M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第195号(2009.1.12〜2009.1.18) 〜氣の力を知ろう(2) ”気配り”は温(たず)ねることから始めよう〜 

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(2)
〜”気配り”は温(たず)ねることから始めよう〜

 

 良く気の付く人を観察していると、もの凄く落ち着いた態度で物事に当たっていることが分かります。 例えば、講演に招かれた後の宴会の席で、ビールを注(つ)ぎに来てくれる人がいます。今まで、こちらは真剣にお話しし、やっと緊張解除したばかりの時に、冷たいビールはさぞや「旨い」と思われるでしょう。しかし、一つの講演会は講師にとっては戦場であり、最高のテンションで挑んだ後の胃袋は、もうヘトヘトに疲れ果てていますそこへ冷た~いビールは百害あって一利無し!講演終了後は、最低1時間は何も口にしたくありません。 そんな時、料理に何も手を付けずにいると、隣から主催者の方が「お気に召しませんか」と問われます。そんな時、作り笑顔で、「ハイ、頂きます」と我慢して口に頬張りますが、全く味など分かりません。 しかし、時間が経ち、それなりに雰囲気に慣れてくる頃、うんざりとするほど乾杯返杯を繰り返した私のお腹は、ダブダブになっています。そんな時、ほんの少ししか口を付けていないコップに、「どうぞ」と無理矢理お酒を注ぎ足しに来るのです。こちらも、「いや~、有り難うございます」と言いながら杯を差し出しますが、心の中ではいい加減に止めてという叫びでいっぱいです。
 お酒や料理を振る舞って下さった方々は決して悪気をもってしたことではありません。それどころか、精一杯のもてなしをして下さったのです。なのになぜ嫌な思いをするのでしょうか。
 こんな経験は私だけなのかと思い、俳優さんや音楽家、また医者の方々に尋ねたところ、皆さん同じように極度の緊張の後は、胃袋も同じようになっていると言っていました。

 
=気配り人間への変身=
 このように人の気持ちを汲んでもらえず、気まずい思いをした方は少なからずいると思います。男女関係において、取引関係、主客関係など、色々なところで、気持ちの一方通行は起きています。これは接待される側が感じることはあっても、接待する方は気づかない事がほとんどです。忠臣蔵も浅野内匠頭の不作法が原因で、吉良上野介がその不作法に対して腹を立てたことに因ります。
 相手の気持ちになれない、そのことに気付かない……私はこのような心がなぜ起こるのか検証した結果、人間は自分の生まれ育った環境や習慣が潜在意識にインプットされた範囲でしか、気配りは出来ないことに行き着きました。
 その昔、ある国の皇太子がイギリスのエリザベス女王の晩餐会に招待された時、皇太子がフィンガーボールの水を飲み干したという話があります。その時出席していた大勢のイギリス貴族達は眉をひそめ、礼儀知らずの田舎者と内心蔑(さげす)みましたが、エリザベスは、ご自身からフィンガーボールの水を皇太子と同じように飲まれ、何もなかったように晩餐会を恙(つつが)無く終わられました。
 皇太子はそのマナーをただ知らなかっただけです。それをさりげなくカバーする心を持った女王は、「徳」のある心優しい人として再度イギリス国民の人望を集めました。これこそ本当の気配りです。そして、皇太子も自分の知らない世界をフォローしてくれた女王に心からの礼をつくし、お互いの名声が世にとどろきました。
 気配りとは、まさにその人間の生まれ育った環境と受けた教育から身につけた世界の投影です。物事に当たって胃袋が緊張しない人は、適当に生きてきた人間か、もしくはしっかりと訓練をして自分をリラックスさせる術を身につけた人でしょう。後者は、その修得過程で一度は緊張を経験しているゆえ、はやり気配りの出来た行為行動をします。しかし前者は、何事にも全身全霊を掛けてぶつかったことのない人間なのです。自分の側からの行為が全て正しいことだと思ってしまう、また、そのようなことを全く気にしない人間は、人生を極めようといった思考も湧かせず、緊張感を持ったことのない人達です。 我々人間は、品性・人格は上には上があることを知り、自分も昇華しようと謙虚になり努力することが肝要です。その為にも、人に何らかの行為をし、その自分の気配りに自信の無いときは、「温(たず)ねる」ことでお互いの意思の疎通は滑らかになります。温ねるとは心を温め合う気配りの第一歩です。言葉を発して相手の意志を確認することから始めれば、必ず良い人間関係、人に気持ちを大事にした気配り人間になるでしょう。 
「このままビールでよろしいですか。何か別のものをお持ちしましょうか?」
英語では、May I help you? の心が、あなたを気配り人間へと変身させるのです。

この続きは、また来週……('-^*)/