M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第241号(2009.11.30〜2009.12.6) 氣の力を知ろう(48)〜人生はロングスパンで考えよ!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(48
〜人生はロングスパンで考えよ!〜

 

  人の一生は重荷を背負うて、遠き道を行くが如し
    急ぐべからず
  不自由を常と思えば不足なし
  心にのぞみ起こらば、困窮したる時を思い出すべし
  堪忍は無事長久の基
    怒りは敵と思え
  勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、
    害その身に至る
  己を責めて、人を責むるな

 この有名な文章は、徳川家康公が子孫に残した人生の心構えです。長い人生をしっかりと地に脚をつけて乗り切り、後進にその偉業を伝え、自らの名を彼らの心に刻み込むことこそ、人がこの世に残す最高の徳であると私は思います。
 今の時代は、人生をこのようにロングスパンで観ないため、人間そのものが何か即物的で、薄っぺらで、亡者の相を呈しています。これも文明が極度に発達した結果、安易に生きることができるようになり、人生そのものを真剣に生き抜くといった活力(=氣)が蔭って来たように思います。
 下克上が起こった戦国時代など、権謀術数を駆使し嘘や裏切りがありましたが、これは孫子のいうサバイバル戦術の「詭道(きどう)」であり、そこにはしっかりとした戦略(目的)がありました。例えば戦国武将の一人・松永弾正のように悪党・裏切りの見本のように言われる者でも、そこに子孫繁栄のための長い視野があり、その選択肢としての行動です。ところが、現代人は、都合や我欲のために平気で嘘や裏切りをやります。こんな生き方をした人間は、その生涯終焉の時期に、虚無感に苛まれ、空っぽの人生を悔いながらこの世を去ることでしょう。

=完遂力は天命の氣付きをもたらす=
 人間は、その時節時節にがあり、その時期に必ずや経験しなければならない事柄が存在し、それを修得することによって、自分自身で問題を解決して行く感覚や感性を育んで行きます。やっと自分を振り返ることができるようになった時期、十有五に、自分が今まで生きてこられたのには、多くの人間のお世話になったことを自覚することからスタートするのです。そして、その人達や自分を取り巻く環境の影響によって、「自分の進むべき道は何か」を模索して行くのです。これには、父母や師君の教育無しには成し遂げられません。
 よく、この時期に「自分の好きなことを見つけて、それを生業(なりわい)にしよう」と考える人間がいます。そのような人は、ほとんどが性質が飽き性なゆえ、物事を継続できなかったのに、「性(しよう)に合わない」と勝手な解釈で、ネクストワンを探し彷徨(さまよ)います。この者達を現代社会は「フリーター」と呼び、本来「怠け者」と蔑まれるべきであるのに、現代社会は今流行であるようにもてはやし(?)、彼らから罪悪感を取り除いているようです。その結果、深く反省すべきことであるにもかかわらず、いつも薄っぺらな振り返りで終わらせます。そして、彼らは社会性を失い、自分の道を発見できずにいるのです。
 昔から「住めば都」という諺があるように、「好きなことを見つける」などと外界に目を向けるのではなく、「何事も最後までやりぬく」心意気を自分自身に育むことが先決です。何事も完遂したものに、人間は愛着を持つように神は我々を創造されました。つまり、完遂するための継続は力そのものなのです。
 現代のような軽薄短小の欲望社会では、何事もショートスパンで判断し、目先の物欲だけに氣を使うため、一生を掛けて物事を追い求め、遂行しようとする「念願」を持っている人間はほとんどいなくなりました。従って、四十面(しじゆうづら)をさげて右往左往し、心が定まらず迷いと惑いの坩堝の中に転落してしまうのです。そんな生き様を呈した人間の感性から「規律と判断力」が失われたことは自明の理です。このような状態に陥る人間の特徴は、何事も狡く立ち回り、楽と得を求めてその場限りの対処だけに終始します。彼らは、信用も信頼もなくただ員数(数合わせ)としての存在意義しかありません。
 人として生きる意味に氣付き、真剣に生き抜くことを模索するには、この世での自分の役目・役割を知ること以外にありません。その役目・役割は、何事も継続してやり抜くことが必須条件です。そして、物事を完遂する根性と能力を得た者には、「念願」を果たす自然のエネルギーが湧き、成功者となります。
 その者達の生き様は、志学・而立・不惑・知名・耳順・従心という孔子の説から離れることはありません。その生き様を全うするための注意事項が、徳川家康公遺訓に集約されているのです。人生は長いからこそ、じっくり地に脚つけて、毎日毎日を歩んで行かなくてはなりません。一歩でも浮き足立つと、一事が万事!やがてそれが癖化して人間性悪の権化である横着性が顔を出し、楽と空虚と後悔だけの一生に終わってしまいます。

この続きは、また来週……('-^*)/