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(12)チャーリー長縄

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 今回の視察旅行は私にとってとても大きな意味があったと思います。私自身この旅行に対してとても消極的でした。出来れば行きたくないと思っていましたし、伊藤会長の日程調整が難しく参加出来ないから、日程を来年に変更しようという話があった時は正直来年の方が良いとさえ思っていました。面倒なことは先へ先へという気持ちがありました。しかし、現実には予定通りの日程で開催されると案内があり、覚悟を決めて「シンドラーのリスト」や「夜と霧」に触れることにより、実際にこの目で見てみたいという興味が沸いてきました。また当時は、わざわざ前泊までして我々の見送りをして下さった伊藤会長には頭が下がりました。もし自分が逆の立場だったとしたら、考えもしていなかったと思います。本当にありがとうございます。

 

 実際、アウシュヴィッツの地に立ってみて最初に感じたのは、悲惨な過去の歴史的な場所というよりも観光地に来た感覚でした。しかし、「鉄の門」を潜りレンガ造りの建物の中に保存されている収容者から刈り取った大量の髪の毛や眼鏡、そして大きく名前の書かれた鞄を見るにつけ当時の悲惨さだけに目を奪われていました。

 同じ人間としてどうして何百万人という人間を虐殺することが出来たのか、それを先導したヒットラーは何て酷い人間なのかという、おおよそ何も勉強していない人と同じ様な感覚が先に立ちました。片側だけからしか見なければ、結局のところそんな感覚しかないと思いますが、今回は幸運にも日本人ガイドの中谷さんが一緒に回って色々と解説をして下さった事でナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の悲惨な歴史として、ただ授業の一つとして学んできただけの知識でしたが、別の角度からの解説をして貰えたことでとても勉強になりました。その中でとても印象的だったのが、特に医学など色々な分野でとても先進的で優秀なドイツ人が、何故こんな大量虐殺したのか本当に疑問だと仰っていたことでした。その辺りの事は見学終了後に先生の講義で教わることになるのですが・・・。

 そしてアウシュヴィッツを後にしてビルケナウへ、ここはアウシュヴィッツの様な収容所ではなく処刑場跡です。線路が入り口まで来ていて、そのままガス室に連行され処刑される場所(ビルケナウに到着したときは低い雲が垂れ込め、本当に何とも表現出来ないおどろおどろしい感覚を感じました)でユダヤ人は何日も貨車に押し込められ、食事も与えられず、その中で既に亡くなっていた人さえいたと聞きました。当初使われていたガス室は、証拠を残さないようにするため、既に爆破され瓦礫だけが当時の面影を残していましたが、一日目はここでタイムアップで、バスにてホテルに戻り、休憩後、梅谷先生からアウシュヴィッツの悲劇が何故起こったのかという講義を聴きました。

 

 先ず大きな問題は、ユダヤ人が国土持っていなかったため、多くのユダヤ人は金至上主義に走ってしまった事に由来していて、そしてまた、結束力が無くリーダーが不在だった事が、この大量虐殺に結びついたというお話しでした。また ユダヤ人収容者を統率する役目のカポは、ドイツ兵ではなく同じユダヤ人にやらせたという事実でした。  私自身はカポのことは全く知りませんでしたし、そのカポは現代日本の多くの中小企業の経営者と同じだという言葉に、いささかの反感を以て講義を聴いていましたが、月曜に配信される「今週の喝」を読んで、そうかもしれないと感じました。

 

 今回の旅行で感じた事は自分の目や耳で感じる事の大切さ、そして片側だけではなく必ず両方向から物を見なければならないという事でした。片側だけからしか物を見なければ、私達日本人も近い将来このユダヤ人の同じ運命を辿ってしまう気がしてなりません。そうならないために、先生に教わった「聞いたら見よ、見たら聞け」という言葉を大切にしたいと思います。

 

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