潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（３）
〜日本では「催眠術」は野放し状態！〜
日本では、何の前触れもなく催眠術を用いてテレビやラジオの放送を行ってはならないことが、放送コードに定められているそうです。もう30年ほど前のことですからお許し頂くとして、私はラジオを使って、誰にも内緒で（もちろんNHK公査室にも黙って）催眠の実験をしたことがあります。
私が30歳前半、NHK大阪放送局で毎週金曜の午後6時から1時間、「梅忠のサウンドボックス」というディスクジョッキーを担当していました。そこで、学んだばかりの催眠話法を用いて、
「この番組を聴いている方は、自動車の運転が上手になって、信号の黄色は必ず、焦らずに安全のため止まりたくなります」
という意味の暗示を、ずっと入れ続けました、そして、
「そうすることによって、無謀な運転をしている車を見ると優越感を感じます。そんな気持ちになった方はお便り下さいね」
と続けたのです。（その話法はまた後日お話しします）すると、
「たまたま聴いた梅忠の放送は爽やかで良いね。そう、安全運転は、社会人のモラル……みんなもゆったり運転をしよう」
という内容のはがきが、平生よりもたくさん届きました。そして、ディレクター氏も冗談交じりに
「大阪府警交通課から表彰されるかもね。面白いから続けて」
というコメント！そして、番組をチェックする怖い人達からも何のお咎めもありません。そうです、催眠誘導しているのに放送のプロですら全く気がつかないのです。ほんの少し、専門的に催眠を勉強している人なら必ず判るはずですが、このようにチェックする側も、どれが催眠話法で何が普通のおしゃべりかは判らないのです。日本では、洗脳や詐欺に用いられると恐ろしい武器になる催眠法は野放しの状態で、これは現在も変わりません。
＝「催眠」って眠っている間に何かされるの？＝
だいたい催眠という言葉は誰が名付けたのでしょうか。以前「私、神経がいらだってなかなか眠れないので、催眠を習って不眠症を治したいのですが……」とM&U SCHOOLを受講された方がおられました。確かに、催眠誘導によって心身の緊張は緩和され、心のイライラは無くなりますので、よく眠れるようになるでしょうが、催眠状態とは睡眠状態ではありません。
誰が名付けたのか……？確かに、見た目には催眠状態の時、眠っているように目を閉じて、悦に入った表情でとてもリラックスしているから名付けられたのでしょう。
よく催眠術というと、糸に吊したコインを揺らしてそれを凝視させるシーンが出てきますね。これは、19世紀の初頭、イギリスの外科医で自然史学者のジェームズ・ブレイドが開発した催眠誘導法で、
「何か一つのものを長時間見つめることによって、視神経が疲労し、眠気を催すためトランス状態に入りやすく、暗示を容易に受けるようになる」
という理論を発表し、このコインによる「一点集中凝視法」を考案しました。そこで、ギリシャ神話に出てくる眠りの神さまヒュプノス（Hypnos）に因んで、hypnotism（ヒプノシズム＝催眠）と呼ぶようになったのです。
私も催眠状態を何度も体験していますが、本当に不思議な感覚です。相手の声や行動はハッキリと聞こえ、決して眠ってなんかいないのにもかかわらず、別人格の自分がいて誘導する人に従ってしまうのです。眠いという感覚ではなく、ハッキリと映像を見ているような状態です。それも、とても心が解放され、周りのことなどどうでも良くなってしまい、催眠誘導する人の言葉の通りに映像が浮かび、そしてその中を逍遙と（ごく自然に）行動している自分を感じるのです。その感覚は「夢ならば醒めるな！」と叫びたくなります。まさに、“幸せ”の感覚を疑似体験しているのです。従って、
「催眠とは何か」と問われると、私はたった一言＜快＞と答えます。
“快い状態に誘導する技法が催眠術”で、そこには人の心が適度な集中を体験した後、それが緩和解放されたときのリラックス状態は、普段体験出来ない半覚半醒（寝ているのか起きているのか判らない夢見心地＝変性意識）をもたらし、それをイメージの中で（それも催眠中は定かではなく）経験して行くため、潜在意識は強烈にそれらイメージ感覚を実行動したかのように、体得してゆくのです。
最近のスポーツや芸術の世界で、イメージ・トレーニングが盛んになってきましたが、正しくそれを行うならば催眠状態に自分自身が入ることが重要なのです。そうでないと、ただ頭脳で考えただけの「妄想状態」になり、全く自分の身に付いていません。催眠状態とは、潜在意識に自分の成功イメージが到達することの出来る最短距離にある素晴らしい心と身体の状態なのです。
この続きは、また来週……('-^*)/
