M&Uスクール

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今週の喝 第807号(2020.10.5~10.11)この世は全て催眠だ(548)〜想定外を想定すれば、希望と夢が湧いてきた〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(548
想定外を想定すれば、希望と夢が湧いてきた

 宇宿允人先生との嵐のような出逢い……そして、緊張の極(きわみ)でおかした失敗など、今思い起こせばとても良い経験をしました。
 どんなことも、いくら意識して積み重ねたものでも、緊張の前では脆くも崩れ去り、咄嗟の判断は勿論のこと、知識など全く役に立たないことを思い知りました。我々が積み重ねている知識や技量には、“落ち着く”という心の在り方が大勢を占めていることを、長年月の音楽経験で知っていましたが、“権威”の前ではしどろもどろ……!ゲシュタルト的見地からいうと、威光の前では凡人は無力であることを実感しました。
 その時の経験から、無意識に自分も宇宿先生のような威光を放つ存在になることを決意したのかも知れません。いつ何時、想定外のことが起ころうとも動じない自分を作るには、想定外のことを想定する以外にないと感じたのです。この一見矛盾する考え方は、その後だんだんと自分が思いもよらない方向に向かうかも知れないという「希望」「夢」へと繋がってゆきました。

 そんな事件から一週間後、我が今津中学は全日本吹奏楽コンクールで見事な大迫力の演奏をして、吹奏楽の頂点の座を安泰のものにしました。今もYouTubeでそのときのマイスタージンガーを聞くことができますが、長年月の今中の歴史の中で、ショスタコービッチの交響曲第五番「革命」4楽章と並んで、日本の吹奏楽の歴史に残る超一級の名演です。こちらは、確かCBSソニーからCDとして発売されているはずです。
 8月の終わりに、県大会で4位を点けた宇宿先生を学校に招いて、その冒頭の大迫力に感動し、得津先生も私も闇雲にそのサウンドを追い求め、初めは猿まねから始めたのに、どうしてもあの様な感動的サウンドが欲しいと思って、鬼の金棒に匹敵する「天ぷら棒」を捨て、本物の指揮棒に持ち替えた我が師・得津武史先生の行動と努力に脱帽しました。

 

★★欲しい物は何としても追い求めること!★★

 全日本吹奏楽コンクールに勝利した夜、完璧なリラックスの中で、スタッフ達と祝杯を挙げながら、得津先生は、
 「いやいや、今年ほど冷や汗欠いた年はなかったで……!県大会で4位を点けられたこともあったさかいなぁ。あの時は宇宿はんをぶち殺したろとホンマに思た。そのつもりで学校へ呼んだのに、初めのコードを聞いたときは、脳天をかち割られたなぁ。あれがプロや、本物や!」
と、恐ろしいほど素直で無邪気な表情をみんなに見せていました。それを見ていた私は、中学生の吹奏楽にもかかわらず一度(ひとたび)指揮を執ると、ミューズの神が乗り移ったような形相で指導して下さった宇宿先生のその態度にこれまた知らず知らずのうちに脱帽しておりました。
 宇宿先生と得津先生の出逢いは、県大会前から決まっていたのではないかと思うくらい、この偉大な二人の“素直”な性格が似通っていると思い、自分もこのように目指すモノの前では真摯にならなければと、ほろ酔いの中で決心したのが昨日のことのように思い起こされます。

 そして、一週間が経ち優勝の余韻も覚めやらぬ頃、突然、午後一番で我が家に鼻声の電話が掛かってきました。
 「梅谷君か……?宇宿だ!」
その時、その電話の主があの有名なニューヨークフィルハーモニーでレナートバーンスタインの下で研鑽を積み、大阪フィルハーモニーの朝比奈隆先生の招聘で専任指揮者となり、我が今中に4位を点けた先生だと思い起こすことすら出来ませんでした。
 続けて、先生は、
 「今度、労音(勤労者音楽協会)のコンサートでこの間見せたBACHの管弦楽組曲第二番ロ短調をやるんだが、君はできるか……?」
この時、私の頭は真っ白!何を言っておられるのかさえ分からないまま、
 「ハイ!出来るだけのことをやらせて頂きます」
と直立不動の軍隊調で答えたのを覚えています。その途端、
 「バカ!出来るだけのことなどどうでも良い。やるかやらんかを言ってるのだ。どうなんだ……!」
 またまた、「バカ!」です。この言葉を聞いたとき、私の背後には得津武史先生が亡霊のように忍び寄ってきて、「お前はダレに音楽習ろたんや!」と声がするのです。その幻聴に後押しされたように、電話の向こうに
 「ハイ!申し訳ありません。必ず完璧にやらせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします」
と答えてしまっていました。
 「分かった!それじゃコンサートはXmas前だから、よく復習(さら)っておくように……!練習日はこちらから連絡するので、待っていなさい」ガチャ!
と私がお礼を言う間もなく電話を切られたのです。
 その足で、早速ササや(大阪の楽譜屋さん)にバッハの楽譜を買いに行き、すぐさま練習に入りましたが、その難しいことと言ったらありません。とにかく序曲など息を吸うところすらないのです。安易に「やります!」などと言ったことに対して、「出来るかな?」という悪魔の声も囁きましたが、今中卒業生の威信をかけてやらねばならないと肚を据えたのです。

 

       この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/