M&Uスクール

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今週の喝 第830号(2021.3.15~3.21)この世は全て催眠だ(570)〜「バランス」を失ったとき、失敗は始まる〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(571

「バランス」を失ったとき、失敗は始まる

 楽器を演奏するのは、人間にとって本当に素晴らしい人生訓練であると私は思っています。

 私たちの感覚器官“眼耳鼻舌身”の全てが自分自身でありながら、それを統括するのは「意=意識(頭脳)」一つです。感覚器官が五つであるのに、それを情報処理する機能が一つであるが故、バラバラに成りかねません。いや、バラバラになります。ですから、それらを反復練習で習熟し、“癖”のレベルにまで落とし込む……つまり、潜在意識(無意識)に叩き込んでしまわない限り、それを修得した(=身につけた)ことにはなりません。
 以前、目の不自由な子供がピアノのレッスンを受けているところを見たことがあります。(盲目のピアニストでは辻井伸行さんが有名です)その子の母はピアニストで、産んだ子が不虞であることに責任を感じ、健常者以上に素晴らしいピアニストに育てようとしたのですが、その結果は功を奏しませんでした。
 その母は、しっかりと右手の部分を何回も演奏して、しっかり聴かせ、次に左手と順次演奏してその子の感覚を鍛えてゆきました。そして、当初は子供も母と一緒にいられることもあり、言う通りにしていました。楽譜などは読めないので、全て暗譜です。当初はとても良い感じで成長していましたが、だんだん言うことを聞かなくなり、とうとう最後には、ピアノの前に座ろうとしなくなりました。そして、私に相談してきたのです。
 その理由は一目瞭然。それは、子供が上達するにつれ、母親の方がそれ以上に熱が入り、知らない間にレッスンがとても厳しくなっていったのです。その結果、子供は音楽そのものを拒否するようになってしまいました。
 目が不自由でもそれに変わる感性は必ず発達します。それは、神(大宇宙)が“バランス”をとることでこの世での存在意義を成立させるからです。ということは、バランスを失ったことによって、その子はピアノを放棄したのです。

 
★★人生を思い通りに進めるには★★

 これらの事象をまとめますと、人の感覚器官は当初バラバラですが、それをやがて「心」が統括します。その方法は、反復練習によって身体(筋肉)に覚えさせるのです。言い換えると、潜在意識にインプット=無意識化(癖化)するのです。そうして、人は上達してゆきます。ですから、先のピアニストである母親のレッスン方法は正しく、視覚が欠損していても脳が統合するように、神は私たちを作りました。
 その昔、脳障害の一つを「分裂病」と呼んでいた時期がありましたが、現在では「統合失調症」と名称が変わっています。それはこの統合能力が失われることで、物事の遂行能力がダメになるからです。
 さて、このピアニストの母は、子供に厳しく接したまでは良いのですが、私が観察した限り、子供に対する思い入れが強すぎて、良くできたことを「当たり前」と感じ、上手くできないところばかりを注意指摘したため、その子供は、「自分はピアノに向いていない!」と自己判断すると同時に、その理由付けを母を嫌いになることでバランスを取ったのです。つまり、本来、素晴らしい才能を秘めているにもかかわらず、周囲の環境(この場合は母)によって、セルフイメージを「無能」と自分自身で書き換えてしまったのです。しかも、無意識に……!
 これは、楽器習得に限ったことではなく、一般社会(家庭や会社)での指導方法でも同様の失敗が繰り返されています。先ず、理解しておくことは“心”が「各感覚の舵取り」をやっていることを解ることです。ですから、「心が離れる」と、どんなに感覚が鋭くても覚知しなくなります。つまり、その事に対して「才能」よりも「好き・嫌い」が大きな要因となって、その人間の運命の選択肢を左右してゆくのです。
 私は、多感な中学時代に得津武史先生という人間育成の大御所によって、才能を開花して貰いました。もし、得津先生に出逢っていなければ、皆さんにこのような能力開発の手法を伝えることは出来なかったと思います。先生は「厳しさ」の反対側には「夢と希望」を載せた天秤を用意して、そこに“バランス”を見いだし、私たち子供を育成してくれました。
 このあたりがピアニストの母との大きな違いです。良かれと思って精魂を込めすぎたところ、子供の心から離れ、自分の願望のみに終始することになり、子供との関係性のバランスを失ってしまったのです。
 同様に、私も約50年の長きにわたって、人間関係や経営、また能力開発の手法を見てきました。そして、才能のある者を藻屑としてしまう「壊し屋」から、我が師・得津先生のような、文化果つる地の子供を日本一にする「育て屋」まで多くの人間に遭遇し、また私自身も、マエストロ・宇宿允人先生の出逢いによって、バランス良く引き上げて貰いました。
 失礼を承知で申しますが、古来より「バカと鋏は使いよう!」ということを私は、直に体験しました。しかも、使われる側と使う側の両面に立って……。そして、そこから得た結論は「才能」より大切なことは、その人間の「心の指向性(好き・嫌い)」から始まることを認識すべきです。
 私は「(バカではなく)部下と鋏は使いよう!」と、皆さんに説いているのも、どんな鈍感な人間(失礼!)でも、心のスイッチがひとたびOnすれば、思いもよらない成果が導き出されるのを沢山見てきました。
 従って、「私たちの人生は、思い通りの方向に変えてゆくことが出来る」という結論を得るに至りました。それは、心の指向性(好き嫌い)を自由自在に操る訓練から始めることが肝要です。そうすることで、五感はやがて潜在意識(無意識)の目指す方向(理想)に同時に動くようになります。
 
     この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/