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今週の喝 第538号(2015.8.10〜2015.8.16) この世は全て催眠だ(280)〜「催眠」を正しく理解しよう。〜

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この世は全て催眠だ(280
〜「催眠」を正しく理解しよう。

 「この世はすべて催眠だ」という、テーマでこの“今週の喝”を書き始めて、すでに今回で280回を迎えました。
 催眠!という言葉は、一般的には、どのような現象であるのか分からない人間でも何か胡散臭い響きがありますね。
 「催眠を掛けられる」などというと、相手の思い通りになって何か不本意なことをヤラされてしまうように思います。また、実際に催眠商法などと言う言葉があるように、そのような詐欺または詐欺まがいの手口に引っかかる人も多くいることは確かです。
 そのような、催眠の悪しき面の虜にならないためにも、催眠現象を、科学的にしっかりと掌握しておくことが最も大切なのですが、これまた人間の性質の最大ウイークポイントである「面倒くさいことは嫌!」が心を支配すると、本来自分が(催眠商法etc.)被害に遭うかも知れないにもかかわらず、しっかりと研究する人は本当に少ないのが現状です。
 催眠現象の科学的成り立ちを知らないのに恐怖する。恐怖があるのに研究や勉強は面倒くさい故に、やらない。
 では、どうする?しっかりとした裏付けや科学的根拠を検証しようともしないにも関わらず、他人の言うことや世間の噂を鵜呑みにしてしまう。そして、論拠根拠のないまま、「〜らしい」で、自分を納得させ、その結果、摂理とは違う誤った認識で世間や人間関係を「大体こんなものだろう」と言った感覚で、適当に自分自身を納得させる人間の何と多いことでしょう。
 人間は、どうも眼前に危機や問題が差し迫らないと、中々重い腰は上げない生き物のようです。
 よく、台風のまっただ中で修理のために屋根にのぼって風に煽られ、転落事故を起こしている人がいますが、これは一般人間の典型的な例です。わざわざ、台風時に風の強い屋根に上るなど、冷静に考えれば正気の沙汰ではありません。しかし、台風という緊急事態に、自分の家の修理をする……これは、一体どういう心理から、このような行動に出るのでしょう。
  
★★「癖」の研究こそ、催眠修得の要★★ 
 さてさて、上記に書いたこと……実は、この全てが人間の持つ“情動のシステム”なのです。“情”とは「人間の無意識の心の動き」と理解して下さい。たとえば「愛情とは、知らず知らずの内に、相手を1番にすることがとても心地よいと感じるようになった心」のことで、自分には、「今、愛情が湧いてきた」などとは決して気付かないものです。しかし、愛情を投げかけられた側、つまり「何事も自分を優先してくれる行動」は、“心地良さ”となって伝わって来ます。ですから、“情”とは「理解する」ものではなく、「感じる」ものなのです。この“感じる”というのも、また頭脳を経て“考える”こととは違う感性です。
 ですから、“情動のシステム”とは無意識にその人間が行う行動のことですから、それは、生まれてこの方(無意識に)培ってきた“癖(くせ)”による行動パターンが誘発するその人間の「行動のクセ」が定型化(システム化)されていることを言います。
 “情動のシステム”は2種類あります。それは、「人間としてのクセ」と、その人間固有の生活環境や人間関係から生まれる「個人のクセ」です。
 日本を訪れる外国人は、生活習慣や風土などから身に付いた「文化」は多種多様ですが、困ったときに助けてくれる人には、古今東西、そこに感謝が生まれるのは、それが喩え悪人であっても至極当然の心の運びです。
 また、先ほど述べた「面倒くさいことは嫌!」という感性も、そこに教育や勉強という面倒くさいことを経て払拭されるものですから、「嫌な勉強」は、人間の「必須教科」なのです。また、「面倒くさいことは嫌!」と学習していない人間は、「面倒くさいことは嫌!」ということすら、意識にのぼっていないのです。つまり、「勉強嫌い」は、勉強を強要された結果の観念なので、「勉強せよ!」と強要されなかった人間は、自分が「勉強嫌い」であることすら意識にのぼらない……つまり、これも“情動のシステム”なのです。
 また、台風の例でも言いましたが、その場になって対処しようとして事故に遭うのも、たとえば台風という自然災害や大きな事故などに遭遇したとき、人間は“無意識に”行動してしまいます。それは、じっくりとその事象を見つめて練った対策ではありませんので、そこに次に起こる事柄など何も考えず(計算せず)に行った行動の基盤に、「自分は事故に遭わない」という意識にものぼらない感覚(正常性バイアス)が心を支配しての行動です。じっくり考えてみて下さい。昨日一日、あなたはどれだけのことを計画的に行動しましたか?ほとんどは、無意識に反応してすごした事でしょう。
 朝起きて、「歯を磨く」行為も、「歯を磨くことで、老人になっても健康な歯を維持しよう」などと、心に言って聞かせ行動する人はほとんどいないのではないでしょうか。大概の場合、昔からの習慣でそうしているか、昨日食べたニンニクの味がまだ口の中にあって気持ち悪いという“反応”から歯磨きをしたのではありませんか?
 さて、このように人間は、「面倒くさいことは嫌!」な反面、「気持ち悪いことは嫌!」なので、“面倒くささ”より“気持ち悪さ”がその人間の心をestablishment(支配)した時、行動に出るのです。この無意識の心の動きを知っている人間は、イメージで気持ち悪さを喚起する事によって、人を動かして行くのです。これが“情動のシステム”、つまり、催眠の科学なのです。
 interest、つまり「興味を持つ」という言葉は、interestablishmentの合成語です。それは、心を支配した方向、興味を抱いたものに、我々人間は行動を起こす。言い換えれば、情動のシステムが働くのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/