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今週の喝 第166号(2008.6.23〜2008.6.29)〜偉人に学ぶ……白隠禅師(18)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(18)

 白隠禅師<軟酥(なんそ)の法>は万病を癒す素晴らしい治療法であることは、多くの人々がそれによって命が救われた実例が物語っています。しかし、何度も言うように、いざ命の危機となった時から軟酥の法を取得することは、病になると呼吸が大いに乱れるので、呼吸やイメージを適切に指導する医師や専門家がいない限り出来ない(根性が続かない)と言っても良いでしょう。
 かといって、元気な時より、「人の四苦八苦に生老病死がある」と悟り、いずれ来たるべき「病」に備えて、呼吸訓練を平生よりしておくと言うことも、これもまた悟りを開いたような賢者でない限り継続の力が湧いてこないように思います。
 手法は分かっていても、実用するのが困難な<軟酥の法>は、やっかいな代物だと考えにふけっていた矢先のことです。白隠禅師の残した多くの文献をひもといていると、な、なんと、みなさん、「軟酥丸」なる薬の製法が記されているではありませんか。大発見!
 これで、仏心に目覚めていないどんな凡人にも、また根性が続かない軽薄短小を絵に描いたような現代人でも、何とか軟酥の法のもたらす治療効果を自分のものに出来ます。

   神さま、仏さま、白隠さま、軟酥さま!

 その製法は、白隠自身が著した「遠羅天釜(おらてがま)」と言う文集の中にありました。

=軟酥丸の製法!=
 「遠方の病僧に送る書」という文が「遠羅天釜(おらてがま)」の中にあり、「難しい病気になってしまってどうしたらいいかと尋ねてきた僧に対する返事」です。その書き出しは、
「自分も大変な禅病に悩んできた。そこで、養生の方の第一は先ず“内観の法”という呼吸法を体得し、それにイメージシミュレーションである“軟酥の法”を無我になるまでやりきることとして、「病気こそ、ある意味では世俗の日常から解き放されて、自分自身を見つめて修行する良い機会ではないか」と諭しています。
 そして、「自分の師である正寿老人から教えられた薬よりもさらに良く効く薬がある。しかもこの薬は、虚弱な人の心の疲れを癒す大変な効果がある。そればかりか、心気が頭に上るのを引き下げ、腰や足を温め、胃腸を調整し、真実を見ることを明らかにし智恵に気付かせ、よこしまな考えを除くが出来る。その妙薬の名は“軟酥丸”という」とのたまい、その製法が正確に記されているのでご紹介します。
ここに示されている「斤(きん)」「両(りよう)」は重さの単位で(正確には何グラムかは調べられておりません)、一両の重さは、一斤の十六分の一に当たるようです。

 さて、その軟酥丸一包の製法は、
「諸法実相(しよほうじつそう)」一斤、「我空(がくう)・法空(ほうくう)」各一斤、「寂滅現前(じやくめつげんぜん)」三両、「無欲(むよく)」二両、「動静不二(どうせいふに)」三両、「糸瓜(へちま)の皮」一歩五厘、「抛下著(ほうげちやく)」一斤。
 これら七種類の材料を「にんにく(=忍辱(にんにく))」に漬けて浸すこと一夜。これを日陰で陰干しにして粉末にする。そして「般若派羅密多(はんにやはらみた)」で「錬丹(れんたん)」を調合する。
 「この錬丹を丸めて鴨の卵の大きさにしたものを、頭の上にのせよ」とあります。

諸法実相……全てのものに有する“実質”を見分ける力。
我空・法空…我空は、自分の我にとらわれない心。法空は、真実そのもの。
寂滅現前……坐禅することによって、そのまま涅槃の境地に入ること。
無欲…………自分の心中が欲で犯されないこと。
動静不二……動くものには動かない実相が現れ、また静かなものには大きな動きそのものが秘められているといった世界。
糸瓜の皮……このことを信ずるかどうか「嘘も糸瓜もあるものか」といった一心不乱の世界。(これは私の勝手な解釈です。本当はユーモアで入れたのでしょう)
抛下著………さまざまの妄念、妄想を捨てること。
忍辱…………忍耐。
錬丹…………呼吸法によって臍下丹田に丹を調合して丸めたもの。
般若派羅密多……禅定に入り仏法の完全な智恵を全身全霊で感じること。

 さてさて、もうお分かりのように、白隠はユーモアたっぷりに、我々凡人に対して、軽薄短小、気楽の道など無いことを示しているのです。

  病を癒す道に、王道なし!
          人の常を知るべし

 

この続きはまた来週……('-^*)/