M&Uスクール

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今週の喝 第202号(2009.3.2〜2009.3.8) 〜氣の力を知ろう(9)「気」は呼吸で読むことが出来る〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(9)
〜「気」は呼吸で読むことが出来る〜

 私は若いとき(もちろん20代です)、正しいことは何があっても正しいと思い、「信念を貫いて」きました。その結果、物事は一時期上手くゆくのですが、何事も続かないのです。
 今から考えると当たり前のことで、相手の「氣」を逆撫でしていたのです。私は不甲斐ないことに、このことに気付いたのは、35歳になってからでした。それまでは、「なぜ、自分の思いが他人に通じないのだろう。なぜ、この世は正しいことが儘ならないのだろう。この世は闇だ!」とグチばかりの毎日でした。
 私に欠けていたもの……それは、相手(周り)に対しての気配りと思いやりでした。後になって、仏教聖典に教えられたことは、世(摂理)の正しさを盾にして、相手に更生を迫ったとき、そこには、善を推し進めようという考えとは別に、自分の正当性で相手の非を追求し、自分を上位に据えようという下心が見え隠れし、本来の意味から逸脱した感情が支配するのは決して「善」ではなく、「阿修羅」の道であると知りました。
 そういえば、私が20歳代の頃、自分が関与する音楽団体は全てコンテストで金賞を取るという成果に思い上がり、実力本位主義こそ素晴らしいものであると大いなる錯覚に陥っていた自分を思い出しました。
 今では、みんなが楽しくなければ優勝も劣敗も関係ないことに気付いています。しかし、若い頃は成果こそ全てで、それ以外の基準はないように感じていたのを、今は懐かしく、また恥ずかしく思い出します。
 人間の世界にはベートーベンの第9交響曲の歌詞のように、「歓び」こそ、神が人間に与えた至福であることを知らない人が大勢います。こんな人間の心は「欲」が支配し、実力や技など絶対的な物差しで計ることが正しいという間違いを犯すのです。

=氣の逆なでは最悪のコミュニケーション=
 俗に言う「目に見える世界」では、人の心はどうであれ、法律や摂理に正しければ、それは揺るぎなきものであるという考え方が主流になりがちですが、人間にはその内面(心)に、善悪を超えた独自の感覚があります。
 この独自の感覚は、好き嫌いを初めとする「感情」を司っています。これは、正しい間違いという理性的な分別ではなく、気分が良いか悪いかという感性によってその方向性が決定されます。これは何も人間だけに備わった感情ではなく、犬にでもあります。犬は普通に毛並みに添って撫でると喜びますが、毛並みに逆らって撫でられると、飼い主が誰かも忘れてかぶりついてくることがあります。これは犬の感覚に逆らった行為をとったために起こった現象です。
 人間の社会では、この毛並みに当たるところが、気や感情の流れとなるのです。相手の感情という氣の流れを無視すると、相手のモティベーションが落ちるだけではなく、反感までも芽生えさせてしまいます。一般の人間は、氣が逆さまになれば、物事の遂行度合いは極端に低下するのはあまりにも当たり前なので、「常識」だと決めつけ、その事についての考察を殆どやりません。
 そして、「氣の利かない人間」はこの世に多く存在します。その人達は自分が正しければそれで良く、人の氣などまったくお構いなしの「勝手人間」です。これらを仏教では「阿修羅道」と呼び、正しいことは極められても、気配りを忘れ、相手を苦しめる世界のことを指します。仏教が伝えたいのは、ここから拝察すると、「人間関係には氣を読むエネルギーの方が、人の善悪より重要な位置にある」と言っているようでなりません。
 私はこのことに気がつかず、35歳までの人生を「カミソリ梅忠」とあだなされることに満足していました。是々非々(ぜぜひひ)主義はあまりにも効力のない正義であることに気付いたのは、大分後になってからでした。正直、私はこれで随分人生の損をしたなあと思いました。
 今になって分かったことは、人間社会では、正しきことより前に、相手の感情を極力波立たせない努力が必要であるという認識です。感情が波立ってしまうと、どんなに公正な判断をしようとする機関も、その機能を果たさなくなってしまうでしょう。社会が感情に左右されず理性的に進行してゆくためには、人間関係の整合化が最重要であると認識することです。その為にも、「相手の感情を逆撫でするような態度、言葉遣い、発言をしない」ということが人間関係の最重要課題であるのです。
 周りに対して、「うるっせーなー」「関係ねえよ」「無意味だよ」「ナンセーンス」などと言う言葉を発する人間は、全く氣の流れに配慮できない人達です。

この続きは、また来週……('-^*)/