M&Uスクール

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今週の喝 第523号(2015.4.27〜2015.5.3) この世は全て催眠だ(264)〜「失恋」は、何故苦しいのか?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(264
〜「失恋」は、何故苦しいのか?

 我々人間は、他の動物と違って想像力というイメージ機能を持っている故、霊長類と言われるのです。その想像力は、創造力を生みだし、人間の支配する地球を作り出したのです。
 この想像する力こそ、人を元気づけ未来に希望を見いだすと同時に、悪い方に作用すれば、「万事休す!」とばかり、失望の淵に追いやられ、最悪の場合、自殺に及ぶこともあります。俗にPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、この想像能力が、過敏に働きすぎて、自分自身の失敗や侮辱を二度と起こさないでおこうと潜在意識(無意識)が自動的にブレーキを掛けるようになった結果、起きる症状です。
 端的に言えば、交通事故に遭わない方法は、「家を出ない!車に乗らない!」という方策をとるようなもので、本来、正常な生活のもとでの無事故ではないのです。
 件のヴァイオリニストも、練習不足で師に叱られたのですから、練習をしっかりとすれば事足りるのですが、練習不足の原因が、ボーイフレンドとのデートによる時間不足だったため、その単純な解決が出来なかったのです。何故なら、男女間のエネルギーは、それが「寝・食・性・金・名」という人間の基本五欲に起因するため、そのパワーの強さは半端なものではありません。自然界のシステムは、生殖にのみ作られていると言っても過言ではなく、(失礼を承知で申します)その生殖による数の理論は、如何に地球上で覇権を握るかの根本的要素です。頭脳、体力、数、質など、何に於いても、この世界は勝たなければ生きて行けないシステムで構成されています。そのエネルギーの源が基本五欲なのです。
 しかし、私たちくらいの歳になれば(60歳を過ぎました)、失恋などは青春の良き1ページと理解できますが、青春期は“人生の一大事”で目の前の人を無くすと、次にはもう現れないとすら思ってしまうのです。だから、恋は苦しいのです。だから、ヤキモチもきついのです。(>_<)
 
★★「自分と相手とどっちが大事か?」★★ 
 演歌に限らず、あらゆるポップス、いや、オペラやミュージカルに至るまで、音楽が奏でる7割以上が恋を題材にしていますね。それほど、歌(音楽)と恋は密接な関係を持っています。
 私は、ヴァイオリニストのPTSD解除は、ここに鍵が在ると直感しました。上手くゆけば、以前にも増して情緒豊かな演奏が出来るようになり、人間関係の正しい形も修得できると踏んだのです。
 その為に、先ず私がやろうとしたことは、“彼”に“彼女”の状況を理解して貰い協力を仰ぐことでした。そして、二人の恋愛関係そのものが、少々歪んだ形になっていることも伝えようと思いました。また、“彼”は、音楽家ではありませんので、演奏家がどれだけの心血を注いで練習しないとステージに立てないかを分かって貰おうと思いました。しかし、恋をしている人間は、同時に独占欲も誘発し、男であろうと女であろうと、二人のことを私のような立場の人間にでも彼女が打ち明けたことですら、嫉妬の対象にしかねません。そんな時は、悪くなれば、その恋愛そのものを潰すことになります。
 世の事象は、このように事態が二つの方向性を持つことが儘あります。江戸時代の兵学者・山鹿素行は、何事も“一向二裏”で思考し行動することを提唱しています。一向二裏とは、例えば人と待ち合わせをした時などでも、その時間や場所を相手が聞き違えていたときと、正確に聞いていたときの二つのケースワークを想定して、対処法を考えておくゲシュタルト的(多方面からものを観る)発想です。
 私が“彼”に症状を打ち明けて、協力体制を得られたとき、得られなくて嫉妬心をむき出しにしてきたときの二つを想定し、そのどちらに事態が転んでも、“彼女”にとって未来の人生にプラスになるかどうか(どちらでも失敗の無い状態)を私はしっかりと模索した結果、やはり、“彼”に伝えることが一番の策であると言う結論を得たので、彼女の怖れ(彼が嫉妬をして恋愛が破綻する)を説得して、“彼”に連絡を取り、逢うことになりました。その時の私の立場と肩書きの触れ込みは、オーケストラ仲間で作曲家であり、潜在意識研究家です。
 訝(いぶか)しく思っていたのでしょう、初めはとても強い抵抗感で迎えられましたが、2時間ほど丁寧に説得を続けると、ほんの少しですが、理解の扉を開き出しました。人間、若いうちはエネルギー溢れる故、何でも自分で出来てしまう錯覚に侵されます。話しの途中で「私とヴァイオリンのどっちが大事なんだ」などと毒突いてくる場面もありましたが、それじゃ「君は彼女の心と自分のどちらを優先するのか」と聞き返すと、我に返ったのか、私の話を聞くようになりました。(幸運でした)

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/