M&Uスクール

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今週の喝 第130号(2007.10.15~2007.10.21)〜人間関係の源流・コミュニケーション(6)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

人間関係の源流・コミュニケーション(6)

 コミュニケーションで一番大切なことは、先ず相手がこちらの話を聞く気になっていることです。このあまりにも当たり前のことが、出来ていないのを私は40年前に体験しました。
 私が中学3年生の二学期のことです。音楽の先生である今津中学校吹奏楽部の顧問・得津先生は、全日本吹奏楽コンクールも近づき、少々ナーバスになっていました。つまり、コンクールが気になって一般の授業が身に入らないのです。(これはもうすでに時効だからバラします)
 しかし、受験のための内申書もしっかりと作らなくてはいけないので、中間試験の音楽の出題とその解答を全ての3年生に教え、「おまえら、今度の音楽の試験はここを出すから、答案用紙にこの答えを書いたら100点やる」と、まあ生徒にとっては、願ってもない良い先生になったのです。ところが、テストが終わって、採点し見ると何と、平均点が70点に満たないのです。先生は「答えを教えてるのに、なんでやねん」と訝しく言います。私はすかさず「みんな先生の言うこと聞いてへんからです」と答えました。
 そうです。我々悪ガキ達のいる下町の中学校では、先生の話を聞いていないことで、成績が悪い生徒が大勢いました。彼らは決して頭脳が悪いのではないのです。注意力や集中力がない……というより、外界の要因によって変化すると言った方が良いでしょう。つまり、面白い話や興味のある教科には心傾けますが、退屈な話や嫌いな授業はただ単に聞かないのです。
 従って、嫌いな先生の教科は嫌いな科目となるのです。私も、社会が大好きで、国語が大嫌いでした。それは単に社会の猪口先生(社会科)が好きで、古田先生(国語科)が嫌いだっただけなのです。…… <(_ _)> ごめんなさい!

=理解力はイメージ力=
 好きな先生の授業を今思い返してみると、通り一遍の事を教えるのではなくて、例えば一つの方程式があるとするならば、それに関する色々な<事例>を面白おかしく解いて聞かせてくれたのを思い出します。とにかく「勉強をしたくない」ガキどもですから、授業内容の解説や説明は完全に耳を閉ざしてしまいます。今でも、機械の説明書など苦手という人が大勢いるように、我々一般人は、面倒なことはたいがいやりません。しかし、一旦自分の身近に感じたり、必要と思ったり、自分に深く関係する事柄であると分かると、事情が一変します。この親近感を持たせることこそが、コミュニケーションの重要ポイントなのです。
 生徒に好かれる先生は、この辺りのツボを心得ていて、子供が想像力を湧かせるようにイメージ溢れる事例で授業を進めます。書籍も同じように、問題提起や結論よりその間にある多数の事例が、自分に対して切実でイメージしやすい事柄であるときに「この本は良い本だなあ」と感じるのです。これを説得力と言います。
 しかし、ここで一つ押さえておかなければならないことがあります。それは人が自分の身近と感じる内容は、無意識のうちに無造作な雑念の中にもあらかじめ色々とシミュレーションしていると言うことです。従って、こちらの意図よりも自分の感じ方・捉え方を優先させ、「自分が聞きたいと期待していることを優先」して聞いてしまいます。ここに、イメージギャップが起こり、コミュニケーションが壊れてしまうのです。
 特に、上司と部下や先生と生徒など階層が存在する場合は要注意。下は上に対して良く思われたいという無意識が働いて、知らず知らずのうちに解った振りをしてしまいます。そして聞き違いが生じ、失敗の原因を作ってゆきます。
 さて、この一見やっかいに見える問題も、至極簡単に解決できます。その方法は、「言う」のではなく「尋ねる」と良いのです。たいがいの上司や先生は、下に対して、真剣に伝えようとするあまり、威圧を増幅させながら自分の考えを「言う」のです。ここに失敗の陰がちらつきます。ここは、ひとつ逸(はや)る心を抑えて、相手に自分のイメージを「尋ねる」かたちで、しっかりと伝えてゆくのです。つまり、相手のイメージを聞き出し、その相違をあなたの側で修正してあげると良いのです。
 今週は二つのことを学びましたね。
(1)相手を聴く気にさせるのは、結論よりも事例である。
(2)コミュニケーションは「言う」より「尋ねる」
 この二つで、あなたのコミュニケーション能力は飛躍的にカイゼンされます。


続きはまた来週……!