潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?
この世は全て催眠だ(215)
〜暗示は外側から注入されたものではなく、
既に内側にある!〜
さてさて、我々の社会で起こっている無意識なる暗示(催眠現象)について話してきました。
我々の周りにはテレビやラジオが溢れんばかりに情報を垂れ流しています。その中のコマーシャルは暗示の華麗な展示場といっても差し支えありません。
さらに、現実の政治や経済、そして社会そのものが、この暗示エネルギーによって動かされています。例えば、人々の不況感が強いと、実際に不況がいよいよ長引くと言った具合になるのがその顕著なものです。
このように暗示が私たちの生活の隅々にまで見いだされるのは、暗示が私たちの心の外側から注入されたものではなく、むしろ、心の内側にその大きな根拠があるのです。
暗示メッセージの特徴は、決して無理に押しつけないで、相手の想像力を活性し、その想像力にゆだねるところにあります。そんなメッセージから、どんな意味を引き出すかは、全く受け手の自由です。しかし、受け取った意味によって、自分の行動や判断が大きく影響されていることに、人は案外気付いていません。
そして、暗示メッセージは、結論を相手に押しつけないところに特徴を持つのですが、相手は自分で引き出してきます。このメカニズムを心理学では「投影」または、「投射(プロジェクション)」と呼びます。
投影とは、もともと、自分の心の中にあるものが、映画のように外部のスクリーンに映し出されてゆく働きです。
「あの人は、私を嫌っている!」
と感じる場合、実は、自分の心の中に相手を嫌っている気持ちが先ずあって、それが相手に投影された、まるで相手が自分を嫌っているように感じられてしまうのです。
★★サブリミナル・パーセプションの威力★★
上手な暗示は、日常会話の中で、相手が気づかないうちに相手の深層心理に語りかけ、想像力を喚起させて相手をこちらの思う形に誘導してゆくのです。
相手は、こちらの暗示メッセージには全く気づきません。しかし、彼の無意識は正確にメッセージを吸収し、それから学び、態度を変化させてゆきます。
そのテクニックの基本は次のようなものです。
2人で会話している。話が進んでゆく中で、ところどころ会話の中に「暗示したいこと」をさりげなく挿入してゆくのです。その時、相手の意識は、言葉の表の意味や会話のストーリーに捕らわれてしまっています。
しかし、無意識は、言葉の裏の意味を読み取り、隠された暗示に反応しているのです。
かつて、アメリカで「サブリミナル・パーセプション」という潜在意識に訴えかける映画やテレビのコマーシャルの実験が行われました。
それは、普通のコマーシャルの間に、ところどころ『0.何秒』というごく短いコーラ会社のCM映像をちらっと挿入する実験でです。それはあまりにも短いので意識にはキャッチできませんが、無意識は鋭くそのメッセージを捕らえて、確実に反応していることが証明されたのです。
そこで分かったことは、テレビなどでこれをやられると、大衆洗脳や世論の形成を一定方向に誘導される恐れがあると言うことが分かり、サブリミナル・パーセプションは規制が掛けられています。
日本でも、アニメなどに没頭する子供たちが、急速に画面が明滅するシーンを見て嘔吐したとか、失神したという事件が起こりましたが、これも同様の作用から来ています。
言葉を用いての無意識へのアプローチも、この方法を用います。先ずは具体的な例を挙げましょう。それは、神経言語プログラム(NLP)の創始者であるエリクソン博士が用いた方法です。
彼の患者にジョーという花屋の男がいました。彼は一介の農夫から立志し、花屋に転じて成功し、幸せな毎日を送っていましたが、顔に出来た癌が彼の人生を狂わせてしまいました。手術は手遅れで余命一ヶ月と告げられました。
ジョーは肉体的にも精神的にも苦悩の日々を送り、やがて、最も強い麻薬でも抑えきれない痛みに毎日を呻吟(しんぎん)しておりました。
このジョーを救うために招かれたのがエリクソン博士でした。その時すでにジョーの喉は切開されて言葉はしゃべれない状態になっていました。
エリクソン博士は、ジョーに向かってこの日からひたすら話し始めました。それは、何時間、何日にもわたる語りかけでした。その中に、先ほど述べたキーワードとも言うべき閃光がちりばめられてあったのです。
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/