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今週の喝 第887号(2022.05.23~05.29) この世は全て催眠だ(626)〜  “縁”からできた歌……それが“演歌”〜

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この世は全て催眠だ(626

  “縁”からできた歌……それが“演歌”

 さて、流行歌がヒットする条件を後日考えてみると、当然のことですが、まず良い詞が必要です。従って、作詞家の先生が良い詞を書いて下さることが肝要です。良い詞とは、私の解釈では情景や心理を想像させ、いかにもそれが自分であるように思わせる詞です。よく詞が先なのか曲が先なのかと尋ねられますが、それは作曲家の嗜好と癖で決まります。私は、詞から受けるバイブレーションを(詞には全て波動があります)素直なメロディーに置き換えるという信条を持っていますので、詞を穴が空くほど読み込みます。また、先に歌手が決まっている場合は、その歌手の癖や歌唱能力を加味して作曲します。
 ただし、この「おもいで酒」は作詞の高田直和先生が、大阪北新地の小さなスナックで走り書きしたものを、「いつかは世に」という思いで持ち歩いていた詞である故(後に聞きました)、誰が唄ってくれるかなど全くもってありません。
 その上“酒”の歌であるにもかかわらず、高田先生は完全な下戸(お酒が飲めない)で、後にこの歌が世に出た時、その嬉しさからビールコップ一杯を乾杯された途端ひっくり返ってしまいました。お酒を受けつけない作詞家が書いたにしては、「さけ心」をあそこまで表現したのは、まさしく想像力のたまものです。(後に小林幸子のアルバムに“酒ごころ”という歌を書きました)。この頃より、「“実際”より“想像力”のほうが芸術や人生には大切なのかも」と言う思いがつのり、今に至っています。(これもSCHOOL創設の起爆剤の一つです)
 多くの方は、先ず歌手ありきで歌が出来上がると思っていますが、また後ほどシッカリとお話ししますが、あの歌はまさしく「縁」が繋いだ“演歌”なのです。皆さんも縁という見えないパワーを蔑(ないがし)ろにするか縋(すが)るかで、その人間の運命や運勢は決まります

 

★★編曲の重要性!★★
 多くの方は、詞に曲を付ければ歌(レコード)になるように思っていますでしょうが、その曲にも伴奏や前奏(イントロ)をオーケストラで華麗に、且つ聞く人の情緒を誘導するための“編曲”が必要です。私が高田直和先生に認められたのも、
 「今津中学校吹奏楽部の奏でる音が、中学生離れしている!」
というところから、紹介者の西宮市議会議員・今西えいじ先生が、
 「実は、ここに居る梅忠はんが全部編曲してまんねん」
からこの物語はスタートしたのです。
 俗に今中(いまちゅう)サウンドと呼ばれる独特の華麗な響きは、大阪市音楽団(現:シオン)のコンサートマスターであった木村吉宏先生が緻密に編曲したお陰で、通算23回も日本一になれたと言っても過言ではありません。私も木村先生の編曲の楽譜からその手法を学んだ一人です。(後年、ペ-ジェントなどのアレンジは私が担当しましたが)
 編曲とは、単純に言えば“味付け”絵画で言えば“色付け”です。作曲は素材(デッサン)です。私も編曲家として数多くの作品を書きましたが、色んなサウンド、リズム、またハーモニーを独自に色づけしてゆけるので、その魅力に取り憑かれた一人です。
 言い訳がましいのですが、その編曲手法の研究に没頭するあまり、大切な受験勉強の時期にその勉強ばかりしていて、高校での学業成績は急降下し、自分自身が本当のバカになった錯覚に陥った時もありました。(完全な言い訳です)。
 ということで、一つの歌が完成するのには、①作詞 ②作曲 ③編曲という作家のベースがあって、その上に④歌手が乗っかるのです。もちろん売れっ子有名歌手になると、その人のために⑤レコード会社が作家を集め、そこに歌手をプロモートする⑥プロダクションが売り歩くのです。
 さて、この「おもいで酒」は、大阪朝日放送事業副部長・高田直和先生が何気なく(計画もなく)大阪北新地の小さなスナックで走り書きしたものですから、歌手以降のヒット条件など何もありません。
 今でこそ私は知った風なことを言ってますが、当時は、ABC朝日放送の偉い人の作詞で、私はその方に認められた……故に、頭は空っぽで、それによって著作権などと言う「お金が動くシステム」のことなど、全く知りませんでした。この無欲恬淡が後に功を奏するのですが、その頃は「音楽ができるなら」の一途な心だけで(それが私を堂々とした風格を醸し出し、また、悪い方では“生意気さ”ともなって)プロの集団の中に飛び込んでゆけたのだと今懐古します。
 この楽曲が一番初めに世に出たのは、ABCの関係の仕事をなさっていた高田先生の計らいで、伊藤ハム提供「歌のゴールデンショー」でした。まだ編曲も完成しておらず、もちろん歌手も決まっていない状態で“露出”だけは決まっていたのです。(“露出”とは業界用語で、レコードとして発売したり、ラジオやテレビといったメディアにのせることをいいます)そこで役に立つのは人間関係……高田先生はABC事業副部長の肩書きを大活用して、歌手・小坂明子さんのお父さん小坂努さんが社長を務める「ニューソニック・ジャズオーケストラ」の編曲専門の方にアレンジをして貰いました。この辺りから「おもいで酒」は大きなうねりに翻弄されてゆくのです。

 

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/