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今週の喝 第232号(2009.9.28〜2009.10.3) 氣の力を知ろう(39)〜人間の不幸は「気付き」が分かれ目!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(39
〜人間の不幸は「気付き」が分かれ目!〜

 子(し)曰く、吾(われ)、十有五(じゆうゆうご)にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑わず、五十にして天命を知る。六十にして法に耳順(みみしたが)い、七十にして己の心の欲するところに従えども矩(のり)を踰(こ)えず。
 理想的な人の一生を著したこの孔子の格言は、これからも古今東西を問わず変わることはないでしょう。周りから愛を受け、やっと人の情が理解できる三十歳になった時、人間は自分の足でしっかりと自分自身が目指す方向へ人生を歩み出すのです。
 しかしそれまでに、愛をしっかりと受けなかった人間はおよそ95%!そのような人々のために、孔子はこの格言を弟子達に伝えたのです。そして、自分の年代に照らし合わせて、今まで出来ていないことは、謙虚に己の至らなさに氣付けと諭しました。そして、自分の至らなさを自分自身ではどうしようもないことに氣付いたとき、人との融和(=義)によって、それを賄(まかな)うのです。
 人間は浄土真宗が唱える他力(天の法則・運命)によって、千差万別の状態でこの世に生まれ出てきます。愛を受ける人、手荒く扱われる人、美醜、才有る人無き人など様々です。しかし、そこに生きる間に正しき道に氣付くかどうかは、又別の問題です。美しく生まれた人が幸せで、ブスが不幸という図式が古来より「美人薄命」という言葉で言われているのも、その証しでしょう。薄命とは「運命が定まらない」という意味で、いち早く自分がこの世でやるべき事を見つけた者が、最後に幸福感を得て、その人生の使命を全うするように神はこの世を創られました。
 得てして、自分の容姿や素性に美や財があると、それは外面(他力)の利得であるにもかかわらず、それに頼り、自分の真の在り方に氣付くのに遅れてしまいます。
 人生成功の秘訣は、常に自分の内面に存在することを、孔子は我々に「三十にして立つ」と教えてくれました。

=師君は日月の如し!=
 人間は一生の内に一つか二つしか偉業を為すことは出来ません。だから、十有五にして自分の人生の方向、つまり、心がどの方向に向かっているのかを見つけ出すことが肝要なのです。その為に、学に志すのです。最近は、どこにでも書店があり、インターネットで知識を得ようと思えば瞬時に知ることが出来る、本当に素晴らしい世の中になりました。しかし、その弊害は、誰かに教えてもらわなくても独学で勉強が出来ると錯覚してしまう人間が増えたことです。現代人のほとんどが、人生で一番うざったいのは「人間関係」であると感じている背景には、文明の発達による不便のない生活が、自力で為されたものと錯覚し、気に染(そ)まない人間は悪!迎合する人間だけwelcom!という勝手性を身につけてしまいました。逆に考えてみると、自分の氣が中心という自己中人間と長く付き合うことこそうざったいことです。そうして、嫌いな人間は全て切ってしまった結果、広大な人間砂漠が出来上がったのです。
 さて、独学で出来る範囲は、せいぜい知識を得ることくらいです。もちろん中には天才という神に選ばれたと思えるような明晰な人もいて、人格・才能・氣付き共に理に適(かな)った判断を出来る人もいます。しかし彼らは例外です。我々一般人は、自分の持つ才能の高低すら自分では判断できません。
 武士道に「父母は天地の如く、師君は日月の如し」とあるように、我々は自分の知識や生き様を先生や両親から諭されなければ、いくら知識を蓄えても適切に用いることはできません。人の道とは、知識をどのように自分と世間に役立てるかと言う方向性です。それは、師君父母の影響や指導の下に長年月を掛けて徐々に学ぶものです。そして道を逸(はず)しそうになったとき、適切に示唆を与えてくれるのです。ところが現代人は、このような有難い指導すらうざったく感じ、言うことを聞こうとしません。現代(いま)、中小企業が倒産や廃業する原因に、後継者不足が上位にランクされています。これも、親子関係がその役割を果たさなくなった証拠でしょう。
 恐ろしいことは、師君を持たない勉強は自分の向かう道の正誤すら分からないのと同時に、今の自分のいる位置すら氣付きません。だから、勉強の必要性を感じなくなります。そして、勉強をしなくなり、自分が周りより遅れているとか劣っているということすら氣付かなくなるのです。心の一方通行とでも言うのでしょうか、勉強をしている人間にしか自分の現在の位置は理解できないのです。方向が分からない故に、失敗の道を選んで行くのです。何があっても「学に志す」時は先ず師君を持つことです。そうすることによって、己の得た知識を、知恵に変えることが出来るエネルギーが備わり、そこに自信と勇気が湧いてきて、三十歳を迎えたとき人は「立つ」のです。

この続きは、また来週……('-^*)/