M&Uスクール

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今週の喝 第250号(2010.2.1〜2010.2.7) 氣の力を知ろう(57)〜アレキサンダーは、逃げなかった!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(57
〜アレキサンダーは、逃げなかった!〜

 

 俳優であったフレデリック・マサイアス・アレクサンダーは、7年という時間を掛けて、自観法により自分の行為行動から思考状態、そして呼吸までつぶさに観察し、その結果『行動の無駄を排除』していったのです。そして、それを系統化しアレキサンダー・テクニークとして確かなものにしてゆきました。
 ある時まで、このように苦しんでいるのは自分だけだと思っていたことが、世間を見回したら、どうやら上手くいっている人がほとんどいないことに氣付きました。そこで、彼は教え始めたのです。アレキサンダーの目標は「私達人間に本来備わっている機能の回復」に向けられたのです。
 この発見は、彼が俳優であり続けたいという強い欲求と決心が根底にあったことは間違いありませんが、「面倒くさい」とか、「運が悪い」「才能がない」といったマイナス感情を言い訳や愚痴として吐かなかったことが最大の秘訣でありました。
 その為にも「自観法」を身につけることは、冷静さを己のものとする最大の手法であり、環境から受ける“刺激”に対して適切な“反応”が出来るようになる基礎でありました。アレキサンダーは、この反応時の無駄や邪魔になる動きを如何にして無くするかを研究し、レッスンしていったのです。
 アレキサンダー・テクニークのレッスンは、自分自身が何かを意図するとき、本当は私達自身が何をしているのかについて氣付いて行く事から始めます。言い換えれば、我々は自分の意志で自分の身体をしっかりと管理できていないのです。むしろ、無意識に心の動きで身体が一定の反応をするため、無駄や余計な動きをしてしまっていたのです。

=思考と身体と呼吸は平行移動する!=
 人間は無意識に思考・行動していることが人生の95%以上にのぼると言われています。よく潜在意識を説明するとき氷山の絵を描き、見えている部分が顕在意識、水面下に隠れている部分が潜在意識と説明し、我々の意識とはまさに氷山の一角であると解説します。
 潜在意識とは、無意識に擦り込んだ情報(=癖)によって、その人の思考・行動を自動的に制御する情報中枢です。この潜在意識に情報をインプットするには、反復して同じ行為を繰り返すか、強い願望を持ち“氣”のエネルギーを強力にして焼き込むか、または“心の法則”を体系化した催眠法によって定着させるかのいずれかです。たまに、突発的な事件や事故などの現象刺激によって強烈な印象として焼き付けられてしまうこともあります。これが“PTSD”となってその人間の思考行動に一定の反応を定着させてしまいます。心的外傷後ストレス障害と言われる現象です。
 いずれにせよ、全て心と身体を繋ぐ一定の法則によって支配されており、これは何人(なんぴと)も例外はありません。これを図式化すると、

   思考=身体=呼吸

となります。
 マイナス思考になれば、肉体は硬くなり、呼吸は浅く荒くなります。逆にプラス思考であれば、身体はリラックスし、呼吸が深く緩やかになります。この三つはどれが主で、どれが従という関係ではなく、全てが平行移動するのです。姿勢が悪ければ、自然に肺が圧迫され呼吸が浅くなり、その結果、その人の思考状態はマイナスの行動や考えに至ってしまい、勇気は失われ引っ込み思案が支配し、氣は枯渇してきます。逆に無駄のない姿勢を修得すれば、豊かな呼吸をすることが出来、前進的なプラス思考に切り替わります。
 これを思考の面から理解させその人間をプラス思考へ解放させようとしているのが宗教や哲学などの法話・説話です。また、呼吸を制御・安定させることによって心の安寧を得ようとするのが、ヨガや宗教者の修行の原初的レッスンです。そして、その人間の行為・行動から無駄や無理を省き、リラックスした形を修得させて、人生の願望実現をし明るい方向へ導こうとしたメソッドが、アレキサンダー・テクニークです。
 「思考=身体=呼吸」という方程式の発見は、宗教やヨガ、哲学、また催眠法など、自己制御、人間の願望実現、成功哲学の探究など色々と独自にやっていたものが一つに統一されたとても重要な出来事です。これで、無意識であり、我々の行為行動の大半に指令を与え、物事を成就させる“氣”の放出メカニズムの中枢を司る潜在意識の有様を、我々人間は発見したのです。後は、その方法を継続し、それこそ潜在意識に叩き込めば良いのです。

この続きは、また来週……('-^*)/