M&Uスクール

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今週の喝 第431号(2013.7.22〜2013.7.28) この世は全て催眠だ(173)〜人は無意識に催眠状態になることもある〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(173
〜人は無意識に催眠状態になることもある

 「催眠法を修得する人間に、適正・不適正はありますか?」
という、質問が寄せられました。
 催眠は、人間の“癖=無意識”の領域である潜在意識に直接作用し、深い所では本人の意志に関係なく効果が出るため、催眠者の人格が一番大切だと私は思います。つまり、被催眠者の事情や症状を考慮した上で、その人を「正しい方向に誘導することを旨としてトランスに導く」というスタンスがハッキリしていなくてはなりません。なぜなら、催眠は上達すると分かりますが、あまりにも効果が大きいため、だんだん当初の心構えから離れてゆくことになりかねません。
 具体的にいうと、被催眠者は、深いトランス状態(催眠状態)のとき、催眠者の思い通りに動きます。この状態の時、催眠者の人格が定まっていないと、「自分の自由に動かそう」といったような人間の尊厳を超えた行為に出てしまうことがあります。例えば、お金をだまし取ったり、異性を思うがままに操ったりと、まさしく「催眠商法、結婚詐欺」などに代表される悪行に用いてしまうことがあるのです。
 催眠は、あくまで科学的現象ですので、その用い方によっては、善にも悪にも変化(へんげ)します。また、人間の心は、常に「楽と得を求める」ため、楽に欲望を達成できるとなれば「出来心」といわれる無意識の領域が動き、悪い方に活用してしまいます。科学では「アンダーマイニング効果」と呼ばれる人間の心の変化です。
 “アンダーマイン”とは「浸食する」という意味で、欲望が理性を侵食し、自分では気が付かない間に、悪い行為(欲を基準にした行為)に染まって行く現象です。
 厳密に言うと、この現象も「欲望(を持つ人間)が“楽や得”という快によって催眠状態になった」とも言えます。
 この場合、人によって催眠状態になったのではありません。自分自身の深層心理(欲望)によって、自分自身が催眠状態になったのです。タバコや酒が止められず、中毒になる現象も、これとよく似ています。
 
★催眠は相手の“無意識”に働きかける!★
 従って、我々はよほど注意深く人生を歩まないと、そこかしこに欲望という坩堝(るつぼ)が口を開け、悪の道へと誘い込もうとするのです。
 だからこそ、催眠という科学現象を、適切に世のため、人のために用いようと心掛け、悪辣(あくらつ)な用い方から防御するた決心決意を、自分自身に課さなければなりません。
 催眠は、相手が持っている考え方や感じ方のワク組みの中に介入する方法ですので、相手の人格を尊重し、モラルを第一義において、そこからコミュニケーションをスタートする心構えが肝要なのです。
 そのために、相手の“無意識”が情報を処理するパターンを知り、そのパターンにこちらの波長をチューニングし、ペースを合わせることから始めます。以前にも書きましたが、相手が、“視覚派”“聴覚派”“感覚派”かといった、その人間特有の感性パターンを観察し、そこに傾注させることで、相手はより良い「快」を感じます。
 このように相手の「快」を察知し、ペースを合わせることができたら、徐々にこちらのペースにリードしてゆきます。例えば、コーヒーショップなどで、相手が注文する物と同じ物を注文し、相手の味覚を察知したら、今度は、その味覚をアレンジして、相手が欲するであろうものを提供するような行為です。
 しかし、それを露骨に行動や表現してはなりません。直接的な指示を避け、逆説、暗示を効果的に用いて、相手を“快”に導くのです。
 そして、相手が無意識に行っていることを、こちらはしっかりと観察して、相手の無意識の中にある素材(リソース)を活用するのです。相手の快状態を維持することこそ、催眠誘導をより深く、より確実にトランスに導くことです。
 注意することは、これらのテクニックは、すべて相手の無意識に働きかける“特殊なやり方”で行うということを忘れてはなりません。特殊なやり方とは、それこそ「催眠法」です。
 従って、相手は、自分がそういうテクニックの対象になっているとは毛頭思わないのです。あくまでも、「働きかけている対象は、相手の無意識」であることを念頭に置いてください。
 催眠の効果は、本当にドラマチックであります。あなたと相手の間に、急速にラ・ポールがかかり、2人の間の見えない回路に暖かい血が通い始めることを実感します。

その続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/