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今週の喝 第954号(2023.09.04~09.10)〜「浮かんでこない!」のに指が動く!〜

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成功への道しるべ!この世は全て催眠697

「浮かんでこない!」のに指が動く!

 

 唐突に「スプーン曲げのための音楽」の依頼を受けたのですが、当時の私は「おもいで酒」の大ヒットにもかかわらず、レコード会社からは全くオファーもなく、将来の展望も全く感じられないとても暗い心であったため、訳の分からないまま引き受けてしまいました。
 そして、気楽に考えてはいましたが、アッという間に作曲期限40日の内の20日が過ぎてしまいました。この頃になると、さすがの私も少々焦り気味!全く発想が浮かんでこないのです。あの「おもいで酒」の時は、芦屋市の奥池の風景を眺めていると、不思議にメロディーが湧いてきたのですが、2匹目のドジョウはどうも今回は近所にはいない様子です。
 そして8月も20日が過ぎ、残すところあと11日になっても、私の頭の中は真っ白で一匹のオタマジャクシも泳ぐ様子はありません。その時、当時流行(はや)っていた映画、スピルバーグ監督の「ジョーズ」の音楽のイントロが私に脅しを掛けてきます。
 私が依頼を受けた音楽は、15分の“交響詩”です。それを楽譜に起こして、音楽の素人の方に納得してもらえるような音源を作るには、どんなに構想が湧いてきても1週間は掛かります。
 しかし、約束の9月1日は刻々と迫ってきますが、1小節も出来ていません。……そして8月31日を迎えました。ここまでくると、「居直り」の心が出てきて、面白いことに肚も座り、何の勝算がある訳でもないのに、心は平然としているから面白い体験です。それでも諦める境地にはならず、シンセサイザーと4チャンネルのテープレコーダーの前で、出だしだけでも浮かんできてくれるように神に祈る思いで佇んでおりますと、私の耳の奥でフルートのように澄んだ音で、「G(ソ)-D(レ)」と空虚な4度の音が聞こえてくるのです。そして、そのバックでは、「ポタ、ポタ」と樋(とい)からしたたり落ちる雨の滴(しずく)がテンポを取っているのです。
 本当に不思議な感覚でした。
 私は音楽を志したにもかかわらず、全くピアノ(鍵盤楽器)は弾けません。にもかかわらずシンセサイザーの音源をフルートに合わせ指を鍵盤に乗せると、不思議や不思議!あの「大宇宙」の最初のメロディーを弾いていたのです。

 

★★指が勝手に動き、自然に録音が成された!★★

 そして、初めの8小節が書けたとき、私の体内から優しい男性の声で、「忠洋!お前は良い曲を作曲する。自分を信じることが先ず大切だ。その為には、気分を変えよ!」
と力づけてくれるのです。その時、8月31日の午後の4時頃だったと思います。こんなに切羽詰まっているにもかかわらず、酒を飲みたくなってきたので探しに行ったら、妻の裕子が香りの良いコーヒーをタイミング良く持ってきてくれて、眼が合いました。そして私は素直な心で、
「酒を飲みに行きたいから、神戸のインド料理有名店“ガンダーラ”へ行こう!」
と誘うと、何の抵抗もせず、一緒に行くことになりました。
「あなた明日、作曲の締め切りじゃなかったの?」
とか言われて、反対されるかと思いきや、すぐに支度をして、神戸三宮の山手、北野町にあるガンダーラへ車を走らせました。残念ながらこのインド料理店は今は既にないのですが、私がラジオ関西で知り合ったアナウンサー部長の森本さんに紹介して貰った店で、“ダワン”さんというインド人と奥様の典子さんの二人で営むとても素敵なお店でした。常に仲良くして貰っていたこともあって、色々と融通を利かせてくれていたのです。
 そこで、夕方の6時頃から、インド料理を腹一杯食べて、インド産のウイスキーをしこたま飲みました。そして、閉店の11時頃まで飲み続けた結果、私はへべれけになっておりましたので、車を置いてタクシーで西宮に帰りました。
 私の部屋は3階にあってやりっぱなしの作曲の所為で、テープレコーダーにあの奇怪な大宇宙の第一主題が録音されていました。そして、再生スイッチを押して幾度か聞くと、その続きのフレーズがシンセサイザーの上を指が勝手に動き、どんどん、フレーズが生まれてくるではありませんか。その時、妻の裕子は、酒に負けて一人ベッドに横たわっておりました。
 不思議です!ドンドン、メロディーが湧いてきて、最後の出産のメロディーのところまで出来上がったのが、翌朝午前5時頃、あれだけ大量にウイスキーを飲んだにもかかわらず、全く眠くありません。それより頭が冴え渡り、最後の出産のメロディーが遠くから聞こえてくるのです。そして午前7時の時報を聞くと同時くらいに、楽譜も書いていないのにテープレコーダーに「大宇宙」は録音されていたのです。まさしく、「お酒で心が空っぽになった」所為で、一気に書き上げることが(この場合は録音)出来ました。
 しかし、頭は二日酔い状態です。そして、9月1日、朝から迎え酒でビールを一杯ひっかけて、午前8時半に大阪第三ビルにあるPBI(Psycho Bionics Institute:精神生体工学研究所)の水口清一先生に電話しました。
 すると水口先生は、わずか2コールで電話に出て下さり、
「梅谷さん、待っておりました。出来ましたか?!今からすぐにお家に伺います」
と私が何も言わない間に電話は切れました。
 本当に不思議な体験です。約束の日にちに作品を渡すことが出来たのです。その作曲時間は、わずか7時間……楽譜も書かずに直接テープレコーダーに(ピアノも弾けない私が)録音出来たのです。

 

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/