潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
氣の力を知ろう（３２）
〜厳しい環境こそ、叡智の源、氣の起源！〜
私が考えるに、インド人の叡智の最大のものは、数学的な“０(ゼロ)”の発見とスカ・プールバカ・プラーナヤーマ（＝神の呼吸法）の開発だと思います。自分自身の心と身体をインドの厳しい自然に対応させるには、戦っては勝ち目がないことにいち早く気付いた彼らは、それを試練と受け入れ、“同化”することで、自分たちの文化を育んできました。そこに誕生したのが、仏教やヒンズー教を初めとする哲学的宗教とヨガです。
私は35年前の6月、インドに行ったことがあります。ニューデリー空港に到着し、飛行機のドアが開いた途端、すさまじい熱気が飛び込んできたのを忘れることができません。（当時はまだボーディング・ブリッジが整備されておらず、タラップを下りて到着ゲートへ移動していた時代です）
気温は42℃！……インドに行った人達は、この気候と彼らインド中に息づいている“０”の「始まり」の概念、そしてヨガやその他の宗教思想の影響を受けて、大きく二派に分かれます。
ビートルズのようにその虜になる者と、二度と行きたくないという人達です。中間的な人はほとんどいません。それは、厳しい環境との融合を迫られた叡智への礼賛者と、逃げ出す者です。インドでは昔から、環境はいくら論じても無駄であるゆえ、どう対処するかという実質に迫られました。その結果、カースト制度を初めとするインドの風習が、環境との対話姿勢で生まれたと私は直感しました。
現環境に対する調和（バランス）を迫られた結果、そこに強者と弱者、智慧有るものと無き者、壮健と病弱などの格差の中で、これらのアンバランスを解消するために独自の文化や文明を発達させたのです。そして現在、世界の次世代を担う民族にまで自分たちを高めました。
＝正しい呼吸法は、願望実現の第一歩＝
人間は、人間関係を「礼節」によって調和し、身体の健康を「上虚下実・頭寒足熱・正姿勢」を基本に整え、心のバランスを「呼吸法」によって安定化させることを見つけました。
沢庵和尚が「心こそ、心惑わす心なれ、心に心、心ゆるすな」と説いたように、自分が自分の心を支配しているにもかかわらず、自分の思い通りに動いてくれません。心とは、命が方向性を持ち“氣”を生じさせる役目を担う舵取り装置に当たるのです。
こんな重要な役目の心が、自分の思い通りにならないのには、心自体が大きく分けて自意識といわれる＜顕在意識＞と、無意識の＜潜在意識＞からできていて、この二つのバランスが崩れることに原因があります。
顕在意識は“自分”を自分と認識する意識ですから、理解しやすいのですが、問題は無意識である潜在意識です。この潜在意識は、自律神経と言われる生命維持に必要な自動制御装置を統括し、尚かつDNA情報によって、我々の肉体が一つの形を保っているのも潜在意識の働きです。また、潜在意識は、外界との情報のやり取りをして、自分をその環境や状況にバランス良く安定化させる機能も果たしています。また、我々人間は他の動植物と違い、自意識を極度に発展させ、将来をイメージすることによって願望を実現しようとします。それに必要な全ての事象・条件などの必要事項を集めてくる「事象強制引き込み現象」の機能も備えています。
しかし、自分の願望に対して自律神経や事象・条件が世の法則（摂理）から離れると、空気が無くなれば生命が維持できないように、潜在意識はそれが不可能であることを色々な形で示してきます。その形は、病気という形態であったり、悩みや迷い・惑いという心の乱れになって表われたり、また実質的な失敗として、我々に警鐘を鳴らしてきます。
また、その願望が実質的に摂理と合致している時は、あらゆる条件や事象を生じさせる役目をしてくれます。その条件提示は、我々の心の“気付き”という形で起こります。電車の中などで聞いた何気ない人の会話から、たまたま開いた本のページに書かれてある言葉からなど、合図として送られてきたものを、気付くかどうかが“心”の作用の最も重要な役目です。
心が正常に働いていれば気付きが頻繁に起こり、乱れていれば苦が多くなります。この分岐は、呼吸によってその明暗が示されるのです。
スカ・プールバカ・プラーナヤーマを初めとするヨガの呼吸法は、まさに神の意志をきっちりと受け入れるための我々人間の心の態勢を作り出すのです。そして、その全てがバランスのとれた状態になった時に、体現化され、達成されるのです。従って、呼吸を落ち着けると心も落ち着き、心が落ち着くと、潜在意識も安定し、潜在意識が安定すると事象引き込み現象が働いて、身体が目標に向かって自動的に動き出します。つまり“氣”が生じたのです。
この続きは、また来週……('-^*)/
