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(6)エマーソン永田

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 マエストロのメンバーと訪れたアウシュヴィッツの旅は、決して大げさではなく、我が人生に影響を与えてくれたことは間違いありません。それほど大きな衝撃を受けました。アウシュヴィッツに行ったことを知っている方から「あそこまで行って何を学んできたのか?」と聞かれます。アウシュヴィッツ強制収容所では150万人のユダヤ人が虐殺されました。私も単純にそういった場所だと思っていました。しかし、そんな簡単に済まされるようなところではありませんでした。我々は決して風光明媚な観光地に物見遊山で行ったわけではありません。あくまで「人間」の勉強をするために出向いたのです。

 

 ホロコーストはヒトラーが原因ではありません。歴史、宗教、政治、人種差別、人間的性質といった様々な要因が複雑に絡み合い、行き着くところは結局そこだったということでしょう。どこか必然性のようなものを感じてなりません。

 また、私はなぜユダヤ人がこれほどまでの人種差別を受けなければならなかったのか理解できませんでした。しかしここまで残酷な殺されかたをされたということは、ユダヤ人に対して相当の憎悪があったに違いありません。おそらくこれは現地に足を運ばなければ得られない感覚だろうと思います。

 

 アウシュヴィッツの展示室にある写真を見ると痩せ細ったユダヤ人の中に太った人間が混じっています。ガイドが言いました「これがカポです」。カポと呼ばれるこの人間達はドイツに協力的なユダヤ人です。同じ収容所に収容されている言わば同胞です。カポは自分達の保身のために仲間をムチで打ち、凄まじい暴力、拷問を被収容者に与え、監守に気に入られようとしました。カポは同胞を売ることで食事や宿舎などの別待遇を得ていたのです。

 1日目の見学後に、その補講として梅谷先生はホテルで詳しい、そしてなかなか世間では語られていない真実を講義して下さいました。

 梅谷先生は仰いました。「ユダヤ人の中にもユダヤ人を売る人間とユダヤ人を救おうとする人間がいた。あなたはどちらか」そう、過酷な状況にありながら自分のわずかばかりのパンを仲間に分け与えた人間もいたのです。

 どんな状況の中にあってもこのような行動が出来る人間らしい人間を学ぶために我々はこのアウシュヴィッツまで学びに来たことに気付きました。

 

 今回の旅行に来た人間、来なかった人間がいるということは、まだまだ結束が出来ていなかったということです。どちらが悪いと言うことではなく、我々全員に問題があったということです。ユダヤ人は結束が出来なかった。もしもあの絶滅収容所で7万人が結束できたら暴動を起こすことも可能だったかも知れません。自分勝手で自分のことだけしか考えなかった、だからユダヤ人は嫌われたのです。ここに大事な学びがあることを我々は知るべきです。

 

 さて、私の耳が痛かったのは、梅谷先生より我がNGPもカポの集団だったと指摘されたことです。私も実はアウシュヴィッツを見学しながら、カポとNGPがオーバーラップして見えました。カポの末路とは、仕事に慣れて安心しきったところでガス室に送られ殺害されます。決して救われることはなかったのです。思わずNGPの行く末を憂えずにはおれませんでした。

 

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