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今週の喝 第138号(2007.12.10~2007.12.16)〜偉人に学ぶ……山岡鉄舟(5)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……山岡鉄舟(5)

 山岡鉄舟剣・禅・書によって自分の心を明鏡止水の境地に導きました。男心が男に惚れた、清水の次郎長もとにかく、鉄舟を見習いたくてしょうがない。でも、坐禅はどうも性に合わない。そんな時に次郎長は鉄舟に尋ねています。

 次郎長
「坐禅とはどの様なものですかい」

 鉄舟
「シャボン(石鹸)の様なものだ。お釈迦さんが悟られた時、私達の心はこの上なくきれいなものだ、それに垢や汚れが付いているから心の働きが上手くゆかない。坐禅はこの垢を取り除く手段だ。だからシャボンなのだ」

鉄舟は、当時使われはじめた石鹸を題材にうまく説明しています。このやり取りで、次郎長は若くして犯した殺生や過ちを、懺悔しようと禅定に入ります。どんなに喧嘩が強くても、それ以上の大きな力(他力・空)の前に人は恐れをなします。その臆病性を次郎長も持っていたのです。
 江戸時代の禅中興の祖と言われる白隠和尚も、幼少の時、地獄とはどんなところかという芝居を見て、気が狂わんばかりに恐怖を覚え、出家の一念に燃えます。
 <臆病>であることは、素晴らしい<勇気>を喚起する、大切な起爆剤であることは間違いありません。

=常に求めよ!=
 人間の人生は、お釈迦様が四苦八苦と説くように、肉体には「生老病死」、心には「愛別離苦、求不得苦、怨憎会苦、五蘊盛苦」が我々に宿り、まさしく「四諦(したい)=苦集滅道」であります。そこに、臆病性や逃避性など人間の弱い面が吐露されます。しかし、この“苦”から始まる四諦も最後は“道”で終わるように、何かに気付き、どうにかすることによって乗り越えられるとお釈迦様は我々に教えてくれています。白隠も鉄舟も次郎長も皆、この人間として生まれながらにして背負っている“苦”の乗り越え方を常に模索し求め続けた結果、素晴らしい「明鏡止水」の境地を得ることが出来たのです。
 人間は貧乏で苦しむのではありません。貧乏が嫌だという心の執着によって苦しむのです。「女性がルイ・ヴィトンを欲しいと思い、万引きをしてしまった」というニュースがありましたが、我々男性にはなぜ泥棒までしてバッグが欲しいのか理解に苦しみます。それは、立場が違うと趣向も違うからです。欲さなければ苦しまない。でも、欲してしまう。男性であれば自動車に置き換えれば、ずばり当てはまります。
 私も20〜30歳代と、お金があれば車を買い換えていました。ある日、「自分は、一生車のために働き死んで行くのか」と自問自答が始まりました。このように、心乱す“物”が悪いのではなく、ものに揺れる“心”のほうに問題があったのです。
 「明鏡止水」とは、波立たない心の状態を鏡に例えた素晴らしい言葉です。この世の仕組みは、もしかしたら我々人間の心を明鏡に仕上げるための研磨工場ではないかと思う時があります。世の荒波や苦は、それを乗り越えようと切磋琢磨した時、素晴らしい感性を得ることが出来るように作ってあると思っても何ら疑問は湧きません。
 世の中には「自分は運が悪い」と言う人が大勢いますが、悪いからこそ、何が自分の運を悪くしているのかともっと真剣に考えた時、あなたの心構えは素晴らしい「招運の相」に変わるのです。
 我々が住まうこの現世社会は、多くの人間の集合体です。従って、人の目に美しく映るところに、みんな注目します。なくしたダイヤは、光るゆえに、見つかりやすいように、我々自身が輝けば、世間が放っておきません。まして、心のきれいな人には、どんな悪い人間も吸い寄せられて行くのです。
 白隠・鉄舟・次郎長……みんな、こんな素晴らしい明鏡止水のエネルギーを持った人達だったのです。


続きはまた来週……!