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今週の喝 第134号(2007.11.12~2007.11.18)〜偉人に学ぶ……山岡鉄舟(1)〜

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偉人に学ぶ……山岡鉄舟(1)

 “きゅりあんン小ホール”で行われた「武士道コンサート2」は、山岡鉄舟の生涯をテーマに、その足跡を辿りながら和洋楽器のコラボレーションという、大変挑戦的かつ抽象的な演奏会でした。この鉄舟という人は、研究すればするほど、素晴らしい人物で、一言で言うなら「本物のサムライ」だと思います。つまり見事に、心身共に自分を鍛え抜き武士道を実践した人物なのです。
 山岡鉄舟の業績はと言いますと、その最たるものは、<明治維新の争乱時、江戸無血開城に奔走した立役者>と言うことになるでしょう。歴史の教科書では、西郷隆盛と勝海舟の合議で事は成就したようにありますが、その階段をしくんだ人物こそ鉄舟でした。
 その性質は、あの大西郷をして「命も要らず、名も要らず、官位も金も要らぬ人は始末に困る」と評していることからも、覗えるように、「上手くゆけば、それでよろしい」という恐ろしいまでの隠徳の精神を育み、そして、周りに「人の生き様」の影響を与えた人物でした。

=いま、本物の偉人に学び、自己修正をしよう=
 巷(ちまた)では、食品業界、建設業界を問わず、不正が多く発覚していますが、そのほとんどが内部告発によるものです。労働者は経営者を信じなくなり、経営者も従業員を人として見なくなったのです。そして、職場そのものが、阿修羅の住処(すみか)と化し、そこでは何の喜びも楽しみもない餓鬼世界(金儲け本位)の環境が広がるという、おぞましい未来が想像できます。
 このような現在(いま)の日本人の醜さを、"不祥事を犯した者達だけの対岸の火事"としてみていては、やがてその火の粉が我々の心のおが屑に飛び火するやも知れません。
 我々人間は、一度「楽と得」に走るとそれが癖になり、そのような誤魔化しをしている自分が本当の自分と錯覚してくるのです。そして、誤魔化しが上手くできると自信までがついてくるから恐ろしい。
 そこで、山岡鉄舟の生涯をお手本に、この「今週の喝」を読んでいただいている皆さんから、素晴らしい日本を再構築するための「自己革命」をはじめていただきたいのです。その一助になればと想い、本物の人間(偉人)の生き様から学んだ教訓をお伝えしてゆきます。
 山岡鉄舟は、多くの門人達に「道」に流れる偉大なるエネルギーを伝え、彼らの人間改革の原動力としています。その代表格に清水の次郎長や落語家の円朝など、本来なら「ヤクザ・お笑い芸人」と思われるような人物がいて、彼らは多くの日本人の心に、「真の人道」を自らの生き様を見本として感動を与えてゆきました。
 山岡鉄舟の根本的な考え方は、「自分で何とかなる人間は自分で生きてゆけばよい。どうにもならないような人間こそ助けが必要で、指導しなくてはならないのだ」という彼自身の言葉が端的に物語っています。このため、旗本で高山郡代という裕福な家庭に生まれ、色々な収入が入ってきても、弟子達の無心に応じたり、寺などへの寄進に使うなどしていつも貧困でありました。うらやましいくらいお金に恬淡(てんたん)(執着がない様)としていたのです。
 現代の社会では、邪魔な人間(鉄舟の言うどうにもならないような人間、自分で自分を処理できない人間)は排除される傾向にあります。それを最も合理的な言葉で処理したのが「リストラ」です。しかし、我々M&U SCHOOLはこれに気付き、「出来が悪い」からこそ「カイゼン」が必要であると心得たのです。この辺りが鉄舟の心意気と合致する第一義です。
 こんな並外れた性質の持ち主である鉄舟の家に集まる人間は、ただならぬ異常さを持つ者が多かったために、彼の師である勝海舟ですら「あれは化け物屋敷だ」と驚きの声を上げたと言います。
 そんな異常さの中で、鉄舟自身も「これはヤバイかな」と思ったのでしょうか。息子や娘を清水次郎長の家に預けました。ここにも鉄舟と次郎長との親密度が表れています。
 東海道一の大親分と言われる清水の次郎長も、年号が明治になる頃までは、喧嘩、切り込み、ヤクザ間の争いに明け暮れていました。それが鉄舟との出逢いによって、全く人間が変わったのです。
 人は、「どの様な人間と出会うかによって人生が決まる」という、出逢いの法則を次郎長自身が体現したのでした。


続きはまた来週……!