M&Uスクール

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今週の喝 第590号(2016.8.8〜2016.8.14) この世は全て催眠だ(332)〜ルサンチマンにならないために……!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(332
〜ルサンチマンにならないために……!

 凡人…この定義を示す上で、私は「井の中の蛙大海を知らず」という格言をいつも思い出します。我々人間は、“自分”という捕らわれた観念の中からしかものを見、そして判断することしか出来ません。それが、全てと思っている人間……それが凡人なのです。しかし、凡人は、まだ隣人(これもまた凡人)と助け合いながら地域社会を構成し、生きています。
 しかし、これら隣人たちを見て、自分のことは棚に上げて、その悪い側面だけに反応し、相互扶助の縁を切り、自分だけが正しいと思っている愚かな人間も数多くいます。彼らは社会性の欠如とバランスのない眼力から、世の中を見誤り、自分の間違いを世間の所為として世間を恨む。先日も、障害者施設で大量の殺傷事件を起こした犯人など、この最たる例で、外界を恨むことしか能力がなく、自分に対する反省など全くありません。彼らは、この世を恨むために生を受けたとしか考えられないほどの悪魔の形相の人間で、それらは「愚人」と呼ばれます。
 愚人とは、エゴの塊であり、外界を全て諸悪の根源と考え、人間関係=敵対関係と捉えて協調性を失った人間のことです。それは、摂理に対して完全な盲目状態で、自分がこの世に生まれてきた意義はもちろん、死ぬまでの己の人生の意義など考える余裕を持ちません。そして、幸せそうな人間を見ると己自身のはらわたが煮えくりかえり、やっかみや妬みで他者を恨みの対象にします。このような愚人を、デンマークの思想家キェルケゴールは「ルサンチマン」として発表しました。そして、哲学者ニーチェは、その著「道徳の系譜」でこの言葉を紹介し、ルサンチマンは愚人の最たるものの名称になったのです。
 我々の心には、このルサンチマン的心情が多かれ少なかれ含まれていることを覚知しないと、自分自身がいつの間にかルサンチマン化してしまうこともあるので要注意です。
 
★★想定外が被害を招く!★★
 
 ルサンチマンのエネルギーは、その全てが感情で占められているため、大きなパワーとなります。しかし、それが社会や民衆の幸福のために用いられることはありません。なぜなら、その根本パワーが、恨みや妬みの感情が基本になっているからで、たとえルサンチマン達の革命が成功したとしても、やがてそこに集った自らのルサンチマン性で、内部崩壊するのが落ちです。愚かとは、自分自身に気付かないことと言えるのです。
 そして、凡人は、先ほども述べたように類項作用で共感性は持っているものの、自分の感性の検証など全くせずに「自分は正しい」と思い込んで、自分と違ったもの……たとえば、自分より能力のあるものや異質の考えの持ち主を、敬遠します。そして、気の合うもの同士だけで連(つる)み合うのです。それも無意識に……!
 このように凡人は、自分の感性が全ての物差しであるため、己の感性以上のものに発展することはありません。このように愚人や凡人の占める比率は、約95%といわれていますので、多数決原理が主体の民主主義とは自分達の側(世界)から見た“正しさ”で成り立っています。政治が芸能化するのもこのように民主主義の弊害です。それは“凡人・愚人”の多さの証拠ですね。
 このような凡人が、己の感性から摂理に気付くのは、たった一つ「苦」に遭遇したときだけです。最大の苦は、衣食住の欠乏からくるもので、それをもたらすものは、自然災害と人為的なものでは戦争です。
 自然災害は、それに対する対処対策が甘かったり、想定外の時にその被害が増大します。想定外のことが多く起きるのも、凡人の特徴です。自分の側からしかものを見ないからこそ想定外が多いのであって、想定していることで被害を被ることはほとんどありません。
 非難を浴びるかもしれませんが、私は先の東日本大震災に於いても、地震や津波で亡くなられた方はほとんどないと思っています。このように言うと、15,000人以上の方が亡くなられたではないかと言われますが、私の見地では、あの方々は「逃げなかった」所為で亡くなられたと捉えています。
 なぜ逃げなかったのでしょうか?……それは、「自分だけは大丈夫!」「まさか私が死ぬわけがない!」という“正常性バイアス”に依るのです。まさに、“正常性バイアス”とは、自分を特別視した完全なる偏見の為せる技で、人為的に想定外を作り出したと私は考えます。
 戦争は、それを始める人間達は自分達は負けないという“正常性バイアス”からスタートしています。自分ところが「負ける」と思って始める人間はほとんどありません。
 ここでも、勝敗の英知は戦争指導者の想定能と終着点の明快性に掛かっています。戦争は一種の集団催眠です。有名な映画で「西部戦線異状なし」にその催眠性と、悲惨さが見事に描かれています。必見です。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/