M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第499号(2014.11.10〜2014.11.16) この世は全て催眠だ(241)〜“為せば成る”!の初体験。〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(241
〜“為せば成る”!の初体験。

 小学校4年生の時(昭和36年)、近所の子供や友達がカッコウ良く自転車に乗っているのを見て欲しくてたまらなくなった私は、父に自転車を買ってくれるように頼んだのですが、立った一言「アカン!」と一蹴されました。しかし、
 「お前も、学級委員長になったら買うてやってもええなぁ」
と付帯条件を付けられたからたまらない!
 それから、クラスの雑務や掃除当番など、人がサボりたがることを一所懸命やったところ、その努力の甲斐あってか2学期始めの学級委員長選挙で“副委員長”に選ばれました。“副”の付く微妙な就任ですが、父はなけなしのお金で、私に黄緑色の24インチ、子供用自転車を買ってくれました。あの時の歓びは、今も鮮明に心に残っています。その自転車に乗って、近くの海や6㎞も離れた武庫川へ遊びに行ったことは素晴らしい思い出です。
 しかし、人生というのは過酷なもので、良いことばかりが続かないことを思い知らされることになります。それは、学級委員は、毎週月曜日朝一番に全校児童が運動場に整列し、校長先生のお話や生活指導の先生からの注意事項の伝達のあと、持ち回りで、「今週の目標!」を朝礼台の上からみんなに宣言しなければならないのです。
 その頃の私は、自分の家が畳屋を生業とする商家であったにもかかわらず、人見知りで、特に電話に出ることなど全くもって恐怖の対象としか言いようのないくらい、見知らぬ人と話すのが億劫でした。そんな私が、全校生徒が一千人近く集まる朝礼台の上で、“今週の目標”を言う……こんなことがあるとは思いもよらない事でしたが、時すでに遅し!楽しい自転車Getの裏には、人前でおしゃべりをするという恐怖が横たわっていたのです。
 今も鮮明に覚えていますが、朝礼台から言う言葉は、
 「今週の目標!ハンカチ、洟(はな)紙(かみ)を忘れないようにしましょう」
という、簡単なものでした。
 
★★“上がる”恐怖の初体験!★★
 生活指導の先生から、土曜日に
 「今度の月曜日の朝礼で、この今週の目標をみんなに伝えなさい」
と一遍の紙切れを渡され、私は何度も何度も「今週の目標……云々」と反復練習をして、諳(そら)んじるまでになりました。そして、月曜日当日です。
 たった6段の朝礼台の階段を一歩一歩登につれ、足から徐々に身体の感覚がなくなり、朝礼台の最上段、マイクの前に立ったところで、完全に頭の芯までシビれ、今自分はどこにいて、何をするためにここへ来たのかすら分からなくなりました。そして、一千人の目が私に注目しているにもかかわらず、今週の目標の文言を全く思い出すことが出来ず、必死になってこの状態からの離脱を図ろうと思った瞬間、私は10歳という年齢にもかかわらず、「ウワーッ!」と泣き出してしまったのです。
 私は、おばあちゃんっ子で、何事も甘やかされて育ったせいか、嫌なことや、やりたくないことがあれば、泣いてその場を過ごせば良いというサバイバルの智恵を持っていたのでしょうが、事「公(おおやけ)」の場では、そのような甘ったれた手法は通じるわけがなく、私は、初めての公衆の面前で、生まれて初めて“大恥”をかいたのです。クラスに戻れば、すぐさまギャグにされ、私を見るクラスメートは、泣き真似で揶揄する始末です。
 そんな時、クラス担任の匂(こう)梅(ばい)吉(よし)章(あき)先生は、学級会で
 「梅谷君が、頭真っ白になったんは、純粋な心の持ち主やからや。みんな、チャンと言おうと思っても、ちょっと緊張したらこんな風になるんや。これを“上がる”と言うて、魔物や。梅谷君はええ体験をした。いくら勉強してても、入学試験の時この魔物が出てきたら、全く答案できんようになる。そんな時は、ゆっくりと息を吐いて、落ち着くことが大事やからな。と、上(あ)がるということとその克服法を、みんなの前で教えて下さいました。
 匂梅先生のこの話を、私は真剣に受け止め、そして、自分の呼吸がどのようになって上がり症状に陥ったのか後で振り返ると、朝礼台の階段を上る度に、呼吸が浅く息苦しくなったことを思い出しました。
 それ以来、私は何をするときも必ず「ゆっくりと息を吐き、ゆっくりと吸う訓練」をしてから事に臨むようになったお陰で、中学生になって、ブラスバンドに入部して初めてのコンサートの時も、全く上がらずに演奏することが出来ました。強いて言えば、これが私の潜在意識との出逢いだったのでしょう。
 つまり、上がるという一見コントロール不可能に思える症状も、先ず、その状態が純真な心(何も知らない心)から起こる……つまり、「純情の証し」という肯定的な感性から発していることを認識し、次に呼吸と心が並行移動していることを知ったのです。それは、呼吸が浅ければ、マイナス感性(上がる)になり、深い呼吸はプラス感性(落ち着く)を生むことを実感した最初の体験でした。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/