M&Uスクール

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今週の喝 第753号(2019.9.23~9.29)この世は全て催眠だ(494)〜おもいでの仙台松島瑞巌寺(ずいがんじ)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(494

おもいでの仙台松島瑞巌寺(ずいがんじ)

 先週の水曜日、マエストロの会in松島・仙台で伊達政宗の菩提寺、松島青龍山瑞巌円福禅寺(しようとうせいりゆうざんずいがんえんぷくぜんじ)(俗称:瑞巌寺)に授業の後、みんなで訪れました。私は、この地には特別の哀感があり、感無量で参詣しました。
 昭和41年(1966)11月20日宮城県民会館で、アーカイブを見て下されば分かりますが、私が中学三年生(14歳)で挑戦した全日本吹奏楽コンクール仙台大会で惜しくも2位になり、その翌日、吹奏楽部員全員でこの地を踏んだのが、まるで昨日のことのように甦ってきました。
 本来ならば、優勝旗と共に胸を張って伊達政宗公に報告する予定だったのですが、ひとりの審査員・山田一雄先生の言葉
 「中学生にジプシーの心が解るのか?」
という、当時の私にとって意味不明の言葉と、
 「では、何が足りなかったのか?」
と言う思い、それに“負けた悔しさと、人生で初めて経験した後戻りできない2位という実績”に世の無常を感じながら、失意の内に境内を歩いたのが走馬灯のように甦ってきました。
 そして、フッと顔を上げると、とても美しいガイドさんが案内してくれています。そして、何気なく私と目が合い、その方が
 「今日の苦さを明日の糧にして下さいね。それが人生だから」
とつぶやいてくれた声が聞こえてきました。我々の事情を知って、観光案内してくれていたのです。
 二度と帰ることのない重責を負った中学三年生!只々“この日のために”精魂を込めてフルートを吹いてきた3年間が、もし無駄だったとするならというマイナーな考えが、このガイドさんの一言で吹っ切れました。(一緒に写した写真が今も手元にあります)この瑞巌寺は、私にとって子供時代との決別点でした。

 

★★深い探究心は邂逅を生む★★

 このように今思い返すと、14歳にして世の無常を天に突きつけられたことは、素晴らしい体験であったと感じます。人生(時)は一方通行であるが故に、その時、その時節でやっておかなければならないことがあることを今以て実感します。もし、あの時の失意がなければ、“あかんたれ”の私の人生は、そのようなことに気付くこともなく平々凡々としたものになっていたかも知れません。しかし、無情の現実を突きつけられた私の心の中は、何に対してか分からない“リベンジ”の形相が顔を出しました。
 後に、上杉鷹山(ようざん)の座右の銘
 「為せば成る為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり
が、私の潜在意識に染みつき、その考えが私の人生観を形作り、それが時々暴走しながらも現代に至っています。翻(ひるがえ)って考えれば、上杉鷹山の人生も「波瀾万丈」そのものの中から己の人生観と根性を培ったのでしょう。そして、その苦しみの中から、「何が欠けているのか」と自問自答しても、その解答は見出せません。そんな悶絶の中で、「知りたい!求めたい」という強い欲求が生まれたとき、そこに縁(出逢い)がやってきます。鷹山の儒学者・細井平洲先生との出逢いは、まさに彼の熱き思いを天(神)が聞き届けてくれたかのような出来事でした。それも、鷹山の「」があったからこそ引き寄せた事象だと私は考えます。
 これを人は「偶然」と呼ぶかも知れませんが、人間はその思いの強さによって心のエネルギーが発信されるのだと思います。その強さは、求める強さに比例し、最終的に“自分”という観念が失せた時に、そのパワーは極大に達します。これを私は、科学的にはまだ発見されていませんが「心波」と名付け、自分の集中度やモチベーションの指標としています。そして、67歳になる現在まで、色々な局面でその実感を得ています。それは、仏教詩人の坂村真民先生の名言「念ずれば花開く」が体現されます。
 但し、生半可ではいけません。伝教大師の格言「忘己利他(もうこりた)」が表すように、“自分”という観念(=我)すら亡くしてしまう心意気に達したとき、人と天(神)は共振するのです。まさに孟子の説く“浩然の気を養う”ことこそ天人地が一体になる要なのです。
 上杉鷹山は、己の運命の中の「苦」によって、この浩然の気が養われ、そこに細井平洲先生との邂逅(人生を変えるような出逢い)が生じたのです。まさに、自分の我欲と決別した“公人”の素養が備わったとき、天はその証しを“出逢い”というグッドタイミングな形で、我々に知らせてくれるのだと私は信じております。
 この瑞巌寺での女性ガイドさんのつぶやきから始まった私の探究心は、やがて大いなる邂逅となって、私の人生を伸ばしていってくれることになります。まさに、「苦」は人間の成長にとって必要不可欠な要素であることを確信しています。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/