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今週の喝 第156号(2008.4.14〜2008.4.20)〜偉人に学ぶ……白隠禅師(8)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(8)

 白隠禅師が著した「夜船閑話」は、自分のもとにやってくる、特に優秀な弟子たちが修行中に陥りやすい<禅病>など精神的な病気や、確かな処方のわからない難病奇病の対処療法のやり方を易しく解説したものです。
 その主な手法は「内観法」「軟酥(なんそ)の法」と呼ばれる白幽仙人から教わった気功術とイメージトレーニングを併用した妙法です。そして、白隠はその著述の中で、「自分の提唱するこの内観法と軟酥の法を毎日毎日実践し、五日、七日、二週間、三週間と続けて、なおそれでも気の滞りや神経衰弱や肺病が治らなかったら、この白隠の首を切り取ってもよい」とまで断言しています。ここまで言われて信じない修行者はいなかったのではないでしょうか。
 「夜船閑話」には、その内観法のすばらしい効き目を賛嘆して止むところがないと、その序文にあります。
 かく言う私も、白隠が言う内観法をしっかりと続けてみました。その手法は、体全体を駆け巡る「気」をイメージしながら、ゆっくりと呼吸をします。上手くやろうと思うのではなくて、何度も何度も繰り返すことが肝要です。
 やり方は、目を半眼に開けて、足に力を入れ、そして寝そべる。その状態で腹式呼吸をして、自分の病が癒えたところをイメージするだけです。すると、不思議なことに体中が次第にぽかぽかと暖かくなってくるから不思議です。きっとこれは血の循環がよくなってきたのでしょう。我々の目に見えない「気」「血」と共に我々の体を駆け巡り、肉体や心に栄養を行き渡らせているのだと思います。
 このようにイメージしながら、ゆっくりと深い呼吸をしていると、不思議と頭もすっきりとしてきて、不安のない非常にさわやかな心持ちになるのです。これこそ、仏門に帰依する人だけにとどまらず、我々一般衆生が、仏心に目覚めるスタートラインだと私は感じました。

=仏様を己の理想像と置き換えてみると=
 仏心に目覚める、つまり悟りの境地に一歩近づくには、まずは己の心の中に理想を描くことから始めればいいのです。理想と一言で言いますが我々凡人は、よく「都合」と間違えます。ある奥さんに「あなたの理想は何ですか」と問いかけると、「私の理想は、子供がすくすく成長し、夫がたくさんお給料を持ってきてくれることです」と、真顔で答えます。大方の人間は、このように自分を満喫させる欲望を、他人任せにして生きていることがほとんどです。
 誠の理想とは、子供がすくすく成長するため、自分にお金が入るようになるために、自分がどのような心構えや行為行動をとればよいかを模索し、これだと思ったことを<前進し、失敗し、修正しながら>徐々に、正しい道、だんだん間違いをしなくなる心や行いの在り方を見つけてゆくことではないでしょうか。
 何でもかんでも、人任せのご都合主義は、私はいつも理想とは名ばかりの悪魔のささやきのように感じます。このような不純な心は全て悪い気の流れが引き起こします。イライラ、そわそわ、カリカリ、がっかりといったマイナスの感情は、必ず気の滞りや血流の乱れから起こります。
 従って、脳や心をスッキリとさせるためにも、白隠の内観法は、理に適っているのです。心の道筋(思考)が爽快であれば、理想(=自分自身の行為行動で望み通りのものを体現化する)に向かって、前進するエネルギーが、おなかの底からモリモリと湧いてきます。私は常に目標や理想が脳裏に浮かんだ時に、歓びと共にこの力を実感します。私が、これこそ人間の持つ真の生命力そのものだと感じる瞬間です。そんな時、ふっと思ったことは、我々人間が理想に向かって進んでいるときに表れる大いなる力……これこそ<仏さまの力>ではないでしょうか。
 私がこのことに気づいて以来、[理想=仏さま]と置き換えて、世の中を見るようになりました。すると、面白いように、世の成り立ちが仏によってなされていることが分かります。宗教者の言うことも、いろいろな分野で活躍する人も、また、人生に苦しむ人も、全てここから出発しているようです。
 我々は先ず、理想を構築し、それに向かって自分自身が進むとき、仏の最大の力は我々の心に「希望の光」を灯してくれます。これも、先ずは、私の体と心がスッキリしていることからしか始まらないよと、白隠和尚は「夜船閑話」で教えてくれているのです。
 まずは、何も考えないで深い息を吐いたり吸ったり十五分ほどしてみてください。きっと何かにあなたは気づくはずです。

  たとえば水の中にいて、
    渇(かつ)を叫ぶがごとくなり 白隠


この続きはまた来週……('-^*)/