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今週の喝 第925号(2023.02.13~02.19)〜「縁は異なもの」その通りの運命!〜

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「縁は異なもの」その通りの運命!
  「教え孫・忠洋」と、今津中学校吹奏楽部の創設者・鈴木竹男先生には呼ばれておりました。先週号で初登場の鈴木竹男先生(通称:チクさん)は、阪急電鉄の創始者・小林一三氏に見初められ阪急少年音楽隊の隊長に抜擢されました。そして、鈴木先生から吹奏楽部の後継者として軍楽隊上がりの得津武史先生に白羽の矢が立てられたのです。
 鈴木竹男先生が私のことを「教え孫」と呼んだ所以は、我が母・洋子(ようこ)(昭和9年生まれで、私は母18歳の時の子)が今津中学校二年生の時の担任だったからです。
 我が母・洋子は、東京武蔵野にあった陸軍の通信学校に志願兵として出征していたご近所の畳店の息子・梅谷郁郎に中学卒業と同時にプロポーズされ(母16歳、父22歳)ましたが、まだまだ年齢が若いと言うことで、近親者達は只それだけの理由で
 「花嫁修行も何もしていない」
ということで、1年間兵庫県の中央・社(やしろ)町にあった森本畳店(森本忠雄社長経営)へ花嫁修業という名目で奉公に出されました。この社長は、我が母・洋子を我が子のように可愛がってくれたといいます。もうお気づきの方もおられるでしょうが、私の名前が「忠洋」なのは、この畳店の社長の「忠」と母の「洋」を一文字ずつをとって付けられたのです。
 もちろん父が畳屋の息子であった故の知り合いでしたが、16歳の少女が一人で奉公に行くと聞いた鈴木竹男先生は、とても丁寧な手紙を森本社長に認(sitata)めて下さったそうです。高校受験の推薦文を書いてくださる中学校の担任はいても、花嫁修業に行く女生徒の面倒を卒業後も丁寧にみてくれる先生も滅多にいないでしょう。我が母は、それほどみんなから好かれていたといっても過言ではないでしょう。
という訳で、私のことを鈴木竹男先生は「教え子」の息子という愛着を込めて「教え孫」と終生呼んで下さったのです。
 また、その教え孫が妙な因果で、自分が創った今津中学校吹奏楽部に入部し、音楽の道を歩むようになったのですから「縁は異なもの味なもの」という諺を地でいった運命です。

★★運命の糸は徐々に手繰り寄せられる★★
 さて、こんな面倒見の良い鈴木竹男先生の推薦によって、西宮でも特に上品な街の小学校である「夙川小学校」から、得津武史先生の性質にぴったりとフィットした「“文化果つる地”にある今津中学校への転勤」が決まったのです。この頃から、運命は“邂逅”(運命を変えるような出逢い)の糸を手繰り寄せ始めました。

 さて、私が中学2年生の時、とても柔和な笑顔をした初老の先生風の方が我々吹奏楽部の練習を見学にお出でになり、帰り際に長閑(のどか)な峠の風景に達筆で、
 「この道より 我を生かす道なし この道をいく 実篤(さねあつ)」
と書いた書画をプレゼントされました。国語が大の苦手であった私には俄(にわか)にはその意味は理解できませんでしたが、今、振り返ると日本の大文豪である武者小路(むしゃのこうじ)実篤(さねあつ)先生自ら、得津武史先生率いる我々今津中学校吹奏楽部の練習風景をご覧になって、感じたままをその場で認めて下さったのです。得津先生は、亡くなる直前まで、
 「ワシはこの言葉が好きや。いや、好きというより、むしろこの言葉こそワシの総てやと言いたい」
もちろん、「この道」とは、『今津中学校吹奏楽部の指揮者としての道』とワシはしっかりと心に決めた。
 「あの日、夜明けのラッパを聞くまで、ぐうたらなワシは酒におぼれて、すっかり自分の歩む道を見失のうとった。あのお上品極まりない夙川小学校から、西宮の“文化果つる地”に転勤が命ぜられたのは昭和31年のことやった。
 今津は、嘗ては灘五郷の一つ“今津郷”として酒の香り漂う静かな町やったらしい。しかし、ワシが徘徊してた頃の今津は、そんな欠片(かけら)も残ってなかった。
 生徒の大半が通学する道は、およそ教育的環境にはほど遠く、西宮市で生活保護を受けている生徒数が最も多いのも今津中学やった。
 このように、『音楽とは縁のない衆生』である彼らに音楽に親しみ、音楽を聴く姿勢を養うのは、ともかく“楽器”を触らせて、学友達が実際に目の前で力いっぱい楽器を演奏してみせることしかあらへん。
 そして、みんなが合奏すると、不思議なくらい心が揺り動く空間が出来る“吹奏楽”という世界を体験させる以外には、こいつらをまともにする方法はないと思った」
といつも酒が入ると当時のことを述懐していました。

 

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/