潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?
インターミッション(間奏曲)
先日、東京品川の“きゅりあんン小ホール”で、洋楽器(フルート・チェロ)と和楽器(尺八・21弦琴・17弦琴・鼓(つづみ))のコラボレーションとそれにお坊さんの読経が加わった「武士道コンサー2」が行われました。
曲目は、この日のコンサートのために二人のアメリカ人作曲家によって作られた新曲がほとんどです。この日の武士道をテーマにしたコンサートは、今年が二回目です。
尺八の坂田誠山先生の弟子で、トヨタのF1エンジンなどを製造しているタマチ工業社長・太田邦博さんのプロデュースにより、予定では5回行われます。そして、今年のテーマは、「山岡鉄舟の生涯」を、その精神的な足跡をたどりながら、音楽で彼の底流にある大和魂を表そうという画期的なコンサートです。
自分で言うのはおかしいのですが、出演者一同、みな気合いの入った日本を代表する演奏家ばかりです。
=なぜこのような企画をしたのでしょうか=
私はこのコンサートの立案者である太田邦博さんに
「どうして、このようなコンサートを企画して下さるのですか」
と尋ねました。すると、明快な解答が返ってきました。
「先ず第一に、まるで違う世界の音楽で育った優秀な音楽家同士が、一堂に会すると一体どの様にして、新しいものを作り上げてゆくのか、と言うことに非常に興味があった。きっとその接点合わせこそ、企業家が新しい世界を見つけ出すヒントになるように思った。
第二に、自分は社長職にあり、いつも命令と指示によって人間を動かしている。しかし、このようなコラボレート・コンサートでは、スケジュール調整から、思念の合一性まで、全てが総意によらなければ前進しない。そこで、技と技がどこまで融合するか、また、自分の采配がどこまで通用するかを確かめ、その為の(命令無しの)マネージメント技術を、習得するためだ。
そして、最後に自分自身が素晴らしいと感じるアーティスト達の腕が、どこまで(自分のめがねが)正しいかどうかも知りたい」
と言うのが主な理由でした。
=果たして、その結末は?=
いやいや、我々ミュージシャンにとっては非常にシビアなコンサートなのです。異質なものが一つの事に挑戦する場合、私はそこにいつも感じるものを見つけ出すことにしています。つまり、異質な中に共通のものは何かと考えるのです。するといつも同じ解答に巡り会います。
それは、音楽ならば、洋楽和楽を問わず共通の要素が三つあります。それは、<メロディー・リズム・ハーモニー>です。この三つ以外のことは、風習・文化も習熟過程もまた楽器を作る上での構造的なものも、考え方も全て違います。だからこそ、この三要素だけは「天」が我々に平等に与えた、ある意味での試練と言っても良い「法則」なのです。和楽器であろうと洋楽器であろうと、不協和音やリズムの狂いは、我々人間の心に「快」を与えることは絶対にありません。すなわちキーワードは全て人間の「快」を感ずる心にあるのです。
このように、「快」を与えるものを私は<本物>と呼んでいます。従って、心を合わせるために、ミュージシャン同士が酒場で一杯やったとしても、いざ楽器を持ってみて、その差が歴然としたならば、絶対に素晴らしいコンサートにはなりません。
だから、本当に素晴らしい音楽家同士は、音楽以外のことで和を保とうとか、義を結ぼうなどとは考えません。
須く(当然為すべき事として)、音楽家は自分の技術と音楽性で勝負するのです。それが真のプロです。そして、相手が共感するかどうかは、そのレベルによって決まります。それこそ、人の持つ「類項作用」がその音楽感性を共振させた時にだけ、我々は<仲間>になれるのです。
これが本当のコラボレーションなのです。
経営に置き換えると音楽の三要素「メロディー・リズム・ハーモニー」は、「独自性・時節・調和」のことです。この三要素をしっかりと社内に行き渡らせ、アンサンブル(全体の調和)を旨とし、社員みんなのエネルギーを集合させ、フィルハーモニー(同じ志を持つ者:音楽では愛好家集団の意味)の精神を確立させるだけで、人は必ずまとまるのです。
余計な、人間関係の手法など全く無用です。
というより、
人間がその技を磨いた時に、音楽・経営にかかわらず、本物しか通用しないのです。
つくろいや誤魔化しは、絶対に通用しないばかりではなく、むしろ悪い方向に人間関係が進んでゆくのが落ちです。
続きはまた来週……!