M&Uスクール

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今週の喝 第296号(2010.12.20〜2010.12.26) この世は全て催眠だ(38)〜はじめに言葉ありき!言葉はイメージをかき立てる〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(38
〜はじめに言葉ありき!言葉はイメージをかき立てる〜

 人間の心や神経、精神についていろいろとお話してきましたが、そのほとんどが言葉が発端になっているようですね。キリスト教十二使徒の一人ヨハネも「はじめに言葉があった、……言葉は神であった」というように、人間である以上、言葉のエネルギーや制約を受けない人はいません。
 家庭内暴力(DV)の機縁になるのも、言葉によるものがほとんどです。俗に「口撃」などと呼ばれるように、汚い言葉で罵ったために、相手が理性を破壊し感情的な行動に出てしまった例など最たるものです。
 そして、催眠法もその誘導はほとんどが言葉によってなされ、その言葉はイメージを伴って我々の脳を直撃するのです。催眠に掛かるとは、言葉によってイメージ脳がかき立てられ、それが人間の行為・行動・感覚・思考といった営みを、実際との区別無く反応するようになるのです。つまり、催眠状態(変性意識状態)に入った者は、イメージと現実の区別がつかなくなるくらい、言葉がイメージをかき立て、実際行動にでるのです。
 エリクソンは、ポリオ、失音楽症など身体が目以外身体のほとんどが不自由になったため、人間の全ての行動や反応を、自分が生来持ち合わせた“観察眼”によって、言葉や対人関係などの関わり具合を分析し、実行動に応用して、エリクソン催眠(近代催眠)を確立しました。
 同じ時期、心身的病に苦しむ人達を見て、その人間を取り巻く環境……とりわけ家族の言葉や行動、そして人間関係を改善することで、精神治療を体系化した「家族療法」バージニア・サティアという人物によって考案されます。彼は、ダブルバインド理論のベイトソン博士の研究が発端となったと言います。そして、ゲシュタルトセラピー(療法)を編み出したフレデリック・パールズも、人間が萎縮し未来の活動に大きく影響するのは、過去に発せられた言葉に大きな原因があると述べています。

=神経言語プログラミング誕生=
 追々、家族療法やゲシュタルト療法についてもお話しますが、催眠療法のミルトン・エリクソン、家族療法のバージニア・サティア、ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズの研究を統合し、そこから“言葉”というエッセンスをキーワードに体系化して生まれたのが「神経言語プログラミング」(NLP=Neuro-Linguistic Programming)です。
 神経言語プログラミングは、上記の三人の天才達のスキルである心理学と言語学、そしてサイコ・サイバネティクス理論(マックスウェル・マルツ博士の研究による潜在意識理論)や家族療法に用いるシステム論を基に、アメリカ・カリフォルニア大学のリチャード・パンドラージョン・グリンダーによって1970年頃に開発された素晴らしい心理療法です。【多くの名前が出てきましたが、追って解説してゆきますので、今はあまり気にしないで下さい】
 この「神経言語プログラミング」は、その驚異的な効果性のため、スポーツの世界やトップビジネスマン、また政治家など世のリーダーとなって活躍する人間や能力を極限まで開発する人達の間でいまから40年ほど前に急に広まりました。うわさでは元アメリカ大統領のビル・クリントンも学んでいたと言われています。
 この神経言語プログラミングを用いて、ベトナム戦争の帰還兵達のPTSDを治療し、そこでその効果が証明されたのです。
 とても壮大な体系的学問ですから、簡単に書くことは出来ませんが、その内実は、コミュニケーション技法、自己啓発技法、心理療法技法を中心とした言語と非言語(ノンバーバル)(動作や態度)の分析から、人間の情動のシステム(無意識行動や無意識思考)を解明し、それを実生活、実社会で活かす方法と考えて下さい。

 ほんの一例を挙げますと、

●アンカーリング
 記憶や感情が、直接は関係ない者と結びついている状態のことで、その動作をすることによって、肯定的な心理状態を作り出すことが出来るようになるのです。例えば、人という字を掌に書いてそれを飲み込む真似をすると上がらないと本当に信じた人は、緊張していざという時にその動作をすると、落ち着きを取り戻すようになります。従ってこの人間は緊張すると人という時を掌に書く動作をします。それがアンカーリングです。アンカーとは船の碇(いかり)のことで、碇を上げると船は出帆する事に由来します。アンカーリングを何か自分のモノにできれば、苦難に強い人間になることができます。

●リフレーミング
 物事の意味を変えることを指します。例えば、みんなに「君は神経質だね」と言われ続けた人間が、ある日、別の人間に「君は本当に慎重で、嬉しいよ」と言われ、自信がついたというように、物事はすべからく、反対の意味を有しているのです。否定的には「神経質」でも、肯定的な見方だと「慎重性」に変わります。同様に「おしゃべり」は「雄弁家」であり、「臆病」は「慎重」なのです。
 マイナスのことばかり考えている人間も、「失敗学の権威」に変身します。

このように、対人関係や内面の性格を言葉一つで、自分の心の奥底に潜むマイナスの自分を大いにプラスへと変身させることのできるメソッドが「神経言語プログラミング」なのです。

この続きは、また来週……('-^*)/