え失せ、自らの命を抹消して行くのです。
＝アレキサンダー・テクニークの根本要素は道の修得＝
「自殺する勇気があるなら、そのエネルギーを生きる方に使えばいいのに」と我々は考えますが、自殺は決して死ぬという勇気のエネルギーが湧いてきて、それに至るのではありません。むしろ、自殺は生きるエネルギーを失ったことによって必然的に死に至るのです。病気も、それが原因で死ぬのではなくて、「生きるエネルギーが病気によって失せた」ことによって死ぬのです。つまり、“氣”が失せたのです。生命の方向性、それが“氣”です。
子供の頃は、心身に元から宿る成長エネルギーによって自然に生かされるのですが、成人してから生きてゆくのに必要な要素は、まず、「目標」＝自分が目指すべきものがあり、その上に、「目的」＝何のためにその目標に向かうのかという志向性＝道がなければなりません。しかし、現代の日本人がもつ人生目標・目的＝道は現世での快楽のみを求め、その意識は非常に希薄になってしまいました。つまり、利己的満足（欲望や感情によって生まれる“楽と得”を求める目標）のみを追い求め、他者との関係は全て自分の欲得の有利性にのみ結ぼうとするため、よそよそしい表面的な付き合いに終始しているのです。そこで、孤独感に苛まれ、全くの人間砂漠を体験するのです。
欲望や感情による人生目標は、言い換えれば、それは全て自分の外界にある物を求める心です。本来、人がこの世に生を受けた意義は、自分の精神を浄化し、そしてより高度な感覚へと昇華することだと私は心得ています。そして、精神の昇華は、自分の所業が間違った結果生ずる“苦”を体験することによって気付くか、親や先生、または自分が望んだ道で出会う師によって教わるのですが、物欲というあまりにも浅薄な目標しか持てなくなった現代人は、自分の置かれている今の境遇や立場を外界の所為にして、それを運命だと思い込んでいるのです。その結果、自分の心をしっかりと見つめ（理性）、自分のあるべき姿を自分の内側に求めること（求道心）を無くしてしまい、非常に狭い心しか持てなくなってしまいました。このような狭量の心は、自分を限定してしまい全てにおいて「万事休す」となります。しかし、それを他者に知られまいとするけい礙(けいげ)の心が大きく横たわっているため、他と隔絶した自分を作り、それが“鬱”状態へと発展し、やがては自殺への道となるのです。
F・M・アレキサンダーは、彼自身、自分が目指した俳優への道で大いなる挫折を味わいました。その時、医者からも見放され、思うようにならない自分の体を呪い、己の才能の限界を感じ、まさに生きている希望も完全になくしてしまったところから「自分への挑戦」をスタートさせたのです。
強い欲求、自分がなりたい形、それの目標を何のために自分が追い求めるのかという心意気のチェックなど、全て自分の内側の整理から始めることが、人生成功の鍵であることに辿り着いたのでした。アレキサンダー・テクニークは、まさに世紀の大発見……運命の鍵は「自分の心の中にある」ことの氣付きから始まるのです。
この続きは、また来週……('-^*)/
