M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第893号(2022.07.04~07.10)この世は全て催眠だ(632)〜 腹は立てども行動できず⁉〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(632
腹は立てども行動できず⁉

 この世は、バランスタイミングで成り立っている、と皆さんに伝えておりますが、その裏には自分の所業(性質)が大きく影響することは間違いありません。先週号でも書きましたが、その頃の私は過去の所業のこともあり、少々生意気な考え方をもっておりました。“天”はそんな私を諫めるように、私の初めての作品「おもいで酒」をB面にアップしました。
 そのプロセスでも、B面の悲哀を散々体験しました。本来なら厳しいチェックを通過してレコードに採用されるのですが、レコーディングプロデューサーのうっかり(手抜き)ミスで、B面の楽曲が決まって(決めて)なかったのです。そして、偶々居合わせた総合マネージャーの佐伯さんが、「周囲の焦りに乗じてねじ込んでくれた」というのが真相です。これで終わりかと思いきや、サッチンの寝冷えによる風邪のためにKey合わせをしないまま、アレンジャーの薗宏明さんにデモテープが渡り、サッチンの声では出ない音域のアレンジが届き、歌録音の当日、これもB面なればこそ、レコーディングテープの回転を早く廻し、4分の1音上げての録音となりました。その結果サッチンの十八番(おはこ)である小節(こぶし)がシッカリと回らなくなるという大ハプニングが起きたのです。
 こんなハプニングの中で船出した「おもいで酒」ですが、楽曲に生命力があったのでしょう。まさに「禍転じて福と成す」の格言通り妙な偶然とタイミングが重なりだしました。
 この頃から私は、物事の成功の裏には“得も知れない我々の人知を超えたエネルギーがある”こと……言い換えれば、神様の力とでも言うべきものが存在するのではと感じだしたのです。
 この頃の私は、まだ幼少期の性質「アカンタレ忠洋」が多く残っておりましたので、B面になったことを、もちろん腹立たしく感じておりましたが、それを前面に出して意思表示するような勇気は全くありませんでした。

 

★★親父には、今も頭の下がる思いです★★
 真に前途多難な船出ですが、以降これらが全て良い方向に舵を切ってゆきます。このB面に収録されたレコードはそのジャケットからして「6時7時8時あなたは」というA面をモチーフに夜の新宿の街角で、しかもバカチョンカメラで撮ったスナップで、素人写真の域を出ないとても鬱陶しく暗いものでした。当時のサッチンはカメラマンも付けてもらえないそんな冷や飯を食わされていたのです。私の悔しさ以上にサッチンの心はもっと傷ついていたことでしょう。(それとも、苦節15年で慣れっこになって居たのでしょうか?)
 このような経過を経て、昭和54年1月29日にB面「おもいで酒」は前途多難な船出を果たしました。レコードは発売されたものの、サッチンはいつも通り伊東温泉ハトヤホテルでストリップのお姉さん達と共に営業の仕事をプロダクションから与えられ、後日彼女に聞いたのですが、「“おもいで酒”を録音したことすら忘れかけていた」そうです。
 その時の私は、やはり、B面になった悔しさがこみ上げては来るのですが、意外や意外、そんな引っ込み思案の私に油を注ぐ行為をしてくれたのが、私が音楽家になることを常時反対し続けた我が父・郁郎でした。
 まず近所の印刷屋(大興印刷)で名刺の表に「作詞:高田直和、作曲:梅谷忠洋、編曲:薗宏明、唄:小林幸子 ワーナーパイオニア(L-257)、おもいで酒」とあり、裏面にはおもいで酒の歌詞が3番まで書いてあり、それを千枚発注して、レコードを佐伯さんにお願いして500枚注文して、自分が出向く会合に常に名刺とレコード、そしてポータブルレコードプレーヤーを携行して
 「ウチの息子が作った演歌でんねん。いっぺん聴いたっておくんなはれ!」
と売り歩いてくれたのです。初めの頃は自分の好きなジャンルなら率先垂範するんやなぁ。と意地汚く考えておりましたが、母・洋子
 「あのプライドの高いお父さんが、皆さんに頭下げてあんたの歌売ってくれてはんねんで!」
と、叱られました。

 思い起こせば小学校4年生で買ったドヴォルザークの「新世界」交響曲で延々3時間近く「無駄遣いをした」と説教されて以来の親子の確執が解けた瞬間でした。
 私は今齢70ですが、近年、熊本や広島で今は亡き父の知り合いという人達に逢って、例の名刺を見せられ、
 「お父さんに感謝しなさいや!あの時の父上は、ホンマに真剣やった」
と、諫められたこともありました。親父はこんな僻地にまであのレコードを抱えて酒の席でポータブル蓄音機で皆さんにB面であるにもかかわらず、真剣に息子の自慢とレコードセールスをしてくれていた、その光景を思うと感無量!頭が下がります。

 

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/