M&Uスクール

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今週の喝 第210号(2009.4.27〜2009.5.3) 〜氣の力を知ろう(17)”場”の主導権は、ユーモアのセンスから生まれる!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(17
〜”場”の主導権は、ユーモアのセンスから生まれる!〜

 上手に笑いを作れる人は、場の空気を瞬時に良い方向へと変える力を発揮します。先回も書きましたが、冗談は自分が謙譲(へりくだって)の心をもって言う場合にのみ有効です。
 こんな事例があります。大阪の事務機器販売会社のK社長が、私に「ナイトクラブで、ホステスさん達にもてる方法は有りまっか」と尋ねられたので、これ幸いとばかり、
「現地で実地訓練をしましょうか」
と誘いました。そして、K社長の行きつけの店、大阪北新地にある“クラブ静留夢(セルム)”へ行くことになりました。こんな場合、まずは私が見本を見せるために、私が先にドアを開け、その振る舞いを観察して欲しかったのですが、そこは、Kさん行きつけの店です。常連で顔が利くことを私に見せたかったのでしょうか、社長自らリードしてお店に入ってゆきました。そして、彼を出迎えたのが若いホステスの波子(なみこ)さん。彼女に向かって開口一番K社長は、
「ヨ!波ちゃん。今日は有名人(畏れながら私のことです)連れて来たで。ところで、ええ服着(き)とんな。どこのバーゲンで買(こ)うたん?
その言葉に、波子さんは、顔をこわばらせ、プイッとした表情で、我々を席へ案内して、そそくさとお酒の用意に入りました。
 着座後、私は社長に
「K社長、あのような物言いをするから、相手は氣を遮断してしまいましたよ。これでは、もてませんよ」
と言うと、社長は
「先生、何言うてまんねん。あれは冗談でんがな……?!」

=ジョークは知的生物の証し=
 皆さんはもうお分かりですね。いくらそのホステスさんと顔見知りで親しくても、開口一番、自分が「今日こそは」と気合いを入れて彼女自身選んだ服装を、「どこのバーゲン」と安物扱いされけなされたら、「このクソ親父!高い酒飲ましてふんだくったる」と思わせるだけです。
 冗談は“親しき仲にも礼儀あり”を忘れず、相手を立てて言うべきものです。私なら、
「波ちゃん、良い服着てるね。それセリーヌ?」
「いいえ、そこのお店のバーゲンで買(こ)うたんです」
「ほんまか?さすがやね。あんたが着ると、バーゲン品もブランドに見えるで」
「嫌やわあ。ほんまに先生は冗談が上手(うま)いねんから……」
というようになるでしょう。(ちょっと、ええ恰好させて頂きました。ハイ!)
人の弱みやコンプレックスをネタにするのは、決してユーモアではありません。
 さてこの後も、K社長は親父(おやじ)ギャグや駄洒落(だじやれ)の連発です。周りがお世辞も込めて上手くあしらうものですから、ご自分はその駄洒落に酔い、そして私もヨイショをしましたので、すっかり上機嫌。1時間ほどすると、スヤスヤとソファーで座ったままお休みになっておられました。
 めでたし、めでたし!

 親父ギャグは、別に誰を揶揄するわけでもなく、無害だから良いと思いがちですが、こんな駄洒落で場の雰囲気が和らいだり、最近の若者が好奇の心を持つわけがありません。むしろ、バカ親父と思われて、彼らは心を閉ざし、かえってその場の空気が冷えてしまうケースがほとんどです。そこには、知的な刺激が無ければ、返って頭が澱(よど)み白けてしまうのです。
 会社や学校に於いても、スマートな冗談が言える人、ユーモアのセンスがある人を創り出すことは、人間関係やビジネスに素晴らしい氣配りをすることになります。軽いジョークも分からず、四角四面の真面目人間も社会には少しは必要でしょうが、やはり人は、融通が利き、たとえ相手が何かミスをしても、軽くフォローできる大きな器を持っているのが一番です。
 その為には、まず、ジョークの上手い人を高く評価する風土をつくる事から始めましょう。氣の利いたことを言った人、上手い洒落で切り返した人には、「ヨ!素晴らしい!」「良いねえ」「ユーモアのセンス抜群!」「ナイスジョーク!」「ええがな、ええがな」と褒めましょう。人を傷つけず、なごませ、尚かつ人に知的な刺激を与えるユーモアのセンスを積極的に評価してください。
 洒落、ジョークは、一つの話題に表と裏の二正面から物事を立体的に捉えることのできる者だけがあやつれる知的生物“人間”の証しなのです。


この続きは、また来週……('-^*)/