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今週の喝 第157号(2008.4.21〜2008.4.27)〜偉人に学ぶ……白隠禅師(9)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(9)

 白隠禅師の著述「夜船閑話(やせんかんな)」にある内観法は、目を半眼に開けて、足に力を入れ、そして寝そべる。その状態で腹式呼吸をして、自分の病が癒えたところをイメージするイメージ療法です。現代のサイモントン療法と同じ効果があり、科学的にもその効果が証明されています。
 さて、内観法というと、この白隠の治療法と、もう一つ、近年、奈良の大和郡山で浄土真宗の僧侶吉本伊信(よしもといしん)師(大正5年〜昭和63年)が創始した吉本内観法があります。
 この(吉本)内観法は、日本を代表する精神療法の一つで、精神医学や心身医学にも応用され、自己改善に絶大な効果を発揮します。
 吉本内観法は、もとは浄土真宗の修行であった<身調べ(みしらべ)>をベースにしたもので、一般の人間でもその指導の下に心やすく自分探しや自己改革が出来るため、多くの病院や医学の研究施設、はたまた刑務所などでも指導されています。
 <身調べ>は、断食・断水・不眠・不臥と言う極限の状態で、自分の生きてきた過去を振り返り、その所行が「地獄行き」の種が多いか、「極楽行き」の種が多いかを問い、最終的には悟りの境地に達することを目的としたという大変厳しい修行でした。
 吉本師自身、4度にわたる身調べを体験し、宿善開発(しゆくぜんかいはつ)という悟りの境地に達しています。
 この身調べから吉本師は苦行性と秘密性を取りのぞき、昭和15年頃、万民向けの修療法<内観>に改革してゆきました。
 この内観法には「集中内観」「日常内観」があり、集中内観では、内観三項目である「世話になったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の三つを、指導者の下で一週間にわたり自分自身に問いかけて行きます。
 そして、集中内観で得た自分の回答を、日常内観で日々振り返り、じっくりと自己修正をして行きます。

=身体の内観、心の内観=
 白隠禅師の内観法吉本伊信師の内観法、この二つは全く異なったものではありますが、名前が同じ“内観法”であることも《共時性の原理》がはたらいているのでしょう。片や身体、片や精神の内側をじっくりと見つめ、全ての根本原因を探りだすことは、素晴らしい人間の叡智です。
 全ての事象は、結果を生み出す原因があり、その原因は人間の心の形である心構えから生み出され、その心の形を作り出す要素はその人間が持つ特有の性質であります。心の内観は、この心の要素である性質がどういうものかを自分自身で発見し、正しい形に修正してゆく行(ぎょう)です。また身体の内観は、心や身体の病からいずる苦しみを真っ正面から受け止め、それをイメージの中で乗り越えたり、退治したりすることによって、自分のあり方に気づいて行くのです。
 苦しみは、必ず決まった形(歪み)から起こります。従って、苦しいと言うことは、心にせよ身体にせよ、どこかに必ずイエローカ−ドがあるのです。これを真摯に受け止め、己の中に全ての原因があることを知る必要があります。
 ほとんどの人間は、自分は正しく、間違いは外界からもたらされるように感じることによって自分を安心させ、己の正当性を示す、心のマスターベーションをしてしまいます。実際は、全てが自分の側から出た原因だけで、自分の人生もコンディションも全てが決まります。
 白隠は、「体調が悪ければ全て捨てて寝ろ」と言います。これは結果に対する原因が自分の側の無理にあることを示しています。だから、先ず無理する心を取り去ることを行い、それから、健康な身体の状態が清廉な精神からくることに気付けと言っているのです。そして、その気付きを腑(潜在意識)に落として、己の性質とした時、人間の心はその生命の意義(この世に生まれ来て、死に行く意味)を知るのです。

   人間の所行全てが、
      身から出たさび、
           自業自得


この続きはまた来週……('-^*)/