M&Uスクール

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今週の喝 第531号(2015.6.22〜2015.6.28) この世は全て催眠だ(273)〜世の出来事は、すべて“身から出た錆”!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(273
〜世の出来事は、すべて“身から出た錆”!

 「威光暗示、チューニング、ラポール」が備わった催眠者(催眠に誘導する側)は、その信頼関係(ラポール)の中から、人間の成長の基本的プロセスについて被催眠者に伝えます。
 「成長の基本的プロセス」とは、

 (1)人間誰しも、成長するために必要な“失敗”があり、それを恐れていての成長はあり得ないこと。
 (2)他人に対して、見てくれ見せかけの表面的見栄が極度の緊張を呼び起こし、人が“敵”に見えてくることで、その状態に心が成っていること。
 (3)前進や挑戦なくして、新たなる世界は訪れないこと。

従って人間は、「前進し、失敗し、修正する」ことで、成長するのです。この事に例外は何人もありません。この事をしっかりと被催眠者に理解させる事が重要です。
 成功者の講演会などで、成功談を自慢げに話す人がいますが、聴衆がシラけて聞いている場面によく出くわします。
 それは、前進や挑戦をしたなら、大失敗はなくても何某かのヒヤリハットや、迂闊だったゆえのチョンボ等の小さな失敗は必ずあります。何せ挑戦するとは、初体験である故、それなくし人の成功や成長はありえません。従って、その講演者は、無意識に自分の恥部には触れず、格好良い側だけを見せている……それは、嘘をついているわけではありませんが、やはり偽りです。
 しかし、人(聴衆)はこのような偽りを、意識的ではなく感覚的(無意識)に察知し、その話を受け入れるか否かを判断します。つまり、自分と「共感性」があるかどうかを肌で感じるのです。
 「生きた話」と言う言葉がありますが、我々の心にスーッと入って来たり、ズキッとパンチを喰らう話(講話)は、この共感性を誘発したことで心に“共鳴現象”が生じたのです。それらは、ほとんどが失敗談であり、また、その失敗を「どのような気付きで克服したか」です。
 
★★人生に失敗はあるのか?★★ 
 人間は、この共感性によって人の影響を取り入れてゆくのです。素晴らしいリーダーは、「催眠の科学」を熟知し、人の心を正しい方向に導くことで、人を育てて行くのです。その「催眠の科学」の第一歩が、心の共感性の確立です。大概、自信をなくしている人間は、「他者は、簡単に成功して行く!」と錯覚しています。そして、この世の不幸を自分が一身に背負っているのは、「世間が自分に何もしてくれないからだ!」と拗ねた心で世間を敵対視するのです。
 失敗者やこれから失敗するであろう人間は、このように全ての原因を「外界」の所為にしていることで判別できます。そこには、普通の人間(凡人=進んで学ぼうとしない人間)が持つ“性(さが)”である「楽して成功したい」という“矛盾(仏教の世界では「戯論(けろん)」)”が横たわっています。
 「衆生」と言われるごく普通の人間は、決して怠け者ではありません。唯々、勉強していないので、世間を渡るのに「楽が出来る方法」があると無意識に信じているのです。かく言う私も28歳から34歳の7年間、「楽して得する方法」の研究に、それこそ粉骨砕身の努力を惜しまずやりました。それは、偉人と言われる人達の生い立ちを具(つぶさ)に研究したのです。そして、34歳の夏にやっと「楽して得する方法は無い!」と結論が出て、失望のどん底に落ちるかと思いきや、真逆に、心が完全に晴れて、「前進する勇気」が満ち溢れてきたことを思い出します。
 これと同様に、失望やPTSDに犯されている人間は、自分だけが不幸で世間から阻害された存在であると思っているだけなのです。
 ですから、自分だけが特別に不幸なわけではなく、みんなと同じだという事に気がつきさえすれば、人間本来のエネルギーがお腹の底からモリモリと湧いてくることは必定です。江戸中期の禅中興の祖と言われる白隠禅師は、「衆生本来仏なり!」と坐禅和讃の冒頭に謳っています。
 “仏”とは、私の解釈では、人間がもつ「理想」です。その理想が、もしかして「楽して得する」ことであれば、余りにも人生が薄っぺらに思います。やはり、努力して、また苦難を乗り越えて、自分の足で歩き、自分の手でGetしたことは、終生の宝として我々の潜在意識に深く刻まれ、「良き思い出」として人生の充実感へと昇華して行くのです。
 私はこの世に「失敗」というものは存在しないと確信しています。何故なら、人間の完全法則とも言えることは、「前進し、失敗し、修正することで成功に近づく」ですから、もしかしたら「成功」も存在しないのかも知れません。それは、古人が述べた「勝って兜の緒を締めよ!」に集約されるように、成功に浮かれていれば、再び失敗の憂き目を味わう「人生、糾(あざな)える縄の如し」の法則が在るからです。
 この事を弁えて、私は「前進し、失敗し、修正し、気合いを入れる」人生を終生行う所存です。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/