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今週の喝 第167号(2008.6.30〜2008.7.6)〜偉人に学ぶ……白隠禅師(19)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(19)

 ずっとこの連載を読み続けて頂いているみなさんは、先回の喝にありました「軟酥丸(なんそがん)」という妙薬の製法を知った時、きっとラッキーと思われたに違いありません。我々現代人にとどまらず、この世に生まれた人間はみな、「楽と得」が出来るとなると、今まで培った地道な方法や訓練をサラリと忘れて、「そのような妙法があるのなら……」とばかり、心は乱れてしまいます。
 「俺は気合いでゆく」と言う人の少ないところに、白隠禅師も遊び心を込めて、また、戒めるために「軟酥丸」の製法を「遠羅天釜(おらてがま)」に記したのだと思います。

 楽や得の裏には、必ずそのリバウンドがあることは容易に想像できますが、人間の楽と得を求める「横着性」こそ、「欲望」の火付け道具となるのです。その結果、文明が発達し、我々はその恩恵なしでは生きられないようになってしまいました。
 そして、その見返りに地球は温暖化し、その熱変化によって、大型台風や竜巻、大地震が多発するようになったように思います。またこれらの影響は、今まで南洋地方にしかなかった熱帯性の病気が、日本やヨーロッパといった温帯地方に流行させるかもしれません。
 何はともあれ、人間が本来持っている横着性をものの見事に喝破した白隠流「軟酥丸」の製法でした。  

=軟酥丸の用い方!=
 しかしこの「軟酥丸」に関しては、白隠禅師はただ単に、冗談ごかしのユーモアだけであいているのではありません。「諸法実相・我空・法空・寂滅現前…」など我々が常に心に置いておかなければならない心構えを、一つ一つ確認して行く、チェックリストの役割を果たしています。
 そして、初心の行者は只只、色香の素晴らしい軟酥を鴨の卵くらいの大きさに想像し、頭の上に載せていることだけを観ずればいいのだと言っています。
 その後に、病人がこの薬を用いようとする時、厚く座布団を敷いて、背骨を真っ直ぐに立て、瞑目して端座しなさい。そして静かに心身を揺りながら、揺り定めてすべからく次のように考えなさいと言っています。
 「およそ生を保つ要件は気を養うことである。気尽きる時は、身体が死ぬ。それは民が滅ぶ時に国が滅ぶようなものである。この言葉を三回言い終わったら、このことをしっかりとイメージして身につけて実践しなさい」と言っています。
 このイメージの実践こそ「軟酥の法」の極意なのです。白隠の言葉を現代流に言うと、「浸浸(しんしん)として、しみじみと軟酥が身体を潤しながら下がり、そして、温め浸すことは、あたかも世の素晴らしい医者が種々さまざまな薬物を集めて、そしてそれを沸騰させた浴槽の中に湛(たた)え、腰まで浸すような気がする」
 華厳経というお経には、「一切唯心所現」と言う言葉があります。「一切のものは心によって現れるわけだから、そのイメージによって鼻には世にもまれなるかぐわしい香りが漂い、肌には微妙な素晴らしい軟酥が流れて行くような気がする」と言う意味です。
 人間が他の動物と違うところは、想像力を持ったところです。そして、この力を極度に発達させた人は、イメージと現実の区別がつかなくなるのです。俗に催眠術というのは、このイメージの持つ力を言葉によって誘発し、増大させることによって、実際との区別を無くし、そのエネルギーで病気を癒したり(催眠治療、赤面症や夜尿症などの治療がポピュラー)、思いもよらない力や行動を誘発したりします(俗にいう火事場の馬鹿力的なもの)。
 私も、人にイメージ誘導をしてもらって(これが一番容易(たやす)く会得できる方法かも)、軟酥の法の訓練を受けたことがありますが、摩訶不思議! 本当にかぐわしい香りとしっとりとした皮膚感を体感しました。
 この体感を感じている時には、身体の中の五臓六腑の滞りもなく、胃腸もバランスがとれて、皮膚には活力と艶が出てくることは、現代科学でも証明されています。(「サイモントン療法」の項をインターネットなどで調べてみてください)

 想像力は世界を制す …… ナポレオン


この続きはまた来週……('-^*)/