M&Uスクール

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今週の喝 第385号(2012.9.3〜2012.9.9) この世は全て催眠だ(127)〜筋肉と思考、呼吸は並行移動する〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(127
〜筋肉と思考、呼吸は並行移動する

 「無意識接近法」……先ずラ・ポール(信頼関係)を結ぶには、相手の所作の物まねから始めると、不思議に相手の心の状態まで分かるような感覚になってきます。たとえば、口を尖らせてつまらなさそうな顔をしている人がいたら、その顔まねをしてみて下さい。そして、その顔まねが出来たとき、ふと自分の心の様相をもう一人の自分から見ると、不思議に相手の心の状態が自分の中に再現されていることに気付くと思います。
 これは、人の筋肉(表情を作っているのは表情筋)と心の有様(プラスに思考が向いているかマイナスか)と、そして呼吸の深さが並行移動するからです。呼吸のことを漢字で自分の心=「息」と書くように、マイナス思考の時は呼吸は浅く、想念がプラスのときには呼吸が深いのです。従って呼吸を読むことは、相手の心の状態が今どんな状態かの目安を知る手がかりとなります。そして、口を尖らせて相手の顔をまねると、顔の筋肉の硬直と同時に、心までが「つまらない」と言う方向を示していることに気付くでしょう。
 このように、筋肉と心と呼吸は繋がっているので、役者を志す人間は、その役柄に応じて自分の心がその役柄に如何にしっかりとなりきれるかどうか(集中できるかどうか)で、そのレベルが決まります。但し、常にもう一人の冷静な自分を傍らにおき、しっかりと役柄を演じられているかどうかをチェック(これを、自観法(じかんほう)と言います)しながら行わなければならないので、これは至難の業です。下手をすれば、役になりきりすぎて自分を見失い、まるで別の霊体が憑依したかのようになりますし、冷静に観察しすぎると、今度は二人の自分が現れて、ドッペルゲンガー(二重人格)のような変な形になります。また、憑依や観察に気をとられると、今度は「気散状態」に陥りますから、徐々に相手の想念に侵入して行く訓練が必要です。手っ取り早くやろうと焦ると、相手と自分が妙に融合した別人格が形成されてしまいますのでご注意を……!

=人は自分の関心事に沿って物事を理解する=
 さて、あらまし相手の心の状態が掴めたら、今度は相手の心が“快い”状態になるように、まず全てを受け入れ(Acceptance)ます。つまり、相手の言葉を“傾聴”するのです。その時、あなたの心は色々な考えや反論も出てくるかも知れませんが、「自分が今何をやろうとしているのか」を明快に自分自身に言い聞かせ、ここは冷静さを保ちます。
 今、自分が相手に行っていることは、相手とのラ・ポール(信頼関係)を結ぶために相手の無意識に接近していることを努々(ゆめゆめ)お忘れなく!
 話は変わりますが、営業マン教育の中に、営業先などで野球や政治の話題は禁物と教えられます。それは応援チームが違ったり、支持政党が違うだけで、悪印象を持つ人間が多いからです。
 このように、人間は些細なことで相手の心証を害したり、傷つけたりします。それほど多くの人間は、感情優先の心をもって生きています。そして、自分と応援チームが違うだけという些細なことで、気分を害し相手を敵対視して、挙げ句の果てには、人間関係を破綻させるまで拗(こじ)れることが多々あります。

 だいぶ前の話ですが、とても天気の良い日に、ちょっとうつ病的な人を「気を晴らそう」とドライブに誘いました。そして、彼が車に乗ってきたので挨拶のつもりで、
 「本当に、よくハレたね」
と言うと、
 「ずいぶんハッキリ言うね」
と、明らかに気分をこわした調子で答えたので、私は驚きました。
 一瞬、考えて、すぐに謎は解けました。その彼は、まだ若いのに少々頭髪が薄く常々それを気にしていて「自分は異性にはこの頭髪の所為でもてない!」と悩み、それが高じてうつ病症状になっていたのです。そのことが心を支配している彼は、私が言う
 「まったくよくハレたね」

 「まったくよく禿げたね」と聞き違ったのです。こんな取り違いは、日常的に起こっています。この場合は、私がすぐに彼の頭を見てピンと来たから良かったのですが、多くの場合、これが切っ掛けで気まずさが増し、離反して行くこともあります。
 人間は、今自分が気にしていることや関心を持っていることに結びついて物事を理解しようとする性質があるのです。相手の思考パターンは、その人間の無意識が情報を処理するので、しっかりと相手の情報収集をして、チューニング(相手の考え方や感じ方を最大限に尊重する)ことが肝要です。
 「まったく、よくハレたね」という言葉を、前夜誰かとケンカをし顔を殴られた人間ならば、「腫れたね」と聞くでしょうし、浮気が発覚した人ならば「バレたね」、徹夜明けなら「バテたね」と聞いてしまいがちです。
 このように、人間はたくさんの解釈の幅の中から、自分の受け取りたい意味を一つだけ無意識に選んで理解するのです。そして、その人にとって、世界は「自分が理解した通りのもの」ですから、それ以外の要素は彼の心の地図からは全て捨て去られるのです。


この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/