M&Uスクール

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今週の喝 第200号(2009.2.16〜2009.2.22) 〜氣の力を知ろう(7)「気配り」はマニュアルでは伝えられない〜

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氣の力を知ろう(7)
〜「気配り」はマニュアルでは伝えられない〜

 ハンバーガーショップの女店員が「いらっしゃいませ。お客様、何になさいますか。今日は○○フライドポテトがサービス品になっておりますが……!お代金は650円でございます。千円から頂きます。今用意いたしますので、しばらくお待ち下さいませ」と、まあ流暢にスタイル良く我々客をこなして行きます。見事なまでの接客だ……と言いたいのですが、何故か私は彼女たちにいらだちを覚えてしまいます。
 彼女たちが機械的に、5歳の子供から70を過ぎた老人にまで同じ言葉で接客している姿は、人間の心を感じません。これは「言っている」のではなく、「言わされている」ところにあり、また、能動性がないため「心」を感じないのです。これは何もその業種に限ったことではなくて、接客業全般に言えることです。どんなに細かく指示を書き込んだ完璧とも言えるマニュアルが存在しても、そこに「心」を込めるやり方を記すことは出来ないのです。ここにマニュアルの弱点が存在するのです。そして、能動性がない人間に企業側が一定のサービスをさせる為に、罰則規定を定め、上意下達で押しつけていることがより一層悪い意味での画一化を助長しています。
 以前調べたことがあるのですが、そもそもこのマニュアルの発祥は、その昔、広大な大地を持つアメリカで、教育も儘ならない人達を使って、ハンバーガーショップなどがチェーン展開し、最低限のサービスを均一化して提供しようという考えから始まったと聞きます。
 日本のように、国土も狭くたくさんの人間がひしめき合って生活している国では、「気配り」や言葉を発する前のその場の「雰囲気」が我々の「氣」を支配していることは、自明の理です。目を合わせ「他にも何かご注文はありますか」と優しく笑顔で声を掛けてくれたら、私など無理してでも追加注文をしてしまいます。

=「氣」は心と身体の融合から生ず=
 気配りの出来る人は、不思議なことにその人のそばにいると何か心が和みます。「気配り」によく似たものに「気遣い」があります。
 現在社会は、ほんのちょっとした粗相(ミス)でも、それをやり玉に挙げて人間を追い詰める傾向がとても強くなってきました。相手をフォローしケア、カバーしてあげようという人が少なくなり人間砂漠化してきたのです。そして、極度な競争社会ですから、他人と差を付けなければなりません。そんな時、自分が努力して上位に付こうとするのが真っ当な心ですが、人間本来持ち合わせている「楽をしよう」という思いが便利至上主義の文明社会によってしっかりと育まれたため、相手のミスを指摘して格差を付ける様になりました。これも学校教育、社会事情の弊害と言わざるを得ません。
 学校の試験はほとんどが減点制になっています。そして、会社でも、ミスが原因で取引先を失ったり、上司に嫌われたりして出世が遅れます。人間が行動を起こすと必ずそこに「失敗」が生じ、その失敗を克服することによって、新たなる前進が生まれる、すなわち、「前進し、失敗し、修正し、また前進する」の繰り返しが人生です。にもかかわらず、ミスや欠点を指摘し、さも「ダメ人間」のように烙印を押して頭を抑える傾向が近年強くなってきました。そして、これに気付いた人達がとった防衛策は「ミスをしない方法=積極的にやらない」という、これまた恐ろしい結論に達したのです。
 そこに「マニュアル教育」が発生したのは容易に想像出来ますね。また一方では、「ミスをしないように」という思いが強いことから、神経質で過敏性な自意識過剰型人間も増えています。彼らは相手のために「氣を配っている」のではなく、自分の利得のために「氣を遣っている」……つまり、自分自身のことには非常に関心が高いけれども、他人への関心は薄い……しかし、欲得は人一倍もっていて、やりたくない「気配り」を無理矢理やるので、その後の疲労感は大変なものです。このような人達が、その解消のために部下や弱者に八つ当たりし、ますます場の雰囲気を陰険な方へ変えて行きます。また、ストレスを晴らすことの出来ない立場にいる人は、最悪過労死に至ることもあるのです。
 気配りは、開かれた心と体から出てくる自然な姿です。そして、その人の氣は相手の氣を心地よくさせ、お互いの氣の交流を促します。つまり、滞留している「氣」を活性化することによってコミュニケーションを円滑にし、お互いがリラックス出来る環境を作り上げてゆくのです。真の気配りは、心と身体が一体化したとき……つまり、心身が積極的になったときに生まれる最高の境地なのです。


この続きは、また来週……('-^*)/