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今週の喝 第931号(2023.03.27~04.02)〜彼は今も十三(じゅうそう)のキャバレーで演奏しているのかなぁ……!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わるVol.930
成功への道しるべ!この世は全て催眠だ671

 

彼は今も十三(じゅうそう)のキャバレーで演奏しているのかなぁ……!
                                        
  さてさて、得津武史先生が西宮の市議会に通知表の疑惑で呼び出され、スタンディングオベ-ションが出るほどの名答弁をした次の日の練習時間のことです。
「こら阪本、我がしっかり勉強せんさかい、昨日ワシは西宮市議会で冷や汗が出たぞ。こっちに来い!」
と言って、阪本君は得津武史先生の天ぷら棒のキツい一発を頭にお見舞いされました。阪本君の名誉のために補足しますが、それ以降、私や周囲のブラバンの友達に聞きまくって、音楽だけはとても良い点数をペーパーテストでも獲得し、先生を唸らせました。そして、高校を出てからは、大阪は十三(じゅうそう)のキャバレーで後輩のテナーサックスの藤崎君と共にプロとして活躍しておりました。今は何処でどうしているのかは(阪神大震災後)行方知れずですが、きっと爺さんになった今も楽しそうにドラムを叩いていることと想像します。
 それにしても、得津先生は平然とした顔で市議会に臨んでいると思いきや、背中は汗ビッショリだったことは、阪本君の頭に飛んだ天ぷら棒が風切り音と共に炸裂し、彼の頭に縦に“たん瘤”が出来ていたことでもよく分かりました。
 先生は堂々とした風貌の陰に、今回のようなビビりの一面も併せ持っていた故に、失礼極まりないのですが、「かわいげ!」があり、生徒のみではなく、父兄や近隣地区住民にも親しまれておりました。時々、近所のおばちゃんが手作りの折詰弁当を持ってきて、
「先生、ご苦労さんやなぁ。今年も日本一を今津に持って帰ってきてや。」
と置いて帰ったことも屡々でした。
 このようにして近隣住民とも和気藹々で共存していましたが、中には朝6時半頃から運動場でトランペットやトロンボーンをフォルテッシモロングトーンされると、それは大きな音でストレスのたまる人々も現れました。
 
★★「誰か、殴られてこい!」★★

 

 逆の立場になって考えると、朝の6時半頃から傍若無人に音楽には程遠いロングトーンの基礎練習ばかり聞かされるとヒステリーにもなろうというものです。それに今津中学校吹奏楽部の特徴は、先ずはフォルテッシモで音が整った後、楽曲練習に入りますが、この運動場での練習は、1,2,3年が一緒の練習のため、私たちは日本一という目標を掲げて早朝練習しているので、近隣住民のことなど全く気が行きません。そんなある日のことです。
 得津先生に負けないような恰好のオッサンが我々の練習場に現れ、大声で、
「こらワレラ!ジャカマシインじゃ!」
と恫喝して、右手に持ってた竹刀で鉄棒の支柱をバシバシ叩くのです。その剣幕に子供達は萎縮してしまい、音を出す者は誰も居なくなり、全く練習になりません。そうこうしている内に、得津先生が運動場に現れ、
「コラ我等、何で音出しとらんねん?」
と、子供達に怒鳴りつけます。まさに、“前門の虎、後門の狼”状態です。これはかなわない!と思ったコンサートマスターの武田君(あだ名は“シンゲン”)が事情を話すと、先生は
「みんな音楽室集合!」
と朝練を中止し、生徒みんなを音楽室に集めて
「隣のキ○○イが言うて来よったんか」
と問い正し、暫く思案した後、恐ろしい提案をし始めたのです。
「誰かこの中で、あのキ○○イに一発しばかれる勇気のある奴は居らんか。よう考えてみい。ワシに天ぷら棒でいかれるのも、あのオッサンに殴られるのも痛さは一緒じゃ。それにあのキ○○イにいかれたヤツは、一ヶ月天ぷら棒は免除してやる。そして、子供が殴られたと言うことであいつをこの今津から追い出したる!」
という、今では考えられないような提案を子供達にするから恐ろしい。すると、ドラムのパートの例の阪本君が「ハイ!」と手を挙げ、
「先生ボクが殴られてきます!」
と、私では到底買って出ることなど出来ない役目を、堂々と「ヤル!」と言うのです。先生が先生なら生徒も生徒ですね。
 この顛末は、結局近所のキ○○イに阪本君は殴られることはありませんでしたが、件の折詰弁当を持ってきてくれたおばちゃんが、この事情を知り近所の交番のお巡りさんに事情を話し、朝練の時にそのオッサンが現れるのを待って、厳重に注意をしてくれました。決め手になったのは、そのオッサンが右手に持っていた竹刀が決め手となったのです。
 やがてそのオッサンは、引っ越して行きました。

 

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/