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今週の喝 第527号(2015.5.25〜2015.5.31) この世は全て催眠だ(269)〜積徳こそ、人間成長の鍵!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(269
〜積徳こそ、人間成長の鍵!

 愛情を持って「彼女が一番、自分が二番」を基本に、全ての行動をお願いして、後日、状況把握のために“彼”に会いました。すると我が目を疑うほど、“彼”の顔が凜々(りり)しくなっているのです。彼の私を見つめる眼差しは、眼光が定まって、私に対する疑念など微塵も無い、とても素直な輝きです。昔から「目は口ほどにものを言う」とことわざにあるのを実感しました。
 そして、彼にここ2週間の動向を尋ねると、彼女に示唆することを止め、彼女の意見を常に優先して、その不都合を指摘するのではなく、黙って、Follow、Care、Coverしたの報告を受けました。
 Follow、Care、Cover……つまり、足らない部分を補い、意思が明確でないときは、その基準を示して相手の心の安寧をはかり、常に満足いくように全体掌握する。これを老子は「徳」と呼び、人間の最も素晴らしい行動であると明示しています。
 これを常に自分の潜在意識に反復練習して“癖”としてインプットすることを「積徳」(徳を積み重ねる)といい、人として最高の誉れなのです。そして、積徳に精進した人間は、顔の相が立派になり、同じく積徳を重ねる人間と共振します。
 私は、偉人と呼ばれ積徳が成された人にお目にかかって、その情愛あふれるオーラに感動したことはありましたが、エゴで人相が歪んでいる人間に、積徳を指導して、それを実行した人間がこれほどまでにさわやかな顔つきになることを久しぶりに実感しました。言わば“使用前”“使用後”の比較のようなもので、その“彼”の将来に前途有望な気迫を感じ、それだけで、今回の“彼女”のPTSDは、決して無駄ではない事を実感しました。
 まさに、「人間(じんかん)、万事塞翁が馬!」……人生の出来事の全てが、糾(あざな)える縄の如く我々の成長に欠かせないものであることを再認識しました。
 
★★環境暗示が催眠状態を制する★★ 
 彼自身、彼女を第一にすることによって、心に“穏やかさ”と“爽快感”を実感することが出来ているという報告を受け、私は過去の彼の顔つきと現在との相違を忌憚なく伝えました。そうすると、自分でも不思議な感覚が肚の底から突き上げてくる感じがするというのです。私流の言い方では、愛情深く接したことで彼の心中に眠る「満足感・充実感」が出てきたのです。
 人間を取り巻く環境は、地域的環境や国柄だけではなく、生活基盤となる“人間関係”、とりわけ、情愛を感じた「愛する人」の影響を多分に受けます。彼の場合、私の言うことを素直に聞いてくれた時点から、彼と彼女の運命は、大きく幸福への舵を切ったと言って差し支え有りません。何故なら、人の幸福は、その人間の持つ魂胆(ロゴス:本性)から出る行動形態によって決まるからです。
 私は、この事象から、人の人生はこの幸福感の発見のために存在すると言っても過言ではないことを垣間見ました。ことわざに「朝(あした)に悟りを拓かば、夕(ゆうべ)に死すとも可なり」とある境地を得ることで、我々はその肚の底からの“快”を実感し、その「達成感」が“勇気”を奮い起こして、実行力のある人間へと成長させてゆくのです。
 
 俄然、やる気を出してくれた彼のおかげで、彼女を取り巻く環境を悪くするものはなくなりました。ここまで来れば、後は時間薬と反復による彼女のイメージ作りです。
 このように環境を整備することを、催眠では「環境暗示」といい、とても重要な要素です。我々は、愛をささやくとき、夕日の海岸や雰囲気の良いレストランを選びます。決してパチンコ屋(パーラー)の前でやりません。これも、人間が雰囲気の重要性を無意識に認識している証拠です。病気療養の一つに「転地療法」があります。肺結核など、空気の良いところで改善の見られる病気は、風光明媚な山中や海岸縁に建てられた病院での治療が功を奏するのは、心の指向性までも変えてしまうからです。まさに、病気とは「気の病」であり、気とは「命の方向性」ですので、本人自身の気が「病からの離脱」にシフトしたとき、病は遠ざかり快癒に向かうのです。
 しかし、人はしっかりと決心をすればするほど、もう一人の「不安」という自分が頭をもたげて「本当に治るのか?もしかして、ダメかも!」とマイナスの感情が心を支配します。これを、「意思反作用の法則」といい、昔から宗教の世界では“悪魔”の象徴として描かれています。
 この悪魔に対抗するには、自分を取り巻く環境をきっちりと整備してくれる人の助けが必要なのです。まして、人間そのものが“不安になる根本原因”であったなら、改善の兆しは遙か彼方へ遠のきます。
 彼女(ヴァイオリニスト)の場合、その根本原因が“彼”であり、その彼が環境改善を積極的に始めてくれた……これで、この催眠療法とも言うべきPTSDの改善は70%成功したと言っても過言ではありません。これほど、環境を整えることは大切なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/