潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（２０３）
〜暮らしのなかの暗示術・アダ名〜
M&U SCHOOLの中には、社長や社長候補生の皆さんが、「孫子の兵法」や「老荘思想・孔孟思想」や「韓非子」などいにしえの賢者の知恵を経営や自分自身の人格育成にしっかりと役立てようと、経営者の方々の要請で「マエストロの会」が設立されています。
そこに入会されている方々は、みんなミドルネームを持っています。これは、私がその人から受けるフィーリングやその人への思い入れからフッと浮かんだ“アダ名”をつけたものです。
たとえば、現在30歳半ばで、父が育て上げた商社のあと取り息子に、石波羅一規さん（仮名）というとても清々しい青年がいます。彼が入会してきたとき、私は次期社長としての心構えと人の規範となる性質を養って欲しいとの思いを込めて、ミドルネームを「スピンドル」としました。スピンドルとは、「主軸」とか「紡ぐ」という意味があり、彼が経営者になったとき、ぶれずに指針を明快にし、成果をシッカリと挙げて（紡いで）欲しいという思いから命名しました。
従って、メンバーは彼のことを“スピンドル・石波羅”と呼んでおり、その名を呼ばれた彼は、いつも自分がスピンドルであり続けようと無意識に自己修正しているのが良く分かります。
このように、名前は強烈な暗示効果を発揮するのです。なかでも、アダ名はその最たるものです。
今、社会問題になっている、「イジメ」もそのスタートは、相手が嫌がるアダ名で呼ぶところから始まることが多いようです。「ブタのヘソ！」「やーい、フランケンシュタイン」などと相手の身体的特徴をデフォルメ（強調）して、呼ぶのです。その時、呼ばれた側の心痛は呼ぶ側の想像を絶する痛手を受けます。
★★アダ名に秘められた潜在的パワー★★
名前やアダ名の魔力について、北九州市八幡厚生病院の精神科医・帚木蓬生(ははきぎほうせい)先生は、
「フランスで研修していた頃、精神分析医のP准教授は、ドミニクやミッシェルという名の男には軟弱な手合いが多く、逆にダニエルと名づけられた女性は男まさりだと、高説を垂れた。三つとも男女共用の名前とはいえ、通常前者は女性用、後者は男性向きであり、その社会通念が性の呪縛を掛けるのだという。P先生によれば、また、聖人にもないような特別な名を付けられた子供は偏屈者になりやすいらしい。わが国の精神科医も大方は同じ意見だろう。凝った名前は不幸を招く。平凡が一番……。俗にいう“名前負け”信仰である」
と、述べておられます。
最近は、何でも人とは違った珍しい名前を付けようという風潮がありますが、この様な心理面を全く考慮せずに親のエゴや見栄見たいなものでやるのでしょう。少し前ですが、「悪魔」と名づけようとした親がいて、市役所はそれを受け付けなかったという事件がありました。これなども、学校や社会でイジメの対象になりかねないからです。
この様に、名前の呼び方は強烈な暗示メッセージとして相手のマインドを揺さぶります。
うわさ話のマナ板に上がっている上司や同僚の名をどう呼ぶか、その言い方一つで、強烈なメッセージを暗黙の内に発することができるのです。
相手と良いコミュニケーション（関係）を結びたいときは、先ずは良い名前の呼び方をすることが必要なのです。
陸上自衛隊中部方面総監部に勤務していた高本一等陸佐（一佐）は、部下の「磯貝」という一等陸曹をいつもアダ名で「十郎左衛門」と連呼していました。十郎左衛門とは、赤穂四十七士のひとり「磯貝十郎左衛門」のことで、彼は赤穂浪士きってのイケメンで芸達者、そして、吉良の屋敷に討ち入り、25歳で華々しく切腹して果てた人物です。
磯貝一曹は忠実に、そして細やかな気配りと甲斐甲斐しさで、高本一佐に仕えていたのがとても印象に残っております。もちろん、磯貝一曹の人柄が良かったのはいうまでもありませんが、それにプラス、やはり、忠臣蔵の英雄と同じ名で呼ばれた事によるモティベーション・アップの効果は絶大でありました。
また、私の恩師である得津武史先生も吹奏楽部を15回も全国優勝に導いた原動力の一つに、生徒全員にすこぶる適切なアダ名を付け、親愛の情を込めて呼んでいました。また、先生も晩年になると、老化の所為もあって、卒業生がやってくるとアダ名は覚えていても本名は忘れているという本末転倒もありました。チームプレーで優秀な成績を出すグループや会社を見ても、互いが気分良くなるようなアダ名で呼び合っているケースはよく見かけますね。
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/
